ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

新野剛志『戦うハニー』2019・角川文庫-本の帯に、保育園には、日本のリアルが詰まっている。とあります

2025年01月27日 | 小説を読む

 2021年1月のブログです

     *

 新野剛志さんの『戦うハニー』(2019・角川文庫)を読みました。

 ちょっと変わった題の本ですが、本の帯には、保育園には、日本のリアルが詰まっている。とあります。

 面白かったです。すごく面白かったです。 

 先日の大雪の雪かきで腰を痛めて、笑うと痛いのですが、ずいぶん、いたたたー、といいながら、笑ってしまいました。

 主人公はある認可外保育園で働くことになった男子保育士。

 保育園の現場には、日本のリアルである、虐待や放任など、問題のあるモンスターな保護者が登場し、そこであたふたしながらも、少しずつ成長をしていきます。

 園長先生のふところの広さに支えられ、同僚の女子保育士らにからかわれながらも、子どもたちと真摯に向き合っていく姿はなかなかいいです。

 子どもたちの切なさや哀しみ、こころの痛みなどは辛いものがありますが、園長先生や保育士たちの頑張りで、少しは元気になります。

 そして、保護者は、こちらはなかなか変われませんが、それがリアルなのでしょう。それでも、保護者の哀しみは伝わるようにはなります。

 決して明るい小説ではありませんが、いろいろと考えさせられます。

 正解はありませんが、悩んで、考えていける気がしてきます。

 いい小説に出会えました。       (2021.1 記)

 


コメント    この記事についてブログを書く
« 山中康裕『子どものシグナル... | トップ | 日下紀子『不在の臨床-心理... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

小説を読む」カテゴリの最新記事