おはようございます!
曇り空ですが雲の向こうに夏の光が透けて見える@湘南地方です。
さて、「知的財産推進計画2021」、「特許行政年次報告書」が立て続けにリリースされました。
そうだよね、そういう季節だよね(知財推進計画は例年もうちょっと早かったような気がするけど…)。
1.
知的財産推進計画2021
今回のサブタイトルは、「コロナ後のデジタル・グリーン競争を勝ち抜く無形資産強化戦略」。
冒頭で、日本の知財戦略が岐路に立っている、という基本認識の元、
未だに「リーマンショック後」の研究開発投資額と特許出願件数が伸び悩んでいることを挙げ、
日本は「イノベーション後進国」といっても過言ではない旨述べている。
…ま、そりゃ国として研究開発投資抑制する政策ばっかり打ってたら、
そりゃ研究者も逃げ出すよ。ただでさえ長年のデフレもあって処遇が相対的に低下しているのに。
2.
特許行政年次報告書2021
ま、そういった国としての後退ぶりが統計上顕れているのがこの報告書。
2020年の特許出願件数は30万件を大きく割り込んで、288,472件。
これまでは「イヤ、その分PCTが増えてるから」と言っていたが(その言説もそもそも桁の違う話だったが)、
2020年のPCT出願も49,314件と5万件を割り込んでいる。
もちろん、足元のコロナ禍の影響は決して無視できないし、同じトレンドで減少していくことは考えづらいが、
それにしても緩やかな減少がここ10年続いているのは事実なわけで。
デフレ+低収益率→R&D投資減少→特許出願減少→付加価値向上スピード低下→デフレ
の悪循環が続いているように見える。
ちなみに、商標の出願件数も181,072件で前年から1万件近く減少している。
詳細分析これからだけど、
数値としては決して喜ばしい状況ではないなぁ、、というのが正直なところ。
今月冒頭に「夢と希望に溢れた知財業界!」って話を書いたところだけど、
この数字を踏まえると単純に楽観視はしていられない。