2017年のブログです
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木村敏さんの対談集『臨床哲学対話 あいだの哲学 木村敏対談集2』(2017・青土社)を読みました。
とってもむずかしかったですが、とっても面白かったです(どこまで理解をできているかはやや不明(?)ですが…)。
対談者は、坂部恵さん、中村雄一郎さん、柄谷行人さん、市川浩さん、中井久夫さん、村上陽一郎さんなどの、哲学者や思想家などをはじめとするそうそうたるメンバー。
木村さんの「あいだ」の哲学を中心にすえて、人間の存在や精神病についての哲学的な議論が進みます。
その議論をご紹介するのは凡人のじーじの手には余ります。
ぜひご一読ください。
今回、わからないなりに、じーじの印象に残ったのは、まずは、坂部恵さんとの対談。
坂部さんは『仮面の解釈学』や『かたり』などで有名な哲学者で、じーじもそのご本は何冊か読んでいますが、とても面白く、刺激的です。
坂部さんといえば、じーじが家裁調査官になった時に、坂部さんの『仮面の解釈学』を絶賛していた同期がいて、当時、じーじは坂部さんのお名前も知らなかったのですが、それから30年くらい遅れて読んで、感動した記憶があります。
今考えると、もったいないことをしたなと思いますが、読めただけでも幸運かもしれません。
木村さんと坂部さんは、「作り」と「かたり」というテーマで対談をされていますが、人間の存在や「仮面」についての考察がなされます。
「仮面」についてのところでは、レヴィナスさんも出てきてびっくりでした。
もうひとつ、印象に残ったのが、市川さんや柄谷さん、中井さんとの対談で、ここでは、境界例は嗜癖、対人関係嗜癖である、という議論がなされ、今後の参考になりました。
また、ここでも、人間の存在をめぐる議論でレヴィナスさんが出てきて、やはりレヴィナスさんという哲学者は大切な存在のように思われました。
今、ちょうどレヴィナスさんの『全体性と無限』(2005・岩波文庫)を再読している最中なのですが、方向性は間違っていないのかなと自信になりました。
回り道になろうとも、焦らずに、ゆっくりと勉強を続けていきたいと思います。 (2017 記)
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2020年秋の追記です
じーじがレヴィナスさんに興味を持ったきっかけが何だったのか、しばらく思い出せなかったのですが、どうも木村さんの論文に刺激をされて読むようになったようです。
なかなか難しくて、今も十分には理解ができていませんが…。 (2020.10 記)