NHK連続テレビ小説『おむすび』の、朝からギャルになるとかどうとか、高校生の恋愛を見せられるとか、いったい何を見せられているんだろうという、あまりにどうでもいい展開に、日に日に落胆していたところに、素晴らしいドラマを発見。
同じNHKのドラマで、22時台に放送されるドラマ10の最新作『宙わたる教室』がいい。
大学の助教授をやめ、東新宿高校定時制に新しく赴任してきたという、ちょっと変わった理科教師の藤竹(窪田正孝)が、家庭内の事情や障がいを抱えた生徒たちとふれあい、科学部を立ち上げて学会発表を目指すというストーリー。
伊与原 新の同名小説が原作で、作者が学生時代に教授から聞いたある実話が元になっているとのこと。それは、
大阪府立の定時制高校の科学部の生徒たちが発表した「重力可変装置で火星表層の水の流れを解析」という研究が、「日本地球惑星科学連合大会・高校生の部」で優勝し、その手作りの滑車による「微小重力発生装置」が東京大学の教授の目に留まり、なんと「はやぶさ2」の基礎実験に活用されたという実話。
今現在第6話まで放送されてるんだけど、いろんな事情を抱えながらも学びたいという一心で学校へやってくる生徒たちの自身との葛藤と、その学びたいという意欲をくみ上げ優しく見守る藤竹先生との信頼関係が、とにかく素敵でたまらなく胸を打つ。
人生において学ぶということの尊さ、同じ目標を目指して一緒に歩いてくれる同志との出会いがもたらす勇気。
第3話で、火星探査車オポチュニティがNASAが想定した約3ヶ月という活動限界をはるかに超えて、15年間稼働していたといい、そのオポチュニティが後ろを振り返って火星の地表に出来たわだちが遠くまで写っているという写真をみて、心が傷ついて学校の屋上にある決意でいた女生徒に、藤竹が語りかけるシーンがある。
”「火星の荒野にたったひとりぼっち、オポチュニティのわだちを孤独の象徴と捕らえる人もいるかも知れない、でも僕には少しでも前に進もうと懸命に生きたあかしに思えるんですよ」”
振り返ってネガティブになるんじゃなく、それでも今ここまで来たという自分の努力を自分で認めてあげて、さらに前に踏み出そう、なんて応援メッセージを感じる。
このドラマを観ていると、そんな前向きになれる素晴らしい言葉がちりばめられていて、心が軽くなり新たに踏み出そうとする勇気と情熱を与えてくれる。
全10話なので、あと4話も残っててほんとに楽しみなドラマ(^^)
「トクサツガガガ」とか「正直不動産」とか、夜10時とか11時頃にあるNHKのドラマって、たま~にいいのやるんだよねえ(^^)
さらにNHKは、来週の月曜からあの「カムカムエヴリバディ」の再放送が始まる。
ますます『おむすび』に辛く当たってしまうかも(^^;)
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