26日、テルアビブでイスラエル軍によるイランへの反撃を見守るネタニヤフ首相(中央左)ら
(提供元により画像の一部が加工されています)=同国首相府提供・共同
【ドバイ=福冨隼太郎】
イスラエル軍は26日、イランの軍事施設に対して精密攻撃を実施していると発表した。X(旧ツイッター)に投稿した。
イランメディアは同日、同国首都テヘラン西部で複数の爆発音が聞こえたと報じた。米メディアによると、核施設や石油関連施設は攻撃していないという。
攻撃がイランとイスラエルの報復の連鎖につながれば中東情勢は一層不安定になりかねない。イランによるイスラエルへの対応が焦点となる。
イランのファルス通信はテヘラン西部などにある軍事施設がイスラエルの標的にされたと伝えた。米NBCはイスラエル政府筋の話として、イスラエルが核施設やイランの石油関連施設は攻撃しておらず、軍事施設を標的にしていると伝えた。
イスラエル軍は声明で「イランの政権による攻撃がここ数カ月間続いていることを受けたもの」と強調した。同軍の報道官はイランや周辺勢力による攻撃に「対応する権利と義務がある」と語った。
ロイター通信によると、米政府高官はイランへの攻撃の前にイスラエルから通知を受けていたが、作戦には関与していないと主張した。NBCは米政府高官の話として、「攻撃は抑制的だ」との見方を示した。
シリアの国営シリア・アラブ通信によると、同国中部や南部の軍事施設でもイスラエルからの攻撃があった。軍関係者による話として、複数のミサイルなどを迎撃したと伝えた。
イランは1日、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラ最高指導者のナスララ師らを殺害された報復としてイスラエルに弾道ミサイル約180発を発射した。一部は地上に落下した。
イスラエルのネタニヤフ首相は「イランは大きな間違いを犯した。代償を払うことになる」などと述べ、報復を宣言していた。
4月にはイスラエルによるとみられる在シリアのイラン公館への攻撃をきっかけに、両国による報復の応酬に発展した。この時はイランが事前に予告するなど両者とも攻撃は限定的で、大きな被害は出なかった。
イランとイスラエルの対立はイランが支援するイスラム組織ハマスによる2023年10月のイスラエル襲撃をきっかけに強まっている。
パレスチナ自治区ガザで始まった戦闘は、ヒズボラが拠点を置くレバノンなどに拡大している。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
①イスラエル、イランの攻撃の応酬は一段とエスカレートすることに。
気になるのは米大統領選直前のこのタイミング。バイデン政権のグリップが効いていないとの見方が強まれば、ハリス候補にさらなる逆風となっておかしくありません。
②日本は衆院選のさなかというのに、外交・安全保障はほとんど問題となっていません。
原油輸入の9割を中東に依存するというのに、エネルギー政策もほとんど素通り。
何か自己催眠にかかったような選挙戦です。
③今からでも各党の安全保障政策について比較検討の素材を、メディアは有権者に提供すべきでしょう。例えば集団的自衛権の行使に違憲論をとる政党はどこか、などは改めて確認したいところです。
イスラエル軍は2024年10月1日、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに対し、イスラエルと国境を接するレバノン南部で「限定的」な地上攻撃を始めたと発表しました。
その後、イスラエル軍は、イランがイスラエルに向けて同日にミサイルを発射したと発表しました。最新ニュースと解説記事をまとめました。
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日経記事2024.10.26より引用