【NQNニューヨーク=横内理恵】
16日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反発し、前日比1円70銭円高・ドル安の1ドル=147円55〜65銭で取引を終えた。
週末を前にした持ち高調整で円は上昇した。同日発表の米住宅指標の下振れが円買いの手がかりとなった面もあった。
円は前日に149円40銭と約2週間ぶりの円安・ドル高水準を付け、前週初の5日に付けた141円台から大きく下落した。
15日発表の7月の米小売売上高が市場予想を上回り、米景気懸念や米連邦準備理事会(FRB)が9月に0.5%の利下げをするとの見方が後退した。ただ、短期間に大きく水準を切り下げたため、週末を控えて持ち高を中立に戻すための円買い・ドル売りがみられた。
同日発表の7月の米住宅着工件数が前月比6.8%減の123万8000戸(年率換算)と2020年5月以来の低水準となり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(134万戸)を下回った。
先行指標の住宅着工許可件数も市場予想に届かなかった。ハリケーンの影響があったとされるが、高金利が米景気の重荷となっているとの見方も意識された。米長期金利は一時前日比0.05%低い(債券価格は高い)3.86%を付けた。
円は伸び悩む場面もあった。米ミシガン大学が発表した8月の米消費者態度指数(速報値)が67.8とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(66.6)以上に上昇した。発表後に米長期金利が水準を切り上げ、円の重荷となった。
円の高値は147円58銭、安値は148円26銭だった。
円は対ユーロで5営業日ぶりに反発し、前日比1円10銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=162円75〜85銭で取引を終えた。
円は対ユーロで前日に約2週間ぶりの安値を付けており、円の対ドル相場と同様に持ち高調整の買いが入った。
ユーロは対ドルで反発し、前日比0.0060ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1025〜35ドルで取引を終えた。
米住宅指標などを受けて、幅広い通貨に対してドルが売られた。米株式相場が続伸したことも、リスク選好時に買われやすいユーロの上昇につながった。
ユーロの高値は1.1030ドル、安値は1.0983ドルだった。