さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

F沢さんと半年ぶりに日和田での岩トレをしました

2022-04-03 22:32:14 | 僕の自由時間
以下、一ヶ月前の3月10日(木)の報告です。

F沢さんとの平日の岩トレはこれまでずっと「僕の自由時間」カテゴリーで載せて来ました。
さっちゃんのデイサービスの日に岩トレをし始めたのが、この岩トレの由来だからです。
さっちゃんが災害医療センターに入院している今は毎日が自由時間のようなものです。
ただその自由は、無為であり、隔離されたような寂しい自由です。
このブログのカテゴリーを何にしようかなどと考えながら、いろんなことを思ってしまいました。

さっちゃんが大変な状況にある時、僕を励ますかのように若い山の友人S﨑くんからは6年ぶり
F沢さんからは半年ぶりに立て続けに連絡が入り、山へ(岩トレですが)一緒に行くこととなりました。
僕を励ますためにこのタイミングで神様が手配してくださったようにも思えて仕方ありません。
山の友とは本当に有り難いものです。
S﨑くんとは電話でも長く話し、僕の心も明るく軽くなりました。
F沢さんとも日和田で一緒に岩トレをして、彼女の元気さに励まされました。

では、3月10日(木)の報告をしましょう。
F沢さんは子供にも拡大しつつあるコロナ禍の影響で、木曜日はほぼ完全休日のようです。
朝は8時半に迎えに来てくれて、岩場にはいちばん最後までトレーニングしていました。
僕とF沢さんの実力差はこの半年間でさらに広がっていますから、僕は最初から確保役に徹するつもりでした。

で、彼女が最初にトップロープを張ったルートは女岩西面左ルート5.10bです。
このルートは真ん中から上はかなりの前傾壁です。
ホールドはそこそこあって、腕力と持久力があれば登れないことはありません。
でも、力任せの登り方ではリードは無理です。
良いバランスで登らないと、リードは出来ません。


▲10:22。F沢さんの登る姿を最初に見て、僕は感心しました。以前とは登り方が格段に違って進歩していました。一手一手、一足一足がとても丁寧で、体全体のバランスも保持しながら、ゆっくりと登って行っているのです。だからと言って、決して登攀スピードが遅いわけではありません。


▲10:28。自分がどのように手や足を動かして登るのかを、下に立っている時にイメージしています。所謂オブザベーションですね。

そんな登攀姿勢は最後まで貫かれていました。
と言うのも、トップロープとはいえ、ただ登れればいいとは考えず、リードすることも考えて、余裕あるバランスで登ることを優先しているのです。
どのホールドやスタンスを使うか、体をどのように動かしてバランスを取るか、常に考えながら登っているのです。
以前よりも格段に頭を使いながら登っていますね。

この左ルートですが、午前中には突破できるヒントは掴めたようです。
2時くらいから再チャレンジし、トップロープでは完登し、次回にはリード出来る感触を掴んだようですね。
僕も2度ほどトライしましたが、前傾具合が強くなる直前でギブアップでした。
僕も30代の頃、トップロープでノーテンで登れてはいましたよ。
ただし、力任せな登り方だったと思います。

お昼ご飯を食べてから、深沢さんは僕に登らせてくれました。
男岩南面中央の最上部が少しだけハングしていてそこだけが5級-のルート、
そして、男岩西面クラックルート4級+を僕にリードさせてくれました。
僕としても、久し振りのリードトレーニングになりました。
まだスムーズにリード出来たので、我ながらホッとしています。


▲14:03。その後、再度左ルート5.10bを登りました写真はその取り付きです。左の袋とザイルは単独で登ってる人のもの。岩場の最上部から鉛直に下りているザイルですから、岩場がどれほど前傾しているか分かると思います。


▲14:05。左ルートの登り始め。


▲14:07。左ルートの核心部、かなりの前傾壁を登って行きます。午前中にムーブはほぼ完成させていましたから、ここまでスピーディーに登りました。


▲14:08。越えて行きました。

3時ころからはさらに難しいルートにトップロープをかけます。
女岩西面中央ルート5.10dです。


▲15:05。中央ルートの核心部が始まる直前です。核心部手前は簡単に越えて行きました。最上部の一番の核心部で苦労します。

5.10a~bと5.10c~dとの間には格段の難しさのがあります。
僕も若いころ、そう感じていました。
F沢さんも同じように感じているそうです。
今の僕に30代の時と同じくらいの能力があれば、今のF沢さんとも同レベルで刺激し合えると思いましたね。
ですから、このルートはF沢さんにも容易には攻略できません。
最上部の核心部で何度も弾き返されます。
この日は駄目でしたけれど、近いうちに必ず登れるようになると思います。

F沢さんは僕に「YYDの皆さんには今の私のことは詳しく報告しないでくださいね」と言います。
何故なら、「もうこんなに経ったのに、まだこんなに下手なんだと思われるのが恥ずかしい」と言うんです。
F沢さんには申し訳ありませんが、僕は正直に報告しましたよ。
順調で速くて素晴らしい成長ぶりです。

この冬はアイスクライミングや赤岳西壁等も登攀したようです。
夏には北鎌尾根やら大同心、小同心なども考えているようです。
ジムを通して、アルパインクライマーの山仲間も多く出来たようですね。

そして、クライミングに関しても、F沢さんとの師弟関係は完全に逆転しました。
今は僕が彼女に教わる立場です。
昔、若い山仲間(Y根君やS﨑君やH原君)と岩トレに行っていたころ、新しいクライミング技術を教えてもらいました。
「〇〇さん(僕のこと)、それじゃあ駄目ですよ!」と、よく叱られたものです。
そんなことが今再び起きようとしています。
クライミングの新しい道具の技術を僕も学ばなければならないと痛感し始めました。
Y山さんには前から指摘されていたのですが、今回F沢さんにも言われて心に響きました。
クライミングの安全認識が深まって来ているのですね。
F沢さんから「そんなやり方の確保をしている人とは一緒に登りませんよ」と言われてしまいました。
でも、この日は一緒に登ってくれましたけれどね。
クライミングに際して、どのレベルでの安全を確保するべきなのか、そのレベルが上がって来ているのだと知りました。
肩絡みや腰絡みといったボディビレイの時代(僕のずっと前の時代ですが)から8環による支点ビレイに変わりました。
支点ビレイから豚っ鼻やATCによるボディビレイに移って来ました。
現代はルベルソやATCガイドでの確保が主流になっているようです。
道具の進歩はクライミングの安全度の向上と直結しています。
僕がクライミングを始めたころに、リードする僕を腰絡みで確保しようとしたら、それは僕だって嫌なはずです。

こんな感じでこの日の岩トレは終了しました。
F沢さんからもYYDの皆さんによろしくとの伝言がありました。
YYDは退会していても、山仲間であることには変わりがありませんから、時々は一緒に山へ行く関係を持ち続けたいと思います。
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