月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.234 ジェフ・ベック最後の録音

2024-02-10 07:18:26 | 発売予定

ジェフ・ベックが生前最後に録音したという音源が発売予定との情報が。

ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーが主催で、

「Going Home (Theme From Local Hero)」の特別ヴァージョンの

チャリティーシングルを3月15日に発売するとの事です。

 

ジェフ・ベック(最後の録音)/マーク・ノップラー/ギルモア/ロニー・ウッド/クラプトン/ブライアン・メイ/トニー・アイオミら参加の曲が発売決定

 

いや、参加しているアーチストが尋常じゃないです。

本当に全員参加したのかっていうレベルです。

記事から抜粋すると、

 

ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモア、ローリング・ストーンのロニー・ウッド、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュ、エリック・クラプトン、ブルース・スプリングスティーン、ザ・フーのピート・タウンゼント、ナイル・ロジャース、ジョーン・ジェット、クイーンのブライアン・メイ、ブラック・サバスのトニー・アイオミ、イーグルスのジョー・ウォルシュ、サム・フェンダー、ライ・クーダー、ジョー・ボナマッサ、シェリル・クロウ、ピーター・フランプトン、バディ・ガイ、灰野敬二、サニー・ランドレス、アレックス・ライフソン、スティーヴ・ルカサー、フィル・マンザネラ、ジョン・マクラフリン、トム・モレロ、リック・ニールセン、オリアンティ、マイク・ラザフォード、ジョー・サトリアーニ、アンディ・テイラー、スーザン・テデスキ、デレク・トラックス、スティーヴ・ヴァイ、ワディ・ワクテルなど。

 

チャリティーシングルとはいえ、よくぞここまで集まったと思います。

ギタリスト以外にも、リンゴ・スターやスティングの名前もあったりで。

そして中に一人、予想だにしていない名前があります。

 

なんと灰野敬二さんの名前があるじゃないですか。

確かに灰野さんは、裸のラリーズと並んで日本が誇る

サイケデリックなギタリストとして海外でも知名度がありますが、

海外でも知名度のある布袋寅泰さんや、カーマイン・アピスや

ティム・ボガードとCBAを結成した事のあるチャーとかを差し置いて

ですので、どんな経緯で参加に繋がったのか気になります。

これは是非、購入したいですね。

でもこれだけのメンバーで9分程度では勿体ない気がします。

いっそのこと60分ぐらいに拡大して、参加メンバーのインタビューとか

で構成されたDVDとかオマケに付けたら多少高くても買いたいとは思います。

 

 

それにしても、真っ先に名前があがるべきジミー・ペイジが無いのは

残念に思います。やっぱりもうギターは弾かないのかなと。


NO.233 頭脳警察「東京オオカミ」

2024-02-08 01:43:03 | 頭脳警察、PANTA関連

2024年2月5日。PANTAの誕生日だった日に

実質的に頭脳警察のラストアルバムとなる「東京オオカミ」が発売されました。

PANTAの体調が悪い時期だっただけに、制作は難航したようです。

PANTAの体調のいい時にボーカルを先に収録するという異例のスタイル。

「歴史の復讐劇」をテーマにしたこのアルバムは、

どうしても完成させたかったのだろう。亡くなる数日前まで、

アルバムに関して指示を出していたというのが涙を誘います。

 

頭脳警察50周年を契機に、頭脳警察は新しいメンバーを集めてます。

それも若いメンバーを中心に。

ギターの澤竜次さんとベースの宮田岳さんは、元黒猫チェルシーのメンバー。

ドラムは元騒音寺の樋口素之助さん。それに加え、アーバンギャルドの

おおくぼけいさん、後に正式メンバーとなる竹内理恵さんが

最終的なメンバーとなります。

もしかしたら、この時点で若い世代に頭脳警察の名前を

引き継いでもらいたかったのかもしれないですね。

 

 

このアルバムの異色な点は、この若いメンバーとの共作が多々ある事。

PANTAの詞に他のメンバーの曲という感じ。

PANTAの体力的な事情もあるのだろう。

旧曲の再録音も何曲かあるのは仕方のない事か。

若いメンバーに関しては、トシが、

「50周年のときに若い子を入れて良かった。すごくいい。

音がキラキラして新鮮なんです。新鮮な空気と感性、刺激をもらえました」

との発言もあり、試みは成功したと言えるのではないかなと。

 

「東京オオカミ」は、冒頭を飾るハードなナンバー。

東京には狼がいたのではないかという妄想から始まったという。

エンディングが「銃をとれ」と同じような感じなのは、

意図的な事だろうか?

