月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.91 ルシア塩満「黄昏色の秋」

2022-10-06 01:03:22 | 隠れた名曲

ふと思い出した秋の歌。今回は斜め上の変化球で。

 

30数年前、ワールドミュージックが流行して、

これまで聴く機会の少なかった色々な地域の音楽が流れていたりしました。

当時はミュージックマガジンを購読したり、

FMで特集されたものを聴いたりしていましたね。

イギリスやアメリカでヒットしているものしか聴けなかったのが、

南米やアフリカ、中近東等、これまで接することのなかった

音楽を聴けたので、なかなか有意義な時間だったと思います。

残念ながら思っていたほど売れなかったのか、ブームは数年で終わりました。

それでも生き残ったのは、ジプシーキングス

(ビールのCMで使われた「ボラーレ」のカバーや

鬼平犯科帳のEDで使われたり)

ケルト系音楽のエンヤぐらいですか。

あれほど流行ったランバダもすぐ消えましたし。

 

そんな中でも好きなアーチストの一人だったのが、

アルパ(パラグアイの小型ハープ)奏者のルシア塩満さんです。

NHKFMでのライブ放送を聴いたのが切欠でしたが、

アルパの音色が印象的で、ちょっと聴いただけで気に入りました。

西洋のハープとはちょっと違って、何となく庶民的な響きがあって

なかなかいいなと感じていたのです。

 

 

コンサートも何度か見に行ったことありますが、

やはりアルパの奇麗な音色は、生で聴くと感動的ですね。

コンサートでは「カスカーダ」や「牛乳列車」等、アルパの有名アーチストの曲を

演奏することも多いですが、「八月の濡れた砂」や「秋桜」、

「川の流れのように」といった日本の楽曲をアレンジして演奏したりします。

 

 

ルシアさん自身のオリジナル曲もありまして、

自分が一番好きなのが、やはり「黄昏色の秋」ですね。

初めてFMで聴いた時には涙が出そうになった事を思い出します。

日本を感じさせる抒情的なメロディにアルパが上手くマッチした

名曲と思いますね。スタジオ録音盤には、

チェロの溝口肇さんが参加しているようです。

 

 

今回、久しぶりに90年代の終わりに自主製作された

ライブ盤を引っ張り出してきました。以前、ソニーから

ベスト盤に近い感じのものが発売されたこともありましたが、

残念ながら現在は廃盤です。ルシアさんのアルバムは、

基本的には自主製作で発売されていますね。

 

ここ十年ぐらい、活動とか気にしてなかったですが、

2年前に活動45周年を迎えていたようで、昔と変わらない

若々しい姿を久しぶりに見ました。若さを保つ秘訣とか聞いてみたいですね。

 

 


NO.88 上田知華+KARYOBIN「秋色化粧」

2022-09-28 01:04:50 | 隠れた名曲

季節はもう秋なのですが、未だに暑い日々が続きます。

秋の歌というと色々思い浮かびますが、パッと思いつくのがこの曲です。

昔、FMのリクエスト番組で偶然聴いたのですが、

ストリングスを使った曲は珍しかったので、強い印象に残りました。

エアチェックしたテープを何度も聴いていたことを思い出しました。

当時は知らなかったのですが、ポーラのCMソングだったのですね。

シングルは昔、レコードも扱っていた古本屋にて偶然見つけました。

それ以来、シングルは見かけないので、

その当時に買っておいてよかったかなと。

 

上田さんが弾くピアノに加えて弦楽四重奏団バックにするスタイルは、

他に例を見なくて、余計に印象に残っているかもしれません。

メンバーには、ヴァイオリンのマレー飛鳥(金子飛鳥)さんも

所属したことがあり、またチェロの溝口肇さんも

サポートメンバーとして活動したことがあるそうです。

 

残念ながら、KARYOBINとしては大ヒットは無かったですが、

後に上田さんは作曲家としての活躍をすることになります。

特に今井美樹さんへの楽曲提供は有名ですね。

残念ながら、上田さんは2021年にすい臓がんで亡くなられています。

まだ60代だったのに残念です。

 

 


NO.55 たんぽぽ「薄幸色」

2022-06-22 08:43:21 | 隠れた名曲

本当に偶然だったのですが、たんぽぽに関する記事を検索している時に

たんぽぽのアルバムである「薄幸色」を売っているネット販売の

レコードサイトを見つけました。アルバム自体は持っているのですが、

なんとサイン入りのレコードでした。しかも値段も手ごろ。

(その代わりに送料が高いという罠がありましたが)

どうしようか迷いましたが、今後サイン入りなんて入手出来ないだろうと

思い、購入を決心しました。

 

たんぽぽのアルバムがなかなか再発されないのは、

京都レコードの所属だったからと思われます。

京都レコードは、あのねのねや河島英吾さんが所属していましたが、

2002年に撤退していて、復刻は殆ど進んでいない状態です。

販売自体は、ワーナーや東芝に委託するような感じでした。

 

このアルバムで好きな曲は、やはりタイトル曲の「薄幸色」ですね。

アルバムの最初と最後に収録されていますが、儚い感じが好みです。

アレンジ違いで収録されていますが、甲乙つけがたいですね。

「セルフセレクション」のCDに収録されなかったのは残念です。

いい曲なのに、収録されなかった理由があるのでしょうか?

