日本経済新聞社は自動車部品メーカーの競争力を分析した「サプライヤーRanking(ランキング)」の日本企業編の最新版をまとめた。
総合評価の首位はブリヂストンだった。電気自動車(EV)用タイヤなどの設備投資を増やしており、前回首位のデンソーを抜いた。部品各社は、足元で減速しているEV販売が中長期では伸びるとみて、投資の手を緩めていない。
専門メディアの「NIKKEI Mobility」が自動車部品を手がける日米欧中印の上場企業を対象に本社所在地別に売上高上位の企業を抽出。設備投資や研究開発費などをもとに成長力などを点数化し総合点を算出した。
前回2位から首位に浮上したブリヂストンは、EVや鉱山機械に使うタイヤの品ぞろえを拡充しながら増産する。
2024年12月期から26年12月期までの3年間で設備投資に計1兆4000億円を充てる。23年12月期までの3年間に比べて4割多い水準だ。高機能タイヤに注力し価格競争と一線を画す。
ブリヂストンが開発するEV向けタイヤは、耐摩耗性を高めたうえで路面との抵抗を抑えた。EVは電池を多く積むため車体が重くなりタイヤへの負荷が大きい。
耐摩耗性を上げる必要がある。航続距離を伸ばすため路面抵抗を抑えることも重要になる。
前回首位のデンソーは2位に下げた。
燃料ポンプの品質問題でリコール対応費用が増加したことが要因だ。一方で研究開発には高水準の投資を続けている。特に注力するのがソフトウエアと半導体だ。ソフト関連の事業規模は35年に約4倍となる8000億円にする。半導体分野には30年までに約5000億円を投資する。
世界では人工知能(AI)の進化によって自動運転への投資が再び加速している。部品メーカーはそれほど規模のない企業も多く、どの分野に投資を集中するのかといった判断の巧拙が重要になっている。
日経記事2024.10.29より引用