みやこ海風だより

市議会報告からNPO活動、海を活用したまちづくり、文化創出のまちづくりをベースにしたつぶやきです。

文化の搾取

2012-12-22 10:04:55 | 復興まちづくり
多くの復興支援はありがたい。純粋にその地域の力になってくれるそんな絆に

夢を託し共に進んではきたものの、

復興作業のすべてを丸投げにしてしまって得てして起こる不幸な実態が、

今回の山田町の問題ではなかろうか。

しかし、このことは私たちの街でも起こり得ることでもある。

「文化の搾取」ということを劇作家の平田オリザさんが話していた。

復興して新しいまちはできたものの、儲かるのは中央資本だけ。

その丸投げによって文化的に搾取されていったことが、地域の自立を阻んでいる。

そんなことにならないようにするためには、私たち地域の人々が、

地域文化の自己決定能力を持たなければならないのである。

自分たちの地域の文化は自分たちで成熟させていくことこそが、まちづくりには求められる。

多くのまちづくりの失敗は、自分たちの強みであるものを、自分たちで考えられなかったこと。

大切なのはソフトの地産地消で、地域が歩んで来た歴史・文化は地域の人がつないでいくことである。





だれかのために

2012-07-04 16:19:21 | 復興まちづくり

「だれかのために」ー宮古商業高校の商業研究グループが開発したミネラルウォーターです。



生徒たちが宮城県の企業とタイアップして、被災地復興支援のためにと企画販売したものです。

デザインやネーミング、販路等は生徒自身が携わりました。



現在、復興応援商品としてイオンやコープなど東北6県で販売されています。500ml入り100円です。

昨年7月から販売を開始し、1年が経ちました。これまで3万本が販売されています。

本日、その売り上げの一部が義援金として市に寄付されました。

市ではこれを受けて、この商品のPRをかねて、

9月に行われる目黒のサンマ祭りの宮古ブースに出品したいと話していました。


いのちを守る緑の防潮堤

2012-05-10 09:02:53 | 復興まちづくり
本日の新聞に次のような記事があった。

「宮城県岩沼市は、土中にがれきを埋めた防潮丘「千年希望の丘」を津波浸水区域に整備する構想をまとめ、現在、試験的に小型の丘造りを進めている。がれき利用による環境影響調査を行うためで、26日に造成を終える予定。丘の上には約6000本の木が植えられる。
 構想は、高さ10~15メートル、直径120メートルほどの人工丘を数十個造り、丘の上に木を植えて防災林として津波の威力を抑えるというもの。がれきを利用することでがれき処理を進め、同時に震災の記憶を後世に語り継ぐメモリアルパークとしての役割を兼ねている。
 工事中の人工丘は、高さ約4メートル、広さ約2000平方メートルのほぼL字形。造成に必要な土4000立方メートルのうち、25%程度をコンクリート片や倒木、津波による堆積土で代替する。」
とある。

これは国内外での植樹活動で知られる植物生態学者、宮脇昭・横浜国立大学名誉教授の提唱する「いのちを守る300キロの森づくり」

による取り組みである。

つまり、東日本大震災で被災した東北地方の海岸線に「森の防波堤」をつくろうというもの。(大槌町でも独自で始めた)

私もこのことを以前から訴えていたが、岩手県のハード整備はコンクリートしか頭にない。

先生によれば「海岸部に穴を掘り、がれきと土を混ぜ、かまぼこ状のほっこりしたマウンド(土塁)を築く。

そこに、その土地の本来の樹種である潜在自然植生の木を選んで苗を植えていけば、10~20年で防災・環境保全林が海岸に沿って生まれる。

この森では個々の樹木は世代交代しても、森全体として9000年は長持ちする持続可能な生態系になる」という。

さらに「将来再び巨大な津波が襲来しても、森は津波のエネルギーを吸収する。

東北地方の潜在自然植生であるタブノキやカシ、シイ類などは根が真っすぐに深く地下に入る直根性・深根性の木であるため容易に倒れず

波砕効果を持つ。

背後の市街地の被害を和らげ、引き波に対してはフェンスとなって海に流される人命を救うこともできる」ものだ。

こうした発想を取り込む能力と想像力が岩手県の役人にはない。

「コンクリートから人へ」と大見得(二枚舌)を切った政権政党の党員である知事でさえも、このことは眼中にないようだ。

水門ありきではなく、多様な意見の集約の中でまちの未来をどう考えていくのか、こうした発想からも話し合うことが大事なことで

あったはずなのに。。。。