月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.226 クラナド「マジカルリング」

2024-01-06 01:09:38 | 隠れた名曲

元旦の大地震、2日の飛行機事故と、かなり精神的に堪えました。

全てのテレビ局では地震関連の報道番組。早く避難してください、

逃げろの字幕。お正月気分は何処かへと行ってしまいました。

自然の事とはいえ、あまりにも無慈悲な仕打ち。

被害にあわれた人には何て言葉をかけたらいいのかわかりません。

 

そんな状態でも仕事には行かねばなりません。

何か落ち着けるような曲を聴きたいと思い、思いついたのがクラナド。

アイルランドのグループで、エンヤの親類の人で構成されているグループです。

ボーカルのモイアは、エンヤの実の姉です。

NO.221でも1曲取り上げていますが、やはりここは一番のお気に入りである

「ハリーズゲームのテーマ」を聴こうかなと。

 

 

元々はイギリスのテレビドラマのエンディングに使われた曲です。

ドラマ自体は血生臭い部分がありますが、曲はとても荘厳で美しいです。

 

そしてもう1曲印象的な曲が。アイルランドの古い歌で「刈株の緑野」。

「クラナド2」でも録音されていますが、再録音されています。

この曲も心を落ち着かせる名曲だと思いますね。

 

 

このアルバムは、今までゲール語で歌っていたクラナドが、

初めて英語での歌に挑戦したものになりますが、

やはりゲール語の方がしっくりくるかも。

 

本当なら、U2のBONOとデュエットしている

「IN A LIFETIME」も収録されているベスト盤の「パーストプレゼント」を

紹介するつもりでしたが、見つからないのでこのアルバムになりました。

これはこれでいいアルバムですけどね。

 

 

これで少しは心が落ち着いた感じですね。

この手のアルバムはなかなか紹介していなかっただけに、

いい機会ですので、何回かに分けて紹介していこうかなとは思います。

いつもの如く、多少マニアック方面に傾くとは思いますが。

 

 


NO.220 QUATERMASS「QUATERMASS」

2023-12-22 01:08:00 | 隠れた名曲

前回、NO,219の記事で、ちあきさんがカバーした井上陽水さんの事を

書いたのですが、色々調べていくうちに、陽水さんのアルバム

「氷の世界」に参加したセッションミュージシャンが

クォーターマスのメンバーだと知ってびっくりしました。

「氷の世界」はロンドンでも録音されたというのですが、この通好みの

グループと関りがあるとは、ちょっとした驚きです。

昔、音楽誌でこのグループの事を書いてある記事を読んで興味を持ち、

CDを買ったものですが、今回、久々に取り出してみました。

 

クォーターマスは、ディープパープルとの因縁があるグループで、

ドラムのミック・アンダーウッドが、リッチー・ブラックモアと友人との事。

またイアン・ギランとロジャー・グローバーが所属していた

エピソード・シックスというグループにクォーターマスのメンバーも

所属していたとの事です。

ブラックモアがクォーターマスの「黒い羊」という曲を

ディープパープルでカバーしようとしたのですが、他のメンバーが

ブルース色の強い曲を拒否し、それが遠因となったのか、

ブラックモアはパープルを脱退することに。

そしてレインボーのアルバムで「黒い羊」はカバーされることに。

 

 

クオーターマスは、ベース、ドラム、ハモンドオルガンの

ギターレスのバンドで、同時期のナイスとも比較されることがありますが、

結構リズム隊がしっかりしていて骨太なイメージです。

 

 

そしてストリングスを取り入れた曲もあったりするのが、

ナイスと比較される理由かと。骨太だけでなく、実験的な事もやっていますね。

 

 

発売は、EMIのハーベストレーベル。ケヴィン・エアーズやロイ・ハーバー等、

癖のあるミュージシャンがアルバムを出していました。

妙に印象に残るジャケットは、ヒプノシスによるものです。

同時期には、ピンクフロイドの「原子心母」のジャケも手掛けていますね。

しかしながら、アルバム1枚しか残していないのは残念です。

ライブ映像とかないとは思っていましたが、短い時間ながら存在していました。

 

 

ハモンドオルガンに拘る姿勢は嫌いではないです。

ただ一般受けは難しいですね。

 

 

 

 


NO.204 アリス「秋止符」

2023-10-18 00:24:06 | 隠れた名曲

段々と朝も涼しくなってきて、今年も秋に関する曲について

書こうと思っていた所に、谷村新司さんの訃報が入ってきてしまいました。

その為、予定を変更してこの曲を取り上げてみようかと。

 

アリスの曲は、ヒット曲は聴きやすいものが多いですが、その反面、

「帰らざる日々」のように重い感じの曲も多いです。

帰らざる日々」は死の直前の自分、「それぞれの秋」は友人の自殺、

冬の嵐」は人生の終わりについて。苦労している人生を歌う「砂の道」。

谷村さんは、「島耕作シリーズ」で有名な弘兼憲史の作品の

「人間交差点」をタイトルにしたアルバムも出していて、

その辺りの影響も強かったのかもしれません。

(今回、調べてみて知ったのですが、このアルバムの発売時期は

ドラムを菅沼孝三さんが演奏していたのですね。ちょっと意外でした)

 

さて話を戻しますが、この曲、「3年B組金八先生」の「15才の母」シリーズの

BGMにも使われていたので、もしかしたらそれで覚えている方がいるかも。

重い曲でありながら、シングルが50万枚ほど売れるヒット作となっていますね。

ライブでもよく歌われていました。 

 

