サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

第90回ロシア語サロン報告 --ウクライナのお・も・て・な・し!

2013年11月21日 | ロシア語サロン
11月17日(日)午後2時から愛知民主会館のロシア語教室で第90回ロシア語サロンが開かれました。
ゲストはリジア・ダツェンコさんです。

リジアさんはウクライナ人でウクライナの東部、ポルタワ近郊のお生まれです。教育大学卒業後はずっと中学、高校
の教師をしてこられました。現在は高校の教頭先生でウクライナ語も教えておられるそうです。今回は日本に住んで
いる息子さんを訪ねての2回目の来日です。

リジアさんのお話によるとウクライナ人とロシア人には共通点がたくさんありますが、「おもてなし好き」もそのひとつ。
ある家庭の奥様のお誕生日のお祝いを例として ウクライナのおもてなしの様子をお話していただきました。

数日前から家の中や庭の大掃除。買い出しに行き、料理し、テーブルを整え、、夫も子供も大忙しです。
お誕生日当日には招待したお客様以外にも職場の上司や同僚などが お祝いにやってきます。

夕方お客様の顔がそろったら まずサラダ、ハム、チーズ、ハラジェッツ(豚肉のジェリーよせ)
魚料理などたくさんの前菜を並べて乾杯!
一杯目の乾杯の音頭を取るのは一家の主人で 乾杯はその日の主人公に捧げられます。最初の乾杯で
グラスに注がれた飲み物は必ず全部飲み乾さなくてはなりません。(飲めない人はソフトドリンクを)

2杯目の乾杯の音頭を取るのはお客側の人で この乾杯はこの家の人たちに捧げられます。
3杯目の乾杯は 必ず女性たちに捧げられ、この時男性は全員立って乾杯します。
ちょっと休憩してダンスしたり おしゃべりしたりした後はメインディッシュです。

伝統料理のじゃがいものピュレーにトマトソースと肉を添えたもの、メンチカツ、ロールキャベツ、
肉と野菜の蒸煮、ローストチキン、カツレツその他の肉料理。おくさんはここで料理の腕をふるい、
お客は全部を食べてみて、評価し彼女を褒めなければなりません。

こういうおつまみがあれば お酒は進みます。お料理にとても合うのが塩漬けのキュウリ、トマト、
キャベツ、ピーマンなどです。これらの食品は夏の間に奥さんが作って瓶詰にしておいた保存食です。
お誕生日が夏なら自分の畑でとれた野菜も出されます。

この後はダンスやおしゃべりや歌の時間です。
そして最後はデザート!フルーツやお菓子、コンポート、そして絶対に必要なのはケーキです!
以前は主婦が自分で焼いていましたが 今では店で買うようになりました。
デザートの間も乾杯は続き(もうありとあらゆることと人に乾杯を捧げてしまった後なのですが、、)
最後の最後は「馬に乾杯」です。なぜ 馬に乾杯するかと言いますと、、昔はおよばれして しっかり
飲んでしまったら 家に帰れるかどうかは馬だけが頼りだったからです。

「馬に乾杯」したらお開きのはずですが、楽しくて帰りたくないお客様たちは延々と
「馬に乾杯」し続けることもあるのだとか。

お料理はすべてその家の主婦のお手製であるのが「普通」なのだそうで、、このすごいおもてなしの
お話を聞いた参加者からはため息が。
「ウクライナの家庭におよばれしたいなあ」という声もあり、「主婦が大変すぎる~」と
同情する声もあり。



リジアさんは「たしかに準備も大変で疲れますが こうして親しい友人や親せきが集まって
いっしょにご馳走を食べたり おしゃべりしたりすることはウクライナ人の大きな楽しみ
です。招いたり招かれたりで親しくなれ、お互いを理解できるようになるし、また 人を招いて
家族の仲の良さやきちんと手入れの行き届いた家や料理を披露するという意味もあるのです。」
と語っておられました。

 リジアさんはイーゴリ・ダツェンコさんのお母様です。この日はお姉さんのユリアさんと
その娘のソフィアちゃん(11歳)も来てくださいました。


またこの日はウズベキスタンから二人のお客様がありました。ガニシェル・ナジーロフさんと
ディロラ・マンスロワさんです。お二人はリシュタンという町で日本語学校の運営に従事して
おられます。日本ユーラシア協会のロシア語講座で勉強された後、この学校でボランティアと
して日本語教師をしておられた羽根渕桂さんがお二人を連れてきてくださいました。



ティータイムには差し入れのケーキ2種類とみかんの他、ウズベキスタンの
レーズンとあんずも。



ナジーロフさんからはウズベキスタンの小さな町リシュタンにできた小さな日本語学校「NORIKO学級」について
紹介がありました。

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