状態が懸念されていたPANTAですが、先日、無事に退院されたそうです。
これで一安心出来ました。
とはいえ、もう激しい歌は歌えないかもしれないかなぁとは思います。
そしてふと浮かんだのは、「誕生」に収録されている「詩人の末路」。
もしライブをやるとしたら、こんな感じの歌が多くなるかも。
「誕生」は、頭脳警察にとって過渡期的な作品ですね。この時期は
トシは実質、頭脳警察から距離を置いていたようで、
PANTAがほぼ一人で製作している感じです。
活動に迷い的なものがあったのか、3までの過激なイメージは
活動に迷い的なものがあったのか、3までの過激なイメージは
このアルバムにはありません。ロックというよりは、フォーク寄りな
感じのイメージですかね。あえて言えば、
世間に反発してきたような感じの頭警が、自らのパブリックイメージに
反発した、そんな感じすらします。
PANTAは、この時までに200曲近い曲のストックがあったといいます。
このアルバムのために書き下ろした曲は「破滅への招待」ぐらいだと
ライナーには記載されていました。
まぁ、トシの不在やストリングスの投入とか、今までの頭警のイメージからは、
離れた感じのアルバムですね。それでも「詩人の末路」以外にも
「やけっぱちのルンバ」とかの秀作はあります。
この時期はサウンドを重視していた感じで、
編曲は馬飼野康二さんが担当しています。おかげでストリングスも
上手く使われたと思います。
でもやはり、初めて頭警を聴くような人にはお勧めは出来ないかな。
頭脳警察のパブリックイメージとはかけ離れていますので…。
結局、次のアルバムもトシが不在のままでして、
PANTAの色が強くなってくる気がします。
余談ですが、この時期は四人囃子とライブで共演する事が度々あったようで、
一度ライブで一緒に演奏をしたこともありました。
「頭脳囃子」とも呼ばれましたが、この時の音源は、後にCD化もされています。
そして約30年後に、四人囃子とのジョイントコンサートが開かれましたが、
アンコールでの「頭脳囃子」で「誕生」に収録されている
「無冠の帝王」が演奏されまして、凄く印象的だったのを覚えています。