風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

宮城の里と会津の旅 3-2 (last)

2018-09-20 | 東北
その1からの続きです。

● 塔のへつり

お城を離れ、またもや昨日のように人里離れた山の方へと分け入っていきました。
次の目的地は、塔のへつり。
前々から気になっていた場所です。
だって「へつり」ですよ。へつりって、なんなんでしょう?
塔のなんなのか、さっぱりわからず、あやしさは募るばかりです。

かなり寂しい山の中に入ってきました。
車を降りて川沿いへ向かうと、下へと続く階段があります。
どうやら「へつり」は、水際まで下がっていったところにあるようです。



てくてく下っていくと、視界が開け、目の前に不思議な形をした渓谷が広がりました。
お~、ダイナミック!



緑に覆われてうっそうとしており、全貌がよくわからないながらも、ちらちら見える岩肌の形が独特です。



● 渓谷の吊り橋

階段を降り切ったところに、吊り橋がありました。
通る人も、あまりいません。
ワーイ。吊り橋好きの私は小躍りします。



橋の真ん中から見渡した光景。
どこを見ても、自然に囲まれています。



渡り終えて、反対側から眺める橋。
静けさがいいです。ちなみにここは歩くとグラグラ揺れます。



渡った先には、枠だけ残った線路のようなものがありました。
ナニコレ~? 華奢すぎて、見るからに危険度高しです。



● 安全柵はなし

橋の向こう側は、何も手が入っていないようなごつごつした岩肌。
自然をそのまま生かした道には、柵などついていません。
岸壁にくっつくようにして、かなり水際ギリギリを歩いていきます。
酔っぱらって千鳥足の人は、簡単に足を踏み外してしまいそう。



でも、目の前にはそんな危なっかしい足元などまるで気にならないほど美しい渓谷美が広がっているので、あまり緊張感はありません。
なんとも非現実的で、ポーッとしてしまいます。(危険!)



● 岩の洞窟とお堂

一人分の幅しかない石造りの急階段があり、上る人と降りる人とで譲り合いながら通ります。
上り終えた先には岩の洞窟があり、その奥に虚空蔵菩薩を祀るお堂がありました。



由来によると、大同2年(807)に坂上田村麻呂が創建したのだそう。
京都の清水寺を建立した田村麻呂は、こーんな山の中にもお堂を立てていたんですか!
うやうやしくお参りします。
洞窟の前には、ご神木のような巨木がそびえ立っていました。



● 海、ロングアゴー

再び吊り橋を渡って戻ると、へつりの意味が書いてありました。
手作り感たっぷり。観光客に質問されまくる辺りのお土産屋さんが貼ったんじゃないでしょうか。

昔、ここは海だったんですって。
ちょっと待って、ここは海から150キロくらい離れた内地の山の中。
昔って、いつのことー?
海だったのは、ジュラ紀や白亜紀辺りの大昔のことじゃないかと思います。



● 隆起と侵食による絶景

へつりとは、川に迫った断崖や急斜面を意味する会津の方言。
塔の形をした川岸の急崖が並ぶため、ここは塔のへつりと名付けられています。

パンフレットのイラスト。木々がないと、こんな形の奇岩が並んでいるんですね。
これらは新第三紀層(2800万年~100万年前)の凝灰岩。
地盤の隆起と岩の侵食を重ねて、何層にもなる塔状の形になったとのことです。
特異な河食地形として、国の天然記念物に指定されています。



小高い場所にある展望台に上って、峡谷を見下ろしました。
絶景かな。
紅葉の季節には、また美しい光景が見られるのでしょう。



● 野口英世ワンカップ

そばに観音様の祠がありました。
足元にお供えされたお神酒に目が留まります。



ワンカップ大関・野口英世バージョンなんてあるんですね。
そういえば彼は、猪苗代の出身でした。



● 会津鉄道の駅

何軒ものお店が、地元の桃を売っています。
ルビーは桃をひと箱、私は野菜を買って、車に乗り込み、出発しました。



そばに小さな駅がありました。その名も「塔のへつり」駅。
でも、電車が頻繁に来る気配は全くありません。一日に何本来るのかしら…?
(調べてみました。1時間に1、2本運行の会津鉄道だそうです。そこそこ来ますね!)



