弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

事務所開設12年目!
本ブログがKindle本に!「アマゾン 三色眼鏡」で検索!!

【農水知財(商標)】「スカイベリー」第三者登録

2017年09月07日 08時31分27秒 | 農水知財
おはようございます!
適度に落ち着く曇り空の湘南地方です…でも今日は午後から荒れるんですよね。
皆さまお気をつけて。


あさかぜファミリーに「サカダチスキー」が仲間入り♪


ま、それはさておき。
今日はこんな記事。

(日本農業新聞より引用)
================================
イチゴ「スカイベリー」日本産また"標的" 中国で第三者商標登録

日本の農産品ブランドの名称を、無関係な中国の業者が商標出願する事例が後を絶たない。
これまで「松坂牛」など複数事例が確認されてきたが、今回新たに、栃木県が開発した人気のイチゴ
「スカイベリー」が、中国の業者に商標登録されていることが判明した。
日本の農産品ブランドのただ乗りを放置すれば、輸出拡大に水を差しかねない。
日本ブランドの保護には、海外で無断増殖を防ぐための品種登録に加え、商標登録による「二重の防御」
が有効だが、申請費用や手続きなどが産地の負担となり、思うように進んでいない。

================================
(引用終わり)

例えば栃木県のサイトによれば、「スカイベリー」が国内で品種登録出願されたのは2011年のこと(品種名は「栃木i27号」)。
日本国内で商標登録出願されたのは2012年3月23日。
折しも震災の傷癒えぬ時期、こんなサイトにあるように、中国は日本の農産物の輸入禁止措置を引いていた(こちらによる限り、現状は解除されている)。栃木県も対象。

だから中国での権利取得をしなかったのか、事情は良くわからない。
海外での「スカイベリー」関連の権利取得状況をTMviewで調べる限り、マレーシアでカナの「スカイベリー」を取得していることが確認できるのみ。
同じ栃木県のサイトにあるように香港、台湾がイチゴの主要な輸出先のようだけど、保護状況は不明。
(時間の関係上調査しきれてないので、もしかしたら香港、台湾でも普通に登録しているのかもしれません。ただ中国では、出願していなかったから第三者に取られた、ということ。)

確かに出願には費用は掛かるし、手間もかかるのだけど、
それも必要経費として見込まなければ事業としては立ち行かないんじゃないの?というのが率直な意見。
このサイトにあるような自動収穫ロボットに投資している分の数%程度だと思うんだが。。
外国出願助成を活用したりコスト負担を軽減する手立ても別途あるけど、
事業としてやる以上かかるはずの手間と費用は織り込まないといけないと思う。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【雑記】一つ歳をとる。 | トップ | 【業務日誌】韓国からのお客様 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

農水知財」カテゴリの最新記事