月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.254 唐十郎「四角いジャングルで唄う」

2024-05-05 22:56:27 | 厳選ライブ盤

ゴールデンウィークが終わろうとしていた時に悲報が入りました。

寺山修司さんと並んでアングラ演劇の雄と言われた

唐十郎さんが亡くなりました。84歳でした。ご冥福をお祈りします。

劇作家で俳優の唐十郎さん死去 84歳 アングラ演劇で絶大な人気

 

自分的には、影響が大きかったのは寺山修司さんの方ですが、

唐さんも赤テントの「状況劇場」は独特な演劇でしたね。

また小説でも芥川賞を受賞したりと、色々な方面で才能を発揮していました。

奇しくも寺山さんと同じ日に亡くなったのは偶然なのか必然なのか。

 

舞台、作家だけでなく俳優としても活躍した唐さんですが、

数少ないながらも音源を残しています。

この「四角いジャングルで唄う」は、1973年に

当時のベルウッドの会員のみに販売されたとされています。

1973年2月8日に後楽園ホールにて行われた2時間ほどのリサイタルを

1時間弱に編集したものです。

注目すべきは、殆どの曲の作曲が小室等さんで、

この時も指揮をとっていたそうです。

唐十郎さん以外にも、四谷シモンさんや李礼仙さんといった

状況劇場のメンバーも歌っていますが、

唐さんのインパクトのあるボーカルは一聴の価値はあると思います。

 

「愛の床屋」という曲の歌詞に問題があり、

まともな販売はされていなかったのですが、近年、奇跡的にCD化されています。

当時の雰囲気を感じさせるものですね。

 

 

 


NO.253 加橋かつみ「パリ1969」

2024-05-04 00:50:07 | グループサウンズ&カルトGS

最近、ふとしたことでグループサウンズ関係の曲を聴いたりしました。

モップス、そしてタイガースの関連も。沢田研二さんもまだ現役でライブを

していますし、そういえばタイガースのメンバーも近年集まったなぁと。

そしてタイガースといえば、ジュリーと並んで人気があったのは、

トッポこと加橋かつみさんですね。派手ではないですが、その優しい歌声には、

ファンも魅了されたでしょう。

タイガース当時から、ビージーズの曲はよく歌っていたようで、

「ホリディ」とか得意だったようですね。

 

 

そして加橋さんのボーカルと言えば、最大のヒットとなった「花の首飾り」。

やはりこの曲は、加橋さんの歌声が一番しっくりくる感じですね。

 

 

加橋さんは、タイガースの人気絶頂期に失踪の形で脱退します。

そしてパリに渡り製作されたのが、この「パリ 1969」です。

ビートルズの「ホワイトアルバム」を思わせるような真っ白なジャケットが

印象的です。

タイガースの「ヒューマン・ルネッサンス」でもクラシカルなサウンドを

聴かせていますが、このアルバムでもオーケストラが取り入れられ、

アレンジは、ジャン・クロード・プチが担当しています。

シングルカットされた「花の世界」から、

タイガースとは違った世界を見せてくれますが、残念ながら、Youtubeには

上がっていなかったです。いい曲ですけどね。

「雨上がりと僕」、オーケストラとの相性がよい曲です。

 

 

また、カバー曲の「バイバイシティー」、珍しく少々ハードな歌い方ですね。

 

 

加橋さんは、このアルバム以外にも数枚ソロアルバムを出していますが、

いずれも現在入手困難です。自分は「パリ1969」しか持っていないので、

また再発してほしいですね。

 

そして最後に、80年代のタイガースの同窓会的復活の時の加橋さんによる、

「生きてることは素敵さ」という曲。

その時の新曲の中でも印象的だったのを覚えています。