我が家から国道97号線を10分ほど北上するとケロウナの隣町Lake Countryと呼ばれる地域に入ります。周辺に大小多くの湖が点在し、夏場の水上スポーツを初めとするアウトドア好きのメッカと銘打ち、人口1,000人から5,000人程度の四つの小さな町で構成されています。果樹栽培が盛んな土地で、カナダのりんご生産量の35%をここLake Countryが占めているとのことです。
Lake Countryの中心は一番大きなWinfieldという町で、ここには警察、郵便局のほかスーパーマーケットもあり、我が家からも一番近いので日常の食料品はここで買い求めています。Lake Countryの四つの町のなかで一番小さい、人口1000人程度の町(というより「集落」と言ったほうが適当ですが)の名前が「OYAMA」なのです。
日本の名前「大山」に似ていると思ったら、なんと「大山巌」の「大山」からつけた町の名前だというからビックリです。そうです、幕末の薩摩藩士、明治政府の元勲、初代陸軍大臣、西郷隆盛の従兄弟、山川捨松の旦那・・・・、あの大山巌さんです。
日本人にはおよそ縁の薄いと思われるケロウナと大山巌を結びつけるものは何なのか?興味が尽きません。野次馬探検隊の出番です。国道沿いのコーヒーショップで訊いたら、「どこそこに小さな資料館があるからOYAMAの歴史が分かるはず」とのご託宣。早速走り回ったものの、小さな「何でも屋」やAntiquesとは名ばかりのガラクタ屋はあるものの、それらしい資料館なんて見当たりません。あっという間に集落を通り過ぎてしまい、引き返そうかと思案していたら「Lake OYAMA Resort」の看板が目に入りました。集落の名前だけじゃなくて湖にまで大山巌の足跡があるのかと、いささか興奮気味に一路リゾートを目指し、わが愛車サイドキックちゃんに直行を指示したこと言うまでもありません。
Not recommendable for general vehicles. Drive at your own risk. との表示にビビリながら、舗装されていない山道をサイドキックの四駆を文字通り駆使して走ることおよそ30分。たどり着いた入り口にCongratulations! You've made it! Welcome to Lake OYAMA Resort!となんとも大袈裟な看板がかかっています。道中の難儀を慰労した看板をサイドキックちゃんが読めないのが不憫でした。
山奥に静かに横たわるLake OYAMA。はるか対岸に釣りをするボートの影が小さく見える以外は静まり返った、のどかで平和なたたずまいです。ロッジを管理する人にOYAMAの由来を訊いても「???」。ここまで来ても大山巌も大山捨松の影も形も全く見えてきません。
今日のところは「OYAMA」が「大山巌」に由来することだけを確認して、更なる探検は後日の第二次探検に委ねることにして帰路につきました。今日の殊勲車、埃まみれのサイドキックちゃんを褒美に綺麗に洗ってあげたことでした。