2021年1月のブログです
*
新野剛志さんの『戦うハニー』(2019・角川文庫)を読みました。
ちょっと変わった題の本ですが、本の帯には、保育園には、日本のリアルが詰まっている。とあります。
面白かったです。すごく面白かったです。
先日の大雪の雪かきで腰を痛めて、笑うと痛いのですが、ずいぶん、いたたたー、といいながら、笑ってしまいました。
主人公はある認可外保育園で働くことになった男子保育士。
保育園の現場には、日本のリアルである、虐待や放任など、問題のあるモンスターな保護者が登場し、そこであたふたしながらも、少しずつ成長をしていきます。
園長先生のふところの広さに支えられ、同僚の女子保育士らにからかわれながらも、子どもたちと真摯に向き合っていく姿はなかなかいいです。
子どもたちの切なさや哀しみ、こころの痛みなどは辛いものがありますが、園長先生や保育士たちの頑張りで、少しは元気になります。
そして、保護者は、こちらはなかなか変われませんが、それがリアルなのでしょう。それでも、保護者の哀しみは伝わるようにはなります。
決して明るい小説ではありませんが、いろいろと考えさせられます。
正解はありませんが、悩んで、考えていける気がしてきます。
いい小説に出会えました。 (2021.1 記)