 

 

2曲目の「タンゴグラチア」は、細川ガラシャに関する歌。

丹後とタンゴを掛けたのは如何にもPANTAらしい。

竹内理恵さんのサックスが、頭脳警察に今までなかった感じで

それはそれで悪くないかと。

新メンバーによる旧曲のチャレンジもあるけれど、

異色なのは、宮田岳さんの詞と曲の「ドライブ」

意外と違和感がないかもしれない。

 

 

そして印象的だったのが、橋本治さんの事を思い書いたという、「冬の七夕」。

まさかPANTA当人が七夕の日に亡くなるとは、誰が予想しただろうか。

 

 

そして最後を飾るのは、頭脳警察50周年記念映画の

エンディング用に作られた「絶景かな」。

予てからルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」のような

曲を作りたいとPANTAは言っていましたが、

「絶景かな」が自分のそれに当たるのではないかと思ったら

嬉しくなったとのエピソードがあります。

新たに録音したバージョンで締められます。

 

 

実は、今回収録しようとして出来なかった曲がある事を

ミュージックマガジンの増刊号で知りました。

香港のロックバンド、BEYONDのリーダーだった黄家駒(ウォン・カークイ)の

作品である「遥かなる夢に 海闊天空」です。

ギターの澤竜次さんがボーカルをとっているとの話です。

若い世代に歌ってもらいたいとのPANTAの願いだったそうですが、

著作権関係がクリア出来ず、今回は見送られたとの事。

香港の地下国歌とも言われている曲ですが、

いつか収録してほしいとは思います。

 

 

 


NO.232 PANTAの他者への提供楽曲色々

2024-02-05 00:26:28 | 頭脳警察、PANTA関連

2月5日は、亡くなられたPANTAの誕生日だった日です。

毎年、何かしら記事を書いています。今回はどうしようかと思っていたら、

こんな記事を見つけました。

頭脳警察の現在(1)盟友・TOSHIが語るPANTAさんの死…「最期までカッコ良かった」 「頭脳警察は続きます」

 

もう頭脳警察としての活動はないと思っていましたが、

PANTAが生前残していた歌詞のノートが20冊ほどあるという事で、

それに曲を付けて発表していくのかなとは思います。

トシ自身も高齢ですので、どこまで活動出来るかですね。

 

そんなわけで、発売されたPANTAの追悼本に掲載されていた

PANTAが他者に提供した楽曲の記事を参考にしながら、

聴いてみようかと思います。

 

 

 

石川セリ「スノーキャンドル」(詞、曲)

石川セリ「真珠星 パールスター」(詞、曲)

石川セリ「Fairy Tales」(曲)

石川セリ「ひとりぼっちの日曜日」(曲)

 

石川セリさんと言えば、「ムーンライトサーファー」ですが、

それ以外にも提供した曲があるので集めてみました。

「KISS」時代の曲は石川セリさんとは相性がいい感じですね。

 

ストロベリージャム「れい子と呼べば」(詞、曲)

 

頭脳警察時代に提供した曲です。これは知らなかったです。

何となくカントリー調ですかね。

 

田中星児「いじわる猫」(曲)

 

寺山修司さんが作詞をしている「寺山修司イソップ物語」から。

アシッドフォークっぽい感じがまた異色です。

 

桑江知子「ISLAND WOMAN」(詞、曲)

桑江知子「カヌーボーイ」(詞、曲)

 

私のハートはストップモーション」で知られる桑江知子さんに提供した曲。

「カヌーボーイ」はレゲェっぽいです。

 

石橋和子「恋してジャンプ」(詞、曲)

 

もしかしたら、ムーンライダースの鈴木慶一さんも

アルバムに参加しているからその経由での曲提供かな?