後は、ドラマの主題歌にもなった「ひとり歩き」。

小林亜星さんの作曲で、これも京都の雰囲気を感じさせる佳曲です。

アルバムB面は、珍しくポップな曲に挑戦していまして、

新たな境地を開くかと思われましたが、

残念ながら、これが実質的なラストアルバムになってしまいました。

 

80年代に引退していますので、もう新作を聴くことは出来ませんが、

このアルバムに掲載されているバイオグラフィを見ると、

色々なところでゲスト出演していたり、ラジオの収録を行っていたり、

結構忙しく活動しているのがわかります。

どこかで発掘音源をまとめて出してくれないかなと密かに期待しています。

 


NO.50 たんぽぽ「セルフセレクション」

2022-06-05 01:17:48 | 隠れた名曲

人にはそれぞれ、決して有名ではないが自分にとっては印象深く

そして忘れがたいアーチストや曲があったりします。

その一つがたんぽぽという女性デュオです。

高校時代、FMから流れたある1曲。モーリス・アルバートの

「愛のフィーリング」をカバーした曲。

ハイファイセットがカバーしてヒットしていましたが、

それとも少し感じが違って、儚くも美しいコーラスが印象的でした。

歌っているのがタンポポというグループしか紹介がなかったのですが、

強く印象に残りました。

今と違ってインターネットもない時代だったので、本とかに記事がなければ、

調べるのも困難でした。

 

それ以来、中古レコード屋では注意して探すようになりましたが、

なかなか見つかりません。ようやく1枚、LPが見つかった時は

嬉しかったですね。状態はイマイチでしたが、日本のポップスを

カバーしていたアルバムでした。弦楽四重奏をバックに歌われる

美しいコーラスは至高のものです。

 

その後も時間はかかりましたが、1枚、また1枚と入手が出来、

念願の「フィーリング」が収められていた洋楽のカバーアルバムも

何とか入手出来ました。(歌詞カードが無いのが残念でしたが)

その頃になると、日本の70年代のロックの方に興味が移っていて、

ニューミュージックとかは余り聴かなくなっていました。

それでもたまに思い出したように、タンポポの事を調べたりしていました。

(CD化されていなかった事もありましたので)

 

LPは集まってきたけど、シングルは多少話題になった小椋佳さんの作詞作曲の

「縦縞のシャツを着て」ぐらいしか見つからず、入手は絶望的でした。

Wikipediaを調べてみると、フルーツカルピスのCMに使われていた「初恋少女」と

「おとこ星おんな星」がアルバム未収録みたいで、いつか手に入れたいなぁとは

思っていました。Wikipediaにはベストアルバムの記載がありましたが、

最初はあまり気にしてなかったですが、最近、ソニーミュージックダイレクトが

発売している、たんぽぽ本人が選んだという通販専用のCDと知りました。

アマゾンやメルカリにもあるようですが、定価よりも少々高い値段で、

買うのは躊躇してました。もう発売から十数年たっているし、妥協しようかなと

思っていましたが、ソニーミュージックダイレクトのサイトにはまだ在庫が

ある事が判明し愕然。早速、会員登録して注文しました。

 

契約が複雑なのか、本人の都合なのかわかりませんが、シングルで発売された

曲が中心に選ばれていますが、カバー曲を集めた2枚のアルバムからは

殆ど選曲がありません。シングルB面になっていた「ホテルカリフォルニア」の

カバーや、「フィーリング」が無いのが残念です。

 嬉しいのは、「初恋少女」と「おとこ星おんな星」が入っていることですか。

久しぶりに小林亜星さんの作曲の「嵯峨野さやさや」を聴いてほっこりしました。

そしてLPを引っ張り出して聴いていると、やっぱり美しいコーラスっていいなと

改めて感じました。

YouTubeにも多少上がっていますが、テレビ出演時の映像は少ないですね。

 

たんぽぽ ひとり歩き 1979年 - YouTube

 

ニューミュージック系のLPもたまには聴いてみようって気になりました。

まとまったら記事にしようかな。