風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

初夏の瀬戸内・岡高エリア 2-2(さぬき、高松)

2019-08-23 | 四国

その1からの続きです。


● こんぴらさんのマンホール

こんぴらさんへの参道で見た琴平町のマンホール。
桜に囲まれて、石段参道を上る駕籠の人がデザインされています。
ただ、実際に見た駕籠の担ぎ屋さんは、かなり年配の方たちでした。
古都観光地にいる人力車の力夫は、青年が多いんですが。
こうした光景は、後継者問題でいつか見なくなる時がくるのかなあと、少し寂しく思ったりします。



● 道の駅・源平の里むれ

乘ったことでんは琴平線の高松築港駅行き。河原町駅で志度線に乗り換え、房前駅で下りました。
海沿いの小さな無人駅で、下りたのは私一人。

ホームには雑草が生い茂り、地図も何もありません。
道の駅が近くにあるはずですが、どこにあるのか全く分かりません。
車掌さんに切符を見せながら「道の駅はどこですか?」と聞いて、行き方を教えてもらいました。


道の駅



道の駅・源平の里むれ。「むれ」というのは、この辺りが牟礼町だから。
「源平の里」というのは、屋島合戦の古戦場に近い場所だから。
歴史のロマンをかき立てる名前です。


● ハマチのづけ丼

そこのお昼だけ開く海鮮食堂じゃこやで、ハマチのづけ丼を食べました。
うーん、おいし~い!!
間違いなく、私がこれまで食べたハマチのづけ丼のうちで最高の味わいです。


ハマチそのものがおいしいし、新鮮で脂がのってプリプリしています。
一切れ一切れが分厚くて贅沢な大きさです。
今まで食べたハマチのづけって、こんなに気持ちを揺り動かす味だったっけ?
お店の人の「ありがとうございます」という声が聞こえるたびに「私の方こそありがとうございます~!」と大声で叫びたくなりました。


香川は養殖はまちを最初に行ったところで、県の魚にもなっているのだとか。
ハマチの餌にオリーブの葉を加えたブランド魚「オリーブハマチもいるそうです。
香川といったらうどんしか出てきませんでしたが、これからはハマチも思い出すことにします。
本当においしかったなあ。ああ、すてきな出逢い。

● ヤシマ

隣接する高松市立公園から、瀬戸内海を見下ろします。
道の駅はけっこう賑わっていましたが、皆さん車で来ている人ばかりで、駅に戻るとまた一人ぼっちになりました。
目の前には、瀬戸内海が広がっています。
波の音だけが聞こえる、静かな時間です。



晴れていたら、古戦場の屋島にも行ってみたかったのですが。
屋島って、島だとばかり思っていましたが、山(丘?)なんですね。意外。
エヴァのヤシマ作戦を思い出しましたが、あれは日本の古称の「八州(ヤシマ)」が由来で、屋島のことではありませんでした。


房前駅


この辺りは、ことでんとJRが並走しています。
通常は、地方のローカル線よりもJRの方が乗客が多く、車両も多いイメージですが、通り去っていくJRは一両きりでした。
ことでんは2、3両あるのに。スタコラサッサと走っていきました。

● 琴電志度駅

2時55分のことでんに乗って、志度線終点の琴電志度駅へ。
ここにある志度寺をめざします。
平賀現内の故郷はここなんだそう。江戸っ子じゃなかったんですね。
彼の生家や記念館もありました。


平賀現内記念館


その向かい側にあるお屋敷も、古めかしくてすてきでした。


志度寺は四国八十八カ所の一つ。さすがは巡礼地、立派で堂々とした誇り高き古刹でした。



山門には、大きなわらじが奉納されています。
もはや、カヌーサイズですね。


山門からのぞく境内。まっすぐ道が続き、先は見えません。


大師堂を参拝。お大師様の絵が掲げられていました。


塔頭のお寺には、平賀現内のお墓がありました。
日本橋のウォーターフロントを散策した時に「エレキテル発祥の地」の碑を見たことがあります。
発明家の彼ですが、江戸に来てからあまりふるわない不遇の時もあったと聞いています。
なきがらは故郷に戻ったんでしょうか。


日本のダ・ヴィンチ、ここに眠る


志度線は海岸のそばを走っているため、参拝後は海際を散策しながら、お寺から駅まで戻りました。



マンホールの柄が変わります。
「しど」と書かれているので、かつて志度町だったころのものでしょう。
今では合併して、さぬき市になっています。


デザインは、志度町にある多和神社の秋大祭の太鼓台を描いたものです。

● さぬき弁

15:40発の電車に乗ります。始発駅からの乗客は私を含めてたった3人でしたが、駅にとまるたびに少しずつ増えてきました。
志度駅のホームには、讃岐弁が貼ってありました。
う~ん、わからない!
「おわえあいはいくもんな!」と言われても、「???」です。

詳細はこちらへ→「さぬき弁のマナー講座」(ことでん)

● 栗林公園駅

電車の中で(次はどこに行こうかな)と地図を見て(そうそう、栗林公園だった)と思い出します。
「くりばやし」ではありません。「りつりん」です。
ここには早朝にこようと思っていましたが、朝食前はことでんが動いていなかったので行けず、朝の涼しいうちに金比羅参りをすることにして、お昼しか営業していないお店でランチをすませるなど、ほかの用件を優先していたら、ずいぶん後回しになってしまいました。

駅に降り立った頃には、足もかなりくたびれていましたが、公園前に向かいます。
入り口からしてとても立派ですが、雨が降っているので、池の水鏡は見られなさそう。
時間はちょうど4時半を過ぎたところで、池に浮かべた船に乗り込むイベントが終わってしまいました。
そんなわけで、中にはいるのはやめにします。
ここは、私の祖父が好きな場所だったと聞いているので、天気のいい最高の日に改めて訪れたいものです。

