弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事(商標/著作権)】サイバー保険で侵害しても大丈夫…!?

2020年08月27日 08時07分30秒 | 知財記事コメント
おはようございます!


夏らしい雲漂う今朝の@湘南地方です。

さて、今日はこんな記事。

(読売新聞onlineより引用)
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【独自】ネット上の著作権侵害を補償…東京海上日動が保険

東京海上日動火災保険は9月から、企業がインターネット上で著作権や商標権を侵害した場合の損害賠償金を補償するサイバー保険を販売する。新型コロナウイルスの感染拡大で企業はネットを通した販売や広告を増やしており、こうした活動に伴うリスクをカバーする。

(以下略)
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(引用終わり)

プレスリリースが出ていた→こちら
これによると、
・紙媒体等のオフラインコンテンツも対象
・著作権のみならず、商標権、意匠権、人格権の侵害に起因する賠償責任も対象
とのこと。

不測の事態に備えておくことは事業継続に大事なこと。
保険料がどの程度のものなのかにもよるけど、知財は事業活動上のリスクとしては算定しづらい部類なんじゃないかと思ったり。
弁護士費用も補償対象なのかな?そのあたりはリリースからはよくわからない。
ただ、この商品の前身となっている商品(こちら)の保険料例を見てみると、
他の補償も全部ひっくるめてではあるけど年間約160万~180万円程度。
知財侵害をメインに保険でカバーする、というよりはサイバーリスク全般の中の一部としての知財侵害ということだろうと思われる。

リスクに対するカバーをする行為と、リスクの正体(知財制度の構造や自社/他社状況)を知ることと備えることでリスクを低減する行為。
両方あって良いんじゃないかと思う。
前者は「コスト(cost)」であるのに対し、
後者は「アセット(asset)」=ちゃんと取り組んで組織資産としていけば競争力増強にもつながる話。
企業が置かれている状況に応じて適宜リソース配分をするのが良い。その選択肢が増えることは良いこと。
コメント
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