あの日から1年を迎える日が近づいている。
「住まいと暮らしの再建」「産業・経済復興」「安全な地域づくり」は待ったなしである。
だが、復興計画の議論やその展望が見えてくるにあたり、様々な問題も起き始めている。
特にも閉伊川河口に水門を整備するという計画が急遽決定されたことに対し、市民の多くが戸惑いを感じている。
市は当初、県に基本的には河川堤防整備を要望していた。堤防をかさ上げし河川によって津波をあふれさせないよう
上流部にそ上させる減災計画を念頭にしていたが、ここに来て水門整備に舵を切ったのだ。
我々は報道でそれを知った。
津波を河川にそ上させエネルギーを自然に消滅する対策が効果があると言われているのに、その変更の理由がよく分からない。
議会や住民にもその説明がない。事業主体となる県の対応も問題だ。
経緯経過説明もさることながら、本質的に水門が必要かということである。
津波のあの巨大な自然エネルギーは計り知れないほど、人間の考える境地を超えているからだ。
防潮堤が高ければ高いほど超えた津波のエネルギー、破壊力は増大する。
閉伊川河口を超えたあの黒い津波は低床がヘドロだったのは誰の目にも鮮明である。
そんな軟弱な部分に整備しても意味がない。結局は壊れるだけだ。
自然には自然をもって対峙するのがいい。
太古の昔から津波はこの地方を襲っている。だが、今回も含めて島や岩礁が消えたところはない。
自然の景観は残され、そして今、自然は自らの力で再生しようとしている。
内陸部にいる県の人たちは海のことをどこまで理解しているのだろうか?
水門や防潮堤計画のためのシミュレーションは正しいのかどうかも疑問だ。
どこかの下請け業者に依頼したのだろうか。
自然生態系への影響は。反射波はどうなる。問題は多々ある。
一体誰が宮古湾のグランドデザインするのか。
その巨額な整備費を復興住宅や土地などに充てるのが先決だ。