月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.26 ジャックス「LIVE,15 JUN.1969」

2022-03-27 00:48:05 | 日本のロック

ここにきて、まさかジャックスのライブ音源が発掘されるとは思いませんでした。

1969年に近畿放送(現KBS京都)にて放送された

「みんなで歌おうフォークフォーク」なる番組にジャックスが出演した時の

音源が見つかり商品化されたものです。

何でも当時のディレクターの蔵に保存されていたとか。

ライブをダイレクト録音したオープンリールをマスターとしているそうですが、

何故放送用音源を個人で所有していたのかですね。

しかしながら保存状態もよかったようで、こうして聴く事が出来るのは嬉しい限りです。

近畿放送の自社制作によるようで、聞く人も限られていましたので、

ジャックスの研究本である「定本ジャックス」の詳細な年譜にも記載されていません。

 

MCを含めて30分強の短い音源ですが、解散直前の最後期の演奏が聴けます。

メンバーは、早川義夫さん、谷野ひとしさん、木田高介さん、

角田ひろ(現つのだ☆ひろ)さん。司会に北山修さん、ゲストに高石ともやさん。

選曲は特徴的で、「ジャックスの世界」から2曲で、その後すぐにレコーディングされる

「ジャックスの奇蹟」からは演奏されず、代わりにジャックスの裏バージョンといえる

高橋照幸さん(カイゾク)の休みの国というグループの曲を3曲演奏しています。

(1曲は高石ともやさんがボーカル)

このライブから2か月後には解散宣言をしているので、

この時にはジャックスを続ける気がなかったかもしれません。

「からっぽの世界」は、水橋春夫さんの独特なギターはないのですが、

木田さんのフルートとつのださんのドラムがいい味を出していて、

これはこれで悪くない出来かと。

 

注目すべきは、「明日なき世界」のカバーですね。P.Fスローンの曲で

バリー・マクガイアのシングルでヒットしましたが、

それを高石ともやさんが訳詞をしたものを演奏しています。

「でもよぉ、何度でも何度でもおいらに言ってくれよ」

なんて言い回しは個人的には好きです。

色々なアーチストに歌われてきましたが、有名なのは

RCサクセションの「カバーズ」に収録されたバージョンですね。

 

最後に北山修さんの訳によるビートルズの「イエローサブマリン」が

演奏されたらしいですが、残念ながら許可が下りなかったのか

未収録なのが残念です。嘗て「イエローサブマリン音頭」が発売できたのだから、

許可してもらいたかったですね。権利関係が難しいのでしょうか?

 

(42) ジャックス/LIVE, 15 Jun.1969 - YouTube

 

次回は休みの国の発掘音源を書くつもりでしたが、まだ入手出来ていないので、

ジャックスの公式以外の音源を書こうかなと。

久方ぶりに定本ジャックスを読み直している所です。