さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

さっちゃんは僕に対する感情がころころと移り変わります

2020-02-23 23:40:01 | 気分や思い
今晩のこと、夕食もほぼ食べ終わったころ、さっちゃんがツッと立ち上がり、玄関への戸を開け出て行きました。
何の用もなくて同様の行動をとることも多いさっちゃんですから、僕はしばらく静観しています。
でも、すぐにはダイニングに戻って来ないので、僕も玄関の方へ行ってみることにしました。
さっちゃんは暗い中、立っているだけなんですが、何かを探している感じがします。
探すものと言えばトイレの場所しかありませんから、僕は灯りを点けて、さっちゃんに便器を見せてあげます。

さっちゃんはトイレに入りましたが、何やら手持ち無沙汰。
次に何をしたらいいのか分からなくなってるみたいです。
「ズボンを脱ぎな」と、ズボンにちょっと手をかけて教えてあげました。
さっちゃん、すぐには理解できません。
そればかりか、ズボンのまま便座に座ろうとします。
僕は慌てて座るのを押しとどめ、ズボンを足元まで下ろしてあげました。

さっちゃん、またしてもズボン下のままで便座に座ろうとします。
僕は再びさっちゃんが座るのを押しとどめ、「これも脱がなきゃ」とズボン下に手をかけて言いました。
すると、さっちゃんは急に怒りだし「あんたなんかあっち行け!」と僕に言います。
僕はこの場を離れるわけにもいきませんから、ズボン下を脱がしてあげます。
またすぐ座ろうとしますから、パンツも急いで脱がしてあげました。
その間じゅう、さっちゃんは僕に何やら文句を言い続けていました。

おしっこが出たので、トレぺで拭いてあげ、パンツ、ズボン下、ズボンを上げるのも手伝ってあげます。
その間、さっちゃんはやっぱり文句を言い続けています。
手洗いを見届けると、僕はそこの牛乳パック椅子に座り込んでしまいました。
さっちゃんの僕への悪態をじっと聞き流し続けてやるべきことをやりましたから、その場でしばらく心を落ち着かせたかったんです。
でも、さっちゃんはそんな僕の気持ちにはお構いなしで「そんなところで何してるの」と動くよう促します。
さっちゃんの言葉の雰囲気は普通に戻っていましたから、僕はさっちゃんに従いましたけどね。

その後、残りの夕食を食べている際に、またブツブツと文句を言ってましたね。
でも、きちんと薬を飲んでくれ、その後歯磨きにも協力してくれました。
続いて寝巻きに着替えましたが、その時にさっちゃんがこんなことを言いました。
「あなたがいて良かった」
口調も僕の心にグッと来るような潤いのある感じなんです。
さっちゃんは時たまこの言葉を僕に言ってくれます。
この言葉で、ここまで文句を言われ続けて無味乾燥でザラザラした僕の心が、一遍に豊潤でなめらかな心へと変わる気がします。

さっちゃんを寝かせつけましたが、いつものように何度も何度も繰り返し起きて出てくるので、30分ほど添い寝しました。
さっちゃんがぐっすり寝ているのを確認し、僕は布団から出て、明日のハイキングの準備をしました。
コメント
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