お隣りのイタリアさんから貰い受けるとき「ガスボンベはほとんど空だから」と言われていたので新しいプロパンガスボンベは2本しっかりと買っておきました。
取扱説明書も何もありません。イタリアさんにしてみれば全て分かっているだろうから何の説明も要らないと思ったのでしょう。特に引継ぎもなくカルガリーに戻って行きました。その昔、サンフランシスコに住んでいた時のBBQセットはチャコール(豆炭)にパラフィンをかけて着火させ、後始末も大変だった記憶がありますが、このセットは小さなカセットボンベを交換するだけだから至って簡単です。いや、まだ確証はありませんが、そのはずです。
いずれBBQ奉行、特に火の番は私の仕事になるのは当地の法律に照らして明らかだからと、暇を見て器具本体の接合部分をじっくりと眺めてボンベ交換の仕方を勉強しました。
日本で使っていた卓上ガスコンロのガスボンベより姿形がしっかりしていて、本体との結合部分が金具でしっかりと固定されているようです。問題はこの結合部分をどうやって開閉するのかです。私は結合部分にある「金色の穴」をドライバー状の道具で開閉するものと結論づけ、うちにあるドライバーをすべて試しましたが、どうもサイズが小さすぎて合いません。BBQセットの備品としてあった道具をイタリアさんが引継ぎ忘れしたに違いなく、そのうち機会を見つけて買いに行くつもりでした。
東京からのお客さんのケアでバタバタしているうちに道具の買い出しを失念したまま、いよいよBBQ本番を迎えてしまったBBQ奉行としては、今日いっぱいは古いボンベの残りのガスで乗り越えられることを祈るような気持ちで着火させたものです。
キッチンではカミさんが思いっきり気合入れて、野菜、タラバガニ、極厚のビーフに下味の調味料を仕込み、テーブルセッティングも終了していて、あとはグリルに火をつけて奉行の仕事の成り行きに任せるばかりになっています。
グリルの点火方法はイタリアさんから教わっていますので無難にスタート。ピーマンやらアスパラガス、皮付きのコーンが順調に焼け初めて出足は絶好調です。遠来のお客さんだからと気張って買ってきた大型タラバガニの足をグリルに乗せる頃になると、あろうことか、グリルから出るガスの炎に力強さが段々なくなり、人の気持ちも全く無視して、そのうちに炎が段々小さくなり、とうとうご臨終を迎えて、うんともすんとも応えてくれなくなりました。想定内といえば想定内ですが、工具を買っておかなかった奉行としては、最大のピンチに頭の中は真っ白です。
近所の顔見知りのオッサンに工具を借りに行くか、見ず知らずの隣人に恥をしのんで頼んでボンベの交換をしてもらうかしか道は残されておりません。
焼きあがるのを家の中で待っているカミさんには、この窮状を今更言えず途方に暮れながらもう一度ボンベを手にとって、結合部分を何気なくひねってみたら・・・・、あれれ・・・結合部分に頭を突っ込んでいたボンベの本体が回りだしました。あれれ・・・???
何のことはない、グリル本体の結合部分にボンベの先をねじ込むだけなのでした。考えて見れば、当たり前といえば当たり前ですよね。物事を難しく難しく考えるインテリの弱さが出てしまったのです。物事の本質をシンプルに捉えて、シンプルに対応する。シンプル・イズ・ベストの基本の基本を思い知らされました。
これですっかり自信を取り戻したお奉行さん、あとの裁きは極めてスムーズに運んだことは言うまでもありません。 ただ、遠来のお客さんにこの醜態を目撃されてしまって、一緒に悩んでもらってしまったのだけが心残りでした。
取扱説明書も何もありません。イタリアさんにしてみれば全て分かっているだろうから何の説明も要らないと思ったのでしょう。特に引継ぎもなくカルガリーに戻って行きました。その昔、サンフランシスコに住んでいた時のBBQセットはチャコール(豆炭)にパラフィンをかけて着火させ、後始末も大変だった記憶がありますが、このセットは小さなカセットボンベを交換するだけだから至って簡単です。いや、まだ確証はありませんが、そのはずです。
いずれBBQ奉行、特に火の番は私の仕事になるのは当地の法律に照らして明らかだからと、暇を見て器具本体の接合部分をじっくりと眺めてボンベ交換の仕方を勉強しました。
日本で