月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.22 映画「ZAPPA」公開予定

2022-03-13 09:07:41 | 映画

金曜日に3回目のワクチン接種を行いました。

そして土曜日、日曜日と休みをもらったので、久々にのんびり過ごしてます。

(ワクチン打つ前にパチンコの新台打ちに行って大敗したからですが)

そんな中、ブログの事とかでネットをじっくり検索していたら気になる記事が。

あのフランク・ザッパのドキュメンタリー映画の日本版が4月から公開だと。

 

映画『ZAPPA』オフィシャルサイト (zappamovie.jp)

 

ザッパと言えば、1966年にマザーズオブインベンションとして

デビューして以来、とんでもない数の作品を残した変態アーチストです。

商業に喧嘩売るようなナンセンスや下品な歌詞と他の誰にも真似出来ない

独創的な演奏は賞賛に値します。

ビートルズ以下、色々なアーチストに影響を与え、

ザッパのバンドから巣立ったミュージシャンは、

スティーブ・ヴァイ、テリー・ボジオ、エイドリアン・ブリュー等、

錚々たるメンバーです。

そして頭脳警察の元ネタである「Who Are The Brain Police?」は、

デビュー作の名盤「フリーク・アウト!」に収録されています。

一時期、頭脳警察のライブのオープニングで流されていました。

 

(5) Frank Zappa - Who Are The Brain Police? - YouTube

 

ビートルズが「リボルバー」を、ビーチボーイズが「ペットサウンズ」を発表した時期に

これだけ異端なアルバムを、それも2枚組で発売するとは恐れ入ります。

自分が初めて聴いたのは、NHKーFMのクロスオーバーイレブンの

サイケデリックかアンダーグラウンドの特集だったと思います。

最初聴いた時は何だかわけのわからない音楽だなとは思いましたが、

エアチェックしたのを何度か聴いているうちにハマっていく事になりました。

若い頃はよく中古レコード屋でCDを探してましたね。

 

まあそれはさておき、アメリカで2020年に製作されたというこのドキュメントは、

初の遺族が公認する映画との事です。珍しい映像や写真にも期待出来そうです。

上映館は、まだ2か所しか発表されていませんが、

おそらく時間かけて全国を回るのかな?

地元の小さな映画館でも公開されればいいのですが、うーん、どうだろう?

ちなみに映画のサントラは3枚組だそうです。財布にやさしくないなぁ。

 


NO.21 裸のラリーズ「THE OZ TAPES」リリース決定

2022-03-12 09:41:47 | サイケデリック

NO.3にて紹介した裸のラリーズの公式サイト、更新があまりないので

暫くチェックしてなかったのですが、久々に覗いてみたら更新が。

発売がアナウンスされていた裸のラリーズの未発表音源を含むOZでの音源、

「THE OZ TAPES」の発売が4月27日に決まったとの事です。

 

『THE OZ TAPES』4月27日リリース決定 | Les Rallizes Dénudés (lesrallizesdenudes-official.com)

 

アナログLP2枚組で、北米のレーベルからの発売となるそうです。

「OZ DAYS」収録の未編集バージョンと未発表音源での構成との事。

「ラストワン」の未発表音源が2種類も聴けるのが嬉しいうれしい限りです。

こちらのサイトで予約すると、帯が緑の限定バージョンになるそうです。

 

Les Rallizes Dénudés (裸のラリーズ) / The OZ Tapes[2LP]DRFT03 | Tuff Beats (tuff-beats.com)

 

同時期に発売予定とされていた

「OZ DAYS LIVE ’72-’73 Kichijoji (50th Anniversary Collection)」は

まだ情報が出ていません。

CD3枚組でタージマハル旅行団を除いてラリーズの未発表音源を加えたものですが、

こちらは今回のアナログより2曲多いとの事です。

こちらを買えばいいのではと思いますが、やはりラリーズはアナログで聴きたいです。

情報が入り次第、また書きたいと思います。

 


NO.20 J.A.シーザー「薔薇卵蘇生録ソフィア」

2022-03-11 18:22:39 | J.Aシーザー、天井桟敷関連

97年に放送された「少女革命ウテナ」というアニメに

シーザーの曲が使用された事により、

世界中のアニメファンに衝撃を与える事になりました。

「セーラームーン」シリーズの監督をしていた幾原邦彦さんがシーザーのファンであり、

アニメに使いたいと打診がありましたが、シーザーも心よく楽曲を提供してくれました。

「ウテナ」の独特であくの強い世界観とシーザーの世界観が相性が良かったため、

元々、シーザーの率いる劇団万有引力の演劇で使われていた合唱曲ですが、

「ウテナ」の決闘シーンにて使われていても違和感もなく、

非常に馴染んでいたのが印象的でした。

(編曲はアニメの中盤までは光宗信吉さんが担当していましたが)

