米西部ワシントン州シアトル郊外のボーイング工場で生産される小型機「737MAX」
=ロイター
【ヒューストン=花房良祐】
航空機大手の米ボーイングが28日公表した2024年12月期通期の最終損益は118億2900万ドル(約1兆8000億円)の赤字となった。
最終赤字は6年連続。大型ストライキで航空機の出荷が大幅に減少したことが響いた。
最終赤字額は過去2番目に大きかった。過去最大の赤字を記録したのは20年12月期で、小型機「737MAX」の墜落事故・運航停止に絡む費用を計上したほか、新型コロナウイルス禍が直撃した。
24年12月期の売上高は23年12月期比14%減の665億1700万ドルだった。24年の納入機数が前の年比3割減の348機だったことが響いた。
ライバルの欧州エアバスの半分以下にとどまった。労使交渉がこじれて24年9月から西部ワシントン州の主力工場などがストに突入、約2カ月にわたり生産がほぼ停止したことが影響した。
24年1月にはアラスカ航空が運航する737MAXで、飛行中に非常口を覆うパネルが吹き飛ぶ事故が発生。工場でパネルを胴体に固定するのを忘れたためで、ずさんな品質管理があらわになった。
市場予想によると、25年は7年ぶりの黒字に転換する見通しだが、工場の品質管理の改善がどこまで進むかが焦点だ。増資を実施し、24年12月末時点の手元資金(現金と短期債の合計)は263億ドルと3カ月前から2.5倍になった。
米航空機大手ボーイングが苦境に陥っています。品質問題と労働組合のストライキで小型・大型機の生産ができず、2024年7〜9月期決算は巨額の最終赤字を計上しました。最新ニュースと解説記事をまとめました。