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東欧で反ロシアデモ広がる 若者、政権の強権路線に反発

2025-01-27 14:34:21 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


24日、スロバキアの首都ブラチスラバでは数万人規模の反政権デモが発生した=ロイター

 

 

【ウィーン=田中孝幸】

東欧各地で親ロシア的な政権に対する抗議行動が広がっている。スロバキアでは首都ブラチスラバでは24日、フィツォ政権への親ロ政策に反対する大規模デモが発生した。

セルビアやジョージアでも反政権デモが長期化し、収束する兆しがみえない。ロシアにならって野党勢力を「外国のスパイの手先」とみなし、弾圧を強める政権側への若者の反発が噴き出している。

 

我々はロシアではなく、欧州だ」。24日、ブラチスラバ中心部では数万人規模の市民が集結し、親ロ路線を強めるフィツォ首相の退陣を要求した。

フィツォ氏は2024年12月に訪ロし、欧州連合(EU)加盟国首脳としてプーチン大統領との異例の会談に踏み切るなど、ロシア寄りの路線を鮮明にしていた。

 

これまでも反政権デモは起きていたが、参加者は1万人程度だった2週間前のデモと比べて倍以上に増加し、フィツォ氏が23年10月に政権に復帰して以来、最大規模となった。

地元メディアによると国内各地で同様のデモが起き、抗議行動への参加者は10万人を超えた。

 

今回のデモが拡大したのはフィツォ氏が23日、外国の「専門家集団」がスロバキアの野党と連携してクーデターを企てていると主張し、その「予防策」をとる方針を示したことがきっかけだった。

デモの抑圧を示唆したもので、親欧派の市民の危機感をかえって高めた。

 

野党勢力は「政権はEU離脱すら準備している」と非難する。一方、フィツォ氏は25日、国営メディアで野党の辞任要求を拒否し、国外追放する敵対勢力の人員のリストを作成していると明かした。

バルカン半島の地域大国セルビアでも24年11月、中国企業が改修した北部の主要都市のノビサドの駅の屋根の崩落で15人が死亡した事故を受け、ブチッチ政権の中ロとの関係強化に抗議するデモが長期化している。

 

完工して半年もたたず崩落を許したずさんな改修工事の背景に、権威主義国家とブチッチ政権の癒着があるとの批判は広がり続けている。

担当閣僚の捜査を巡っても不透明さが指摘され、24日のデモはブチッチ大統領が政権を握った14年以来、最大規模に膨れ上がった。

 

ブチッチ氏は24日、反政府デモによって国は「内外から攻撃されている」と主張。欧州などを念頭に、ウクライナに侵略するロシアと友好関係を保つ現政権の転覆を目指す勢力が学生らデモ隊を支援しているとの非難を繰り返した。

セルビアと同様、EUとロシアのはざまに位置するジョージアでも24年11月末に親ロのコバヒゼ政権がEU加盟に向けた交渉開始を28年末まで見送ると発表して以来、約2カ月にわたって抗議行動が続いている。25日も首都トビリシや各地でデモが発生した。

 

政権与党を事実上率いる最高実力者のイワニシビリ元首相は、かねて西側情報機関が同国への政治的介入を強めようとしていると非難。

12月にはバイデン前米政権によって制裁対象に指定された。デモへの強硬姿勢を続ける現政権はトランプ新政権による制裁解除を期待するが、まだ米政府の方針に変化はみられない。

 

 

デモの参加者の多くを占める10〜20代の若年層にもセルビアやスロバキアと同様、ロシアと同様の強権的な国になることへの危機感が強い。

デモに参加するトビリシの男子学生(21)は「ロシアのような汚職にまみれた国に住みたくない」と訴える。

 

ロシアが勢力拡張に向けて働きかけを強めてきたこれら3国の政権は、西側諸国を外敵と位置づけて国民に支持を訴える手法においていずれもプーチン政権と酷似する。

3国の政局の行方は、西側の民主主義諸国と中ロの権威主義陣営との攻防にも影響を及ぼす。

 

 
 
 
 
 
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日経記事2025.1.27より引用

 

 

 

 


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