放火や破壊行為が英全土に広がった(4日、英中部ロザラム)=ロイター
【ロンドン=江渕智弘】
英国で3~4日、反移民や反イスラムを主張する極右の暴動が相次いだ。英メディアによると逮捕者は400人を超えた。
スターマー首相は5日、今後の暴動に備えて専門の警官隊を待機させると表明した。
3日はリバプールやマンチェスター、ベルファスト、4日はロザラムやミドルズブラ、ボルトンなどで発生した。
ロザラムでは不法入国者を収容するホテルの周りに暴徒が集まり、物を投げつけたり、火を放ったりした。少なくとも10人の警官が負傷した。
スターマー氏は5日、閣僚や警察幹部らと対策を協議した。警官隊を待機させるほか、暴徒の逮捕や訴追に全力を挙げることを確認した。
イングランド北西部で女児3人が刃物で殺害された7月29日の事件のあと、容疑者の英国生まれの少年を「ボートで英国にきたイスラム教徒」とする偽情報がソーシャルメディアで拡散した。モスクや移民施設の襲撃につながった。
スターマー氏は暴動をあおる偽情報の拡散などネット上の行為も刑事罰の対象になると強調した。
X(旧ツイッター)を率いるイーロン・マスク氏が英国の暴動について「内戦は避けられない」と投稿し、批判を受けている。
日経記事2024.08.06より引用