今年の秋はいつもの秋より
長くなりそうなそんな気がして

 

この歌詞が身に染みるそんな気がします。

挫折を思わせる歌詞ですが、重いコートを脱いで歩いてほしい。

そんな事を思いながら。自分にも当てはまるのですが。

 

 

もちろんアリスには暗い歌ばかりではありません。

希望を歌うものも沢山あります。

初期には前回紹介した「明日への讃歌」。

 

そして後期には、絆をテーマにした「美しき絆~ハンドインハンド~」。

 

これも前回紹介した「風は風」

 

そしてヒットこそしなかったものの、ずっと大切に歌われてきた

アリスにとって裏の代表曲とも言える「遠くで汽笛を聞きながら」

 

いつまでもくよくよせずに、前向きで行かないとなぁ。

 


NO.168 白竜「光州CITY」

2023-07-08 21:25:45 | 隠れた名曲

本来ならもっと早く投稿する予定でしたが、先に投稿したいものが

幾つかあったので、順番を入れ替えました。

これを書いていた時点で、まさかPANTAが亡くなられるとは

夢にも思いませんでした…。

 

先週、地元で開催されたレコード即売会に行ってきました。

CDよりもレコードの方が多いくらいで、中にはなかなか手の出ない

レア盤もありましたが、流石に高額な物には手が出ません。

自分が探すのは、日本のロックやニューミュージック、フォークあたりですが、

なかなか欲しいものが見つからず、有ったとしても値段が高かったりします。

最近流行のシティポップ関係とか、どこの店舗も高めの値段ですね。

 

今回はあまり買うのがないなと思っていたら、予想外のものを発見。

白竜のファーストアルバムの「光州CITY」です。

アルバムとしてはCDを持っているのですが、それとはジャケ違いのもので、

なんとサイン入りのものでした。

 

 

値段は若干高めでしたが、目が飛び出るような高額でもないので、購入決定。

こういうのがあるから、即売会には出来る限り顔を出したい所です。

 

白竜の「光州CITY」は、元々「シンパラム」のタイトルで発売予定でしたが、

韓国での光州事件を題材にした曲の「光州CITY」が

レコ倫に引っかかって発売中止に。

在日韓国人2世でもある白竜は、真実を報道されない事に怒りを感じ、

この曲を作ったのだとか。そして全国でこの歌を生で聴くコンサートが開かれ、

後にアルバムが自主制作の形で発売され、ライブ会場にて発売される事に。

 

日韓ワールドカップ以降、自分は韓国に関してはいい印象を持っていないですが、

白竜の渋く男らしい歌声は高く評価しています。

「その男、凶暴につき」以降は、俳優として活躍することが多いですが、

内田裕也さん主催のニューイヤーロックフェスティバルには、

常連のように出演していました。

 

 

アルバム「光州CITY」は、スタジオライブの形で録音されていますが、

代表曲でもある「アリランの歌」や「シンパラム」は、

このアレンジがいい感じだと思います。ロック的な曲ももちろんいいですが、

白竜と言えば、やはりバラードも捨てがたいです。

最後に収められている「PAS DE DUEX」はPANTAの作品で、

PANTAの中でも隠れた傑作と言えるものです。

少々エロティックな歌詞ですが、露骨な厭らしさもなく、

文学的な感じがいいですね。

下のリンクにて聴き比べが出来ます。

臭いものに蓋をするな!発売禁止になった白竜の「光州シティ」と小室哲哉

 

この時の白竜バンドのキーボードは、あの小室哲哉さんだったりします。

ちょっと意外ですね。

 

そしてPANTAによる「PAS DE DUEX」のライブバージョンを…。

 


NO.105 白鳥座「白鳥座」

2022-11-26 00:40:24 | 隠れた名曲

フォロアーさんのブログで、さだまさしさんの「秋桜」が取り上げられていて

久々に聴いてみました。山口百恵さんに提供したこの曲は、

実に味わい深いというか、しみじみとした気分になります。

ちょっと調べてみたのですが、「雨やどり」や「秋桜」、

「親父の一番長い日」とかは佐田家、特に妹の佐田玲子さんが

モデルとなっているそうです。

ただし、モデルにしているだけで事実とは異なっており、

実際には玲子さんは結婚はしていないようです。

 

そんな感じで、佐田玲子さんがメンバーだった白鳥座の事をふと思い出し、

LPレコードを引っ張り出してみました。

このファーストアルバムとセカンドアルバムの「デネブ」は、

学生時代に地元の中古レコード屋で見つけたもの。

それ以降、殆ど見かける事はなかったので、買っておいてよかったなと。

さだまさしさんの妹がメンバーだということもあり、

また「心にスニーカーをはいて」が全日空のキャンペーンソングになったり

もっと売れてもよかったと思いますが、アルバムやシングルが

なかなか見つからない事から、残念ながらヒットしたとは言えないですね。

でも、曲としては心に残るいい曲がそろっていると思います。

 

 

アルバム2枚発売後、玲子さんがソロ転向等で、メンバーが変わったりで

活動停止、2000年以降は、不定期で活動したりしていました。

アニメ「銀河漂流バイファム」のOVAの主題歌や

フジテレビの昼ドラマの主題歌を歌っていたりしていたので、

聴いたことがある人がいるかもしれませんね。

 

 

 

個人的には、もう一度CDを発売してほしいなと思います。

やっぱ無理かなぁ。