トーマス・グラバー 第二章 グラバー長崎へ出立 尊王攘夷、倒幕に揺れる日本https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/dc6949dbc3fecf3297e91a03eae96acc
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朝廷に内緒で通商条約にサイン
しかし、ペリーは翌安政元年二月には戦艦を七隻に増やし、しかも江戸湾深くに侵入してきた。「もし開国を拒否するのなら、大砲を江戸城にぶち込むぞ」と言わんばかりの強硬な態度であった。
この脅しに幕府はたちまち屈し、朝廷や諸大名には内緒でこっそりと「日米和親条約」(通称、神奈川条約)を調印した。 だが、この契約は和親条約の名が示すように,米国船が日本へ入国した折、下田港において、薪、水、食糧、石炭などを提供することを約束した条約であり、貿易を認めた「通商条約」ではない。
幕府が米国、及びオランダ、ロシア、イギリス、フランスとの貿易を認めた条約は、これから四年後(安政五年)の六月に締結された「日米修好通商条約」をはじめとする、各国との条約(通称「安政五か国条約」)である。
この時の米国代表はペリーではなく、駐日初代総領事のハリス(彼もフリーメーソン)、日本側は下田奉行・井上清正止付・岩瀬忠震。 条約は一四ケ条と貿易章程七則からなり、翌安政六年七月から、神奈川、長崎、箱(函)館、新潟、兵庫の開港、江戸、大阪の開市の期日を定めた。 これにより、日本は従来の鎖国体制から大きく開国への第一歩を踏み出したのだ。
しかし、同条約は輸入関税率、領事裁判権、無条件の最恵国待遇など、日本にとって不平等条約を強いられており、後に明治政府は新たに「日米通商航海条約」を締結、少しは両国の不平等が改善された。
なお、当時の日本は諸外国との大きな条約を結ぶ時、天皇の代行者である幕府は、事前に天皇の許可を得ておかねばならない。 しかし、武力もなければ、金力もない朝廷を軽く見ていた幕府は、米国との調印を終えた後、事後承諾を得る形で老中・堀田正睦を上京させ、天皇の勅許をえようとした。
ところが極端なまでに外国人嫌いの孝明天皇は、この調印を知って激怒、堀田との面会さへ拒絶した(条約勅許問題)。 しかし、朝廷を軽く見ていた幕府では、条約を有効とした。
朝廷を軽視したこの幕府の行為を機に、待ってましたとばかりに、外様大名の雄藩、薩摩・長州が「尊王攘夷」「倒幕」の炎に火を転じたのである。
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この本には、歴史的に貴重な写真、図、文献なども数多く掲載されている秀逸な作品ですが、それらをPDF化して皆さんに紹介することもできますが、著者と発行所の『長崎文献社』に敬意を払って、全てを紹介するのは、控えたいと考えております。
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