● 山中の温泉処

この辺りには、温泉がポコポコあります。
先ほど芦の牧温泉を通ってきたし、塔のへつり駅の隣の弥五島駅には弥五島温泉があります。
そしてまたもや自然の中に入っていきました。また山越えになるのかな。

一人の自転車ライダーを追い越しました。
「昨日、五色沼に行く途中で見かけた人だね」
悪天候の中、黙々とロードバイクをこぐ、少し年配の男性を見て、2人とも気になっていたのです。

彼もきっと、前日は会津に宿を取ったのでしょう。
「どこまで行くんだろうね?」
「ここから先は山しかないのに、大丈夫かな?」
巡り合わせを大切にするルビーは「次にまた見かけたら、今度は声をかけるわ」と言いましたが、じきに東北自動車道に乗ったため、その人とはそれきりでした。
まあまた、どこかで見かけるかもしれません。

● 那須高原ヨーグルト



那須高原SAで休憩します。ウッドデッキのトロリーバスはカフェになっていて、オシャレな感じ。
牧場ソフトクリームが売られていましたが、夕べ宿でたっぷり食べたので、ヨーグルトにしました。
千本松牧場。一本松や三本松くらいならよく聞きますが、千本となると、群を抜く多さです!



とてもいい天気なのに、ルビーは「もうすぐ土砂降りの雨がやってくるから、早く出よう」と言います。
えっ、空は快晴なのに。
どうしてわかるの? インディアンなの?

急いで出発すると、ルビーが言った通り、あっという間にゲリラ豪雨になりました。
大雨で一気に視界が悪くなり、雷がゴロゴロ聞こえる中を、車はひた走ります。

● 三芳スマートIC

しばらくすると、雨雲の下から抜け出せたのか、雨の勢いは収まり、じきに再び青空が見えてきました。
その間にいつしか埼玉に入っており、三芳スマートICから普通道に出ようとします。



すると、出口にトラックが止まって、立ち往生していました。
どうやらバーが上がらず、外に出られないようです。
ここのスマートICは、バイクと普通車と軽自動車専用だそう。
係員の誘導でトラックがバックして退くまでの間、ほかの車は列を作って待っていました。

● ふじみ野市と富士見市

埼玉に戻ってきました。
先ほどのゲリラ豪雨が嘘のように晴れ上がり、蒸し暑くなっています。
東北から関東に戻ってきたからかもしれません。



カラーのマンホールを見つけたので、車の中からパシャリ。
楕円形になってしまいましたが、桔梗の絵が描かれています。
「ふじみ野市のだね~」とルビー。

ただ、ふじみ野駅の前には、別のデザインのカラーのマンホールがありました。
ふじみ野だけに、藤の花です。



あれ、でも、なんか変。
「ふじみ野市って、マンホールの柄がいくつもあるの?」
混乱していると、ルビーが説明してくれました。
「桔梗のマンホールがあったのはふじみ野市で、ふじみ野駅があるのは富士見市なんだ」

え?
ふじみ野市と富士見市があるの?
そして二つの市は、並んでいるの?
さらにふじみ野駅はふじみ野市ではなく、富士見市にあるの?
うーん、ややこしやー!



その富士見市にあるふじみ野駅(ハァ複雑)の前で、3日間一緒だったルビーとお別れ。
ひしっとハグをして、バイバイしました。
3日間、どうもありがとう。すごくいい時間でした。また会おうね!

ふじみ野から電車に乗り、ドンドコ揺られて横浜へと帰りました。

● epilogue

懐かしい仲良しとの再会は、とても嬉しいこと。
それに加えて今回は、同じ時に転校してきた仲間と再会し、一緒に母校を訪ねられたことがハッピー。
ほとんど初対面だったのに波長が合い、旅の間中ほぼ一緒でした。

ほかにも当時知らなかった同期の子と新たに知り合えたし、今も広がる母校の交友ってあるんですね。
素敵なめぐり逢いがあった、充実した3日間でした。
来年、同窓会が開催されることになったら、また多賀城の友たちに会いに行きたいと思います。




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4 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2018-10-01 15:41:03
手すりのない橋、ここは日本ですか?
まるで中国みたいですね。
こんな恐ろしいところがあるんですね。

「へつり」解説のおかげで理解できました(笑)

絶景はと浸食は切り離せない関係ですね。

追伸: ポーランド紀行楽しみにしています。
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アネッティさんへ (リカ)
2018-10-01 15:55:58
自然にできた奇岩はダイナミックですね。
生きている地球に住んでいるんだなと実感します。
「へつり」、私もようやく納得しました!

小さな駅はありましたが、こういうところはやっぱり車で行くのが便利ですね~。

追伸: ありがとうございます。まだポーランドの夢にひたっています~。
スープがおいしい国でした💛
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Unknown (アネッティワールド)
2018-10-03 17:37:49
リカさんのブログを参考にして
「海ほたる」は決定しました。

スープが美味しいポーランド。
興味あります。
元気なら来年はドイツです。
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アネッティさんへ (リカ)
2018-10-04 19:49:35
わー、そうですか☺
アクアラインドライブ、気持ちがいいですよ。天気がいい日だったらぜひ~!

海の中の海ほたるで途中休憩するのは、とっても気持ちがいいものです♪

そしてドイツ旅行が待っているんですか!!とっても楽しみ!オクトーバーフェストも始まりましたね~☆
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