記者会見した天地人の桜庭康人社長㊧(27日、東京都中央区)
人工衛星のデータ解析を手がけるスタートアップの天地人(東京・中央)は27日、地球の表面温度を観測する衛星を2027年までに打ち上げると発表した。
自社開発の衛星の打ち上げは初めてで、今後は複数の打ち上げを目指す。同社は水道管の漏水リスクを調べるサービスなどを提供しており、地表面温度の情報を充実させることで調査の精度を向上させる。
天地人が同日、都内で記者会見を開いた。桜庭康人社長は「28年には新規株式公開(IPO)を目指している」とも明らかにした。
同社は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星などから得た様々なデータを人工知能(AI)で解析する。
現在も道路や農地などの地表面温度を取得している。自社の衛星の活用で、地上の細かい様子をどのぐらいまで観測できるか示す「解像度」を向上させたり、観測の頻度を高めたりする。
水道管の漏水リスクを調べるサービスを活用した自治体の累計契約数は20を超える。道路の温度は、水道管を老朽化させるストレスがどの程度かかっているのかを分析するのに重要だ。
他にも、農地の温度を調べることで農作物の生育状態や病気のリスクも高精度に分析できる。
天地人は、内閣府主催の宇宙ビジネスアイデアコンテストをきっかけに、19年に設立された。JAXAの知的財産や知見を利用して事業を行う「JAXAベンチャー」として認定され、JAXAから出資も受けている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が手掛ける大型ロケット「H2A」や新型ロケット「H3」、イーロン・マスク氏が率いるスペースXなど、世界中で官民が宇宙開発競争を繰り広げています。ロケット開発や実験、衛星など最新ニュースをまとめました。
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日経記事202.1.27より引用