さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

岩トレに出かけたんですが、4時間経過して結局電車にも乗れませんでした

2020-01-25 14:58:57 | クライミング
今日の土曜日、K野さんが先々週に続いて日和田での岩トレを計画してくれました。
もちろんさっちゃんと僕も参加することにしました。
昨日からさっちゃんには「明日は日和田へ行こうね。山を歩いて、岩も登るからね」と言っておきます。
さっちゃんは「私も行く」と言って、その気になってくれていました。
日和田がどこで、具体的に何をするのかまでは分かっていないと思いますが。
先々週と同じ場所だと言っても、分かっているはずもありませんが。

今朝、僕は6時半起床、まずは自分の準備を片付けておきます。
7時過ぎてからさっちゃんを起こします。
素直に起きました。
尿漏れパッドを付けた専用パンツを穿いてもらい、山の衣服を身に付けます。
予定時刻よりは5分遅れましたが、順調に出発。

ですが、駅までの3分の1ほど歩いたところで、さっちゃん「私は帰る」と言い始めます。
寒いこととか、ザックがいつもより重いことなどが気分を低下させている理由なのかもしれません。
「せっかくここまで歩いたんだから、駅まで行こうよ」と説得を試みますが、気持ちは変わらないみたい。
つないでいた手もつないでくれなくなり、さっちゃんは勝手に歩いて行きます。
でも、何故だか進んでいるのは駅の方向。
そのまま前になり後ろになりしながら歩いて行くと、さっちゃんは駅への階段を上らずに左へと進んで行きます。
「駅はこっちだよ」と言っても、駅からも家からも遠い方へと歩いて行きます。

僕は予定の電車に乗ることは諦めました。
さっちゃんの手を引こうとすると、さっちゃんはすごく怒りますから、さっちゃんの進みたい方向へ行かせるしかありません。
K野さんには予定の電車に乗れなかったことをメール。
さっちゃんには行きたい場所があるわけではありませんから、途中立ち止まったりしながら悩みつつ進んでいます。
僕が前を歩いたら付いて来ることもあるので、そうしてみると、今日は付いて来ません。
むしろ、僕とは逆の方向を選びます。
さっちゃんの姿を1回は見失って慌てたり、道路の真ん中を歩くさっちゃんが車に轢かれそうになって肝を冷やしたりしました。

さっちゃんもあてどもなく町をさ迷っていますから、次第に心細くなったのでしょうか?
ずうっと僕には付いて来ようとしなかったのに、付いて来るようになりました。
僕は駅へ向かい、さっちゃんも駅に来たんですが、依然として「家へ帰る」気持ちは強いままです。
強引に駅のホームまで連れて行っても、次の電車まで30分近くありますから、さっちゃんをホームに留めておくのは至難の業。
9時過ぎたころ、いったん家に戻ることを僕は決めました。
そのことをK野さんにもメール、その後の返信には「すでに岩場」とありました。

家まではまずまず順調に帰って来ました。
僕の10mほど後ろを付いて歩いて来ました。
帰宅すると、僕は朝食を作ります。
朝食を食べ、気分も変わると、さっちゃんがまた日和田へ行く気になるかもしれません。
その狙いは的中し、さっちゃんと再度出かけることになりました。
僕のザックをひとつ大きなのに替え、さっちゃんのザックの重さを4kgから2.5kgに減らしました。
さっちゃんにはクライミングシュ-ズとヘルメットを僕の分まで持ってもらってたんです。

12時ころの電車に乗れば、1時半くらいには岩場に着くはず。
家を出て少しのところで、さっちゃんは靴の違和感を訴えました。
先々週もこの靴だったのですが、さっきもちょっとそんなことがありましたから、家に戻って履き替えることにします。
戻りながら、車の運転手さんの何が腹立たしかったのか不明ですが、大声で文句を言ったり、
近所の幼稚園では子供たちがはしゃいでいる声が気に障ったのか、子供たちに大きな声で文句を言ったりします。
さっちゃんは最近怒りっぽくなってますから、これは前頭側頭葉変性症の特徴的傾向かな、と思ったりもしています。
起きる症状のひとつに人格の変化があったりしますから。

家の玄関先で靴を普段履いている運動靴に履き替え、再度駅へ向かいます。
ところが、幼稚園を過ぎてすぐ、さっちゃんが転倒!
僕と手をつないでいましたから、路面に激突することはなかったのですが、「痛い! 痛い!」と叫んでいます。
痛いんでしょうけれど、骨とかにはまったく影響はなさそう。
でも、正午の電車には乗れない可能性もありますから、岩場到着が2時過ぎるかもしれません。
少し考えて、今日はもう諦めることにしました。

家に戻り、山の服を着替えさせ、さっちゃんは布団の中。
足は軽い打撲はあるようですが、大丈夫そうです。
最初に家を出てからすでに4時間が経過していました。

他の登山者はどうだかは知りませんが、山へ行く当日の朝、家を出るまでの気持ちは結構重苦しいものです。
面倒くさかったり、もう出かけるのを止めたくなったりもします。
でも、家を出て歩き始めた途端に身も心も軽くなるんですよね。
これから山で過ごす時間を想像すると、実に楽しく思えてくるんです。
さっちゃんも昨年くらいまではこんな感じがあったように思います。
山で過ごす時間を想像して楽しくなる、そんな気分を味わえていたような気がします。
でも、最近はそれが出来なくなっているような・・・・
山に実際に入れば楽しめているんですが、そこへ向かう前の段階ではその楽しさを想像できていないようなんです。
だから駅へ向かう途中、電車で山に近づいている途中、次第に高揚する気分が分からなくなってるようなんです。

家を出る瞬間まで僕が持つこともある重い気分を、さっちゃんは山に実際に入るまでずうっと持ち続けてるみたいなんですね。
山での楽しさを想像できるので、朝早く眠くても、ザックが重くても、冬の朝身を切るような寒さでも、耐えられるんですよね。
さっちゃんにはそれが想像できなくなっているのだと思います。
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