 

松原みき「予言」(詞)

 

「PISS」収録の曲「ワンナイトラバー」でデュエットしていますが、

ここでは詞を提供しています。因みに曲は濱田金吾さんという異色の組み合わせ。

 

杏里「白いヨット」(詞、曲)

 

意外にも杏里さんにも作品が提供されています。

 

麻生レミ「SAME AGAIN」(曲)

内藤やす子「とうせんぼ」(詞、曲)

 

実力派女性シンガーにも曲は提供されていますが、麻生レミさんのは、

意外にもスワンプっぽい感じ。逆に内藤やす子さんは、かなりハード。

女性向の歌詞じゃないですね。

 

立川亮子「WILD DREAM」(曲)

これは日本ハムファイターズの応援歌です。

「反逆の軌跡」辺りの曲調ですね。

 

ルースターズ「鉄橋の下で」(曲)

 

花田裕之さんとは、「PISS」で共作したりしています。

PANTAもライブで演奏したりもした名曲です。

 

チェッカーズ「裏どおりの天使たち」(詞)

 

この曲は、チェッカーズのファンの間でも評判がよさそうです。

隠れた名曲ですね。

 

ビートたけし「BE COOL」(曲)

 

どういう経緯かはわかりませんが、阿久悠さん作詞、PANTA作曲、

歌うのはビートたけしさんという摩訶不思議な世界となっています。

 

間寛平「大阪で生まれた男」(詞、曲)

間寛平「夜霧の港物語」(詞、曲)

 

これまた意外な事に間寛平さんにも提供されています。

特に「大阪で生まれた男」は、PANTAもライブで歌ったりもしていました。

 

堀ちえみ「幼な馴染み」(詞、曲)

伊藤さやか「Aカップからのメッセージ」(曲)

岩崎良美「想い出RAINBOW」(詞、曲)

山口かおり「上級生」(詞、曲)

石川秀美「RULE」(詞、曲)

 

最後は、アイドルに提供した曲をまとめて。

堀ちえみさんの「幼な馴染み」は、ライブで歌えとやじられた事も

あったりしたそうです。そのエピソードをライブで話したとき、

アカペラでさわりの部分歌ったりとPANTAもお茶目な面もありました。

伊藤さやかさんは、PANTAのバンドでギターを弾いていた

菊池琢己さんがライブサポートをしていたのだとか。

岩崎良美さんは、「バカンス」が有名ですが、こちらもなかなか。

 

もちろんそれ以外にも紹介してきた沢田研二さんの「月の刃」とか

白竜の「pas de deux」といった名曲もありますね。

今後、未発表の曲がどれだけ世に出てくるか楽しみではあります。


NO.231 交響組曲 機動戦士ガンダムSEED

2024-02-02 00:56:12 | アニメ・サントラ系

最近公開された「機動戦士ガンダムSEED」の劇場版、

行こうかどうか迷っています。

SEEDは一応、全話には目を通していますが、

段々、ガンダムが殺戮兵器のように思えてきて、

う~ん、どうかなぁとは昔から思っていました。

話としては、アムロとシャアの物語の正当な後継作と思っていましたが、

それは「ユニコーン」の方じゃないかなと今は思っています。

 

とはいえ放送終了から20年近くなって、作られると言われ続けてきていた

劇場版が、今になって公開されるとは思いませんでした。

今回は以前のものとは変更されている部分があるとは聞いているので、

ネタバレには注意しています。さて落ち着いたら見るかな?どうしようかな?

 

「SEED」関連のサントラは持っていなくて、

ベスト盤をレンタルしたぐらいですね。それでも一つ持っているのが、

ロンドン交響楽団が参加した「交響組曲 機動戦士ガンダムSEED」です。

まぁ偶然見つけたものではありますが、

関わっているのが佐橋俊彦さんですので、これは迷わず購入しました。

 

佐橋さんは、特撮とか戦隊ものの音楽を手掛けてきた人ですが、

実は日本のプログレグループのKENSOのメンバーだった事もある人です。

まさかここまで出世するとは思いませんでした。

 

元々、オーケストラは得意としていたので、交響組曲になっても

違和感はあまり感じませんね。これはこれでいいかと。

 

 

意外にも、ガンダムにはバロックの要素があるのではと感じられて、

意表をついたアレンジになった曲も。「あんなに一緒だったのに」も

バロックになって違う表情を見せています。これはこれでありかなと。

SEEDの楽曲にも参加した梶浦由記さんの影響もあったのではないかと。

 

 

 

久しぶりに聴いてみましたが、サントラとはまた違った魅力を

改めて感じましたね。やっぱり、いいものはいいです。

 

余談ですが、佐橋さんが昔所属していたKENSOのライブも上げておきます。

KENSOを紹介するのは、まだかなり先の事になりそうですので。