 

99年に劇場版のアニメが公開されましたが、それに先駆けて合唱曲集が発売されました。

それが「薔薇卵蘇生録ソフィア」です。

アニメ本編では、シーザーの書き下ろしの曲はありませんでしたが、

このアルバムは全て劇場版用に書き下ろされた曲ばかりです。

実質、シーザーの新作アルバムといってもいいものですね

この手のアルバムは、やっつけ仕事になりがちですが、

このアルバムはインスト1曲(冒頭のこの曲は重さがありながら非常にカッコいい曲です)

合唱曲12曲、70分を超える大作で気合が入った作品ですね。

どの曲もクオリティも高く、聴きごたえがありますが、

聴く人を選ぶのは間違いないです。

もっとも「ウテナ」もクセが強い作品なので、人によって評価が分かれるでしょう。

 

(4) Yomigaere! Mukyuu no Rekishi "Chuusei" yo - la fillette révolutionnaire UTENA (OST 7) - YouTube

 

シーザーの「ウテナ」の合唱曲に関しては、「わたし革命ファルサリア」という

CDに音質が向上したものが収録されていますので、

もし探すのであれば、「起源譜」、「変身譜」の2種類ありますが、

こちらが入手しやすいかと。

なお、2000年代に入ってから、「ウテナ」の世界をベースにしたアルバムも

発売されています。更にクセの強い世界になってますが。

 

とりあえず、シーザーに関しては一段落つけますね。

いずれシーザーのライブ音源の作品のレヴューをするかと思いますが。

 


NO. 19  説教師の主題による見世物オペラ「身毒丸」

2022-03-05 00:50:24 | J.Aシーザー、天井桟敷関連

寄り道をしてきましたが、ようやく探していた資料も見つかり記事に出来ました。

天井桟敷の屈指の傑作と言われてきたのが「身毒丸」です。

後年になって、武田真治さんや藤原竜也さんの主演での舞台化もしていますので、

名前だけは知っている人もいるとは思います。

「お母さん、もういちどぼくをにんしんしてください」

この台詞が流れるCMを見たこともありますが、見た人は唖然としたかもですね。

ただ「身毒丸」という演劇は、寺山修司さんがシーザーの音楽のために作った

演劇とも聞いていますので、やはりシーザーが音楽を担当したものを見たいです。

 

幸いに「身毒丸」に関しては、レコードだけでなく天井桟敷による映像が残されていて、

ビデオも発売されていました。多分DVD化はしてないと思います。

 

 

まあ内容的に再発は難しいかもしれません。

「身毒丸」は、中世の説教節「しんとく丸」をベースに、母と子の愛憎、「家」、「家族」の問題等を

織り交ぜ、シーザーの抒情的というか、時には呪術的で狂気に満ちた音楽で人を圧倒していきます。

劇場中心には見世物小屋が設置され、周りには大編成のバンドがありオペラを盛り上げます。

見世物小屋という概念は、令和の世の中では肩身が狭いかもしれません。

さらに籟病の台詞もあり、オリジナルの台本での再演は難しいだろうと思っていました。

(現在はハンセン病での表記。昔はかかると隔離されていましたが、現在は治療可能です。

しかしながら差別意識は残っているようです。)

 

そんな中、満を持してシーザー率いる劇団、万有引力により2017年3月に

オリジナル台本にて蘇りました。天井桟敷にも引けを取らない圧巻の演劇です。

今回も音源は残されていて、後日発見された天井桟敷版の完全盤音源とともに

BOXでの発売もされました。

 

 

さらに、カメラ10台を使用して撮影された映像もノーカットで収録しているDVDと

台詞を再録して再構築したラジオドラマ風のCDのセットも発売されています。

 

 

いずれも現在入手困難なのが残念です。YouTubeには、DVDの予告編であれば時間はわずかですがあります。

 

(28) J・A・シーザー 光来復活した大歌劇 『身毒丸』予告編 - YouTube

 

もし共感できるなら探してみてください。大半の人は拒否反応をするかもですが。

残念ながら、自分の拙い文章力では、シーザーの魅力を伝えきれませんでした。

時間かけてもまるで纏まらないです。

万有引力の公演を生で観れなかったのが残念です。生で迫力のある演劇が観れたら、

もっと強い印象が残ったと思います。「身毒丸」は一区切りついたという事なので、

生で見る機会はもう無いのかもしれませんね。