裁判所は取締役の独立性を問題視した=ロイター
【シリコンバレー=渡辺直樹】
米裁判所は2日、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の巨額報酬案を無効とする一審判決を維持すると発表した。
裁判所は1月に報酬案を無効とする判断を出したが、テスラは6月の株主総会で7割の支持を得て報酬を承認し、判決を見直すよう求めていた。テスラ側は上訴し、最高裁判所が判断する。
企業に関する紛争を主に取り扱う米東部デラウェア州の衡平法裁判所の判事が2日、マスクCEOの巨額報酬を無効とした1月の自らの判決を維持することを決めた。
テスラは「判決は間違っており、控訴する」とコメントした。デラウェア州には中間となる控訴裁判所がなく、最高裁に進む。
争点となっているのは、テスラが2018年に導入したストックオプション(株式購入権)。マスクCEOが業績目標の達成度合いに応じて得られ、6月の株主総会の段階で560億ドル(当時約8兆8000億円)と米上場企業の経営者で史上最高額だった。
一部のテスラの株主が18年6月にテスラとマスクCEOを相手取り、報酬案の無効を求め提訴していた。
裁判所は報酬案を無効と判断した理由として、策定に関わった取締役がマスクCEOと近い立場にあり、独立性が欠如していたことや、承認プロセスが不透明で通知が不十分だったことを挙げている。
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司法はあくまで適法な手続きで決めたかを見る、本質的にフェアかどうかではない。
その点では数年前SECと揉めた際就任した同社取締役会長の名前を言える人はほぼいないだろう、つまり超人的経営者の同氏の圧倒的カリスマリーダーシップは誰しも知っている事、その意味ではやや茶番めいた印象すら否み難い。
報酬の中身はほぼ時価総額連動ストックオプション。発行時の時価総額から十数倍にしたら与えられる取り決めだった。
当時テスラは50ビリオン米ドル、世界トップ企業は700-800ビリオン、それを650ビリオンにしたら貰える報酬として決めた。
結果として報酬が途方もなく見えるだろうが、それ以上に掲げたゴールが途方もない。
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日経記事2024.12.03より引用