 


● 紫雲山ハイキングコース

栗林公園の後ろにそびえるのは、紫雲山。
ハイキングコースがあると聞いたので、見晴らしがよさそうだと登ってみることにしました。
ただ、これが予想外に本格的な登山になりました。


中に入ると、かなり鬱蒼としていて暗く、コースルートを教えてくれる地図もありません。
時折、標識がある程度です。
熊が出そうな雰囲気。

 

● あぶないソロ登山

大丈夫かなと思いながらも、そのうち明るい見晴らし台に出るだろうと思い、うんうん言いながら登っていきます。
かなり勾配がきつく、こんぴらさんを参拝した後で登るんじゃなかったと後悔。


山に入ってから、誰にも会わないので、心細くなってきていたところ、ようやく犬をつれた一人の男性とすれ違いました。
挨拶をかわして、見晴らしのいい場所を聞いてみたら、もうすぐそごにあるとのこと。
ただ、最近は山中で変な輩を見かけるようになり、日中でも女性一人で歩くのは物騒になっているのだそう。
「くれぐれも気をつけて」と通りすがりの人に親切にも心配してもらったので、見晴らし場まで急いで行って、サクッとのぞき、急いで下山体制に入りました。
ちなみに山から栗林公園を見ることはできませんでした。以前よりも山の木々が延びたのでしょう。

危険な状態になった場合、普通だったら振り切って逃げられるところでも、こんぴら山を登ったあとなので、かなり体力を消耗しています。
旅の最中は、安全が大前提。特に一人旅の時には、気をつけなくてはいけません。
今回は、その判断がちょっと甘かったと反省しながら、ころがり降りるように大急ぎで山から出ました。
帰り道ではもう、先ほどの男性と犬の姿は見えなくなり、いい人にも悪い人にも会わずじまいでした。
さっきの男性は、山の神様で、注意をしに降りてきてくれたのかもしれませんね?
でも、紫雲山を登ったというのも観光っぽくなくていいかも。


公園に面した邸宅の屋根には、なぜかハトがたくさんおり、鳥の目でいっせいに見下ろされました。
数羽なら気にしませんが、ここまで多いと、いくら鳥でも多勢に無勢。
何が起きるかとドキドキしました。まさに二十四の瞳!?

● ベンチに座布団

ようやく再び琴電の栗林公園に戻ってきました。
ちょうどやって来た電車に飛び乗ったら、逆方向だったため、太田駅で降りて乗り換えます。
待っている間に周りを散策しましたが、特にこれといったものはない、普通の小さな駅でした。
この駅に限らず、ことでんの駅のベンチには、必ず座布団が置いてあります。



今度は「瓦町駅」で下りました。
どうも聞いたことがあると思ったら、京都の「河原町駅」と字だけ違うんですね。
ところで「香川」と「神奈川」は一字しか違わないのに、誰も指摘しませんね。

● くるりの琴電ソング

去年の3月から、瓦町駅の発車ベルにくるり作曲の『コトコト琴電』が使われているそうです。
くるりは『赤い電車』という京急ソングも歌っています。
赤い電車から黄色い電車に、心変わりしたのかしら?(がーん)


確か、鉄道好きのメンバーがいるんですよね。

● 日本最長アーケード

日本一長いアーケードだという高松中央商店街の場所を聞いて、行ってみます。
総延長2.7kmあるのだそう。

瓦町駅からすぐアーケードに入れますが、それは支線の常磐町商店街で、本線は少し行ったところから。
隣の片原町まで続いているそうですが、今日はもう脚がガクガクいいはじめているので、歩くのを止めておきました。


ところで「日本一長いアーケード」で検索すると、いろいろな場所が出てきます。
高松のばあいは「総延長」が日本一ですが、途切れていない場合や、連続的に連なったところだと、別の場所になるのだそう。
「長崎の三ヶ町・四ヶ町商店街、武蔵小山商店街パルム、天神橋筋商店街など、続々ヒットします。
いったいどこになるのー?

● 那須与一マンホール

高松のマンホールは、那須与一。
屋島の戦いの時に、平家が立てた扇の的に向けて弓を構えるカッコイイシーンです。
駅前の数カ所に、カラー版がありました。
よいっつぁん、好きなので嬉しいわ~。



● 片原町と瓦町

ところで、片原町(かたはらまち)と瓦町(かわらまち)って、響きが似てると思いませんか?
なのに、隣駅同士なんですよ。
寝ぼけていたら、聞き間違えて電車を降りてしまいそう。
よく聞き間違いをする私なので、不安でなりません。

ことでんは、いろいろなラッピングがされており、次にやってきた電車は、こんぴらさんバージョンでした。
しあわせさん、こんぴらさん。御利益ありそう。



金毘羅宮のマークは、正確には「金」を丸がこみした字じゃないんですよね。
上から「人」「長」「平」を組み合わせた造語で、「人が長く平和であるように」という願いが込められているのだそうです。


● 展望台からの夜景

陽が落ちた後に、高松築港に戻りました。
これでこの日のことでんの旅はおしまい。
港沿いのシンボルタワーに向かいます。
展望台に登って海を眺めようと思いましたが、行き方がわからず、人が周りにいないために聞くこともできません。
しばしうろうろしたあと、ようやくスタッフの人を見つけて教えてもらいました。
町の方はキラキラしていますが、海はもう真っ黒。
やはり、見慣れた横浜港とは様子が違います。


駅前のおみやげやさんに寄ってから、8時過ぎにホテルへ戻りました。
昨日は海で、今日は山。
天気はいまいちでしたが、涼しい中、こんぴらさん参拝に挑戦し、奥社までたどり着けたので、オールオッケーです。


3日目に続きます。



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