星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(87) ほんまもん日本食レストラン

2008年10月04日 03時06分10秒 | Weblog
ケロウナの観光協会が発行する2008年版ガイドブックによれば、ケロウナには9軒の日本食レストラン、寿司バーがあります。外国人受けを狙った「フジヤマ・ゲイシャ」風の名前をつけた店が少ないので、てっきり日本人の経営かと思っていたら、中国、韓国、ベトナムその他アジア系のオウナーシェフが切り盛りするレストランばかりのようです。

寿司、刺身など魚介類の生の自然食材を多用することから、ヘルシーフードの代名詞のように評価されるJapanese foods。健康志向、ダイエット志向のカナダ人の間でも、日本食をたしなむことがインテリ層のある種のステイタス・シンボルとして受け入れられてきていることが背景にあっての日本食ブームなのでしょう。

日本人の間で「あそこが一番まとも」と評されていたレストランに3年前に一度入り、生姜の香りのまったくしない生姜焼き定食に懲りてからは、二度と足を運んだことがありません。他は推して知るべしと、その後は他の一軒も試してすらいません。Tempura, Teriyaki, Sukiyaki, Sushiが売り物のJapanese Restaurantはあっても、日本人の舌に合う本物の日本食レストランは見当たらなかったのです。

「日本の味」にこだわる日本人が少ないケロウナではやむをえないことと諦めていましたが、ついにケロウナにも「日本人の、日本人による、日本人のための」ほんまもんの、10軒目の日本食レストランが誕生しました!

オウナーシェフを初めとして、キッチンスタッフも接客のフロアスタッフも全員が日本人(正確には日系カナダ人を含む)、店の名前もフジヤマ・ゲイシャの対極を行く「ワサビ(WASABI)」。日本食通を自負するカナダ人のプライドをくすぐる一方で、普通のカナダ人にはチンプンカンプンのネーミングがなんともビミョーです。

他のJapanese Restaurantとは一線を画して、WASABIは若いオウナーの感性で「居酒屋風創作和食」を目指す独自路線を走り出しました。居酒屋系だけに、酒との相性を配慮してか、味がやや濃い目かなとの印象を持ちましたが、正真正銘のホンマモン和食店です。「似非和食」に染まったカナダ人の好みをどこまで引きつけられるか、徐々に増えつつある日本人旅行者、留学生をどこまでリピーターとして取り込めるか、課題山積ですが、なんとも頼もしい、前途洋洋たるWASABIの成長が楽しみです。

因みに、私のゴルフの師匠にしてスキーの同期生、Kちゃんの息子J君がオウナーシェフだからというのでエールを贈っているわけではありません。どれを食べても実に美味なのです。「焼きうどん」「鶏からあげ丼」「たこやき」が秀逸です。

そういえば、私のスキーとアウトドアの師匠でもある豆腐屋のHさんも、ケロウナから50キロ北にあるバーノンで、ほんまもんの和食レストラン「まほろば」の経営を昨年から始めましたので、オカナガンでの日本食事情は大幅に改善されたことになりますね。

WASABIにラーメンと揚げ出し豆腐(もちろんHさん製)でも食べに行って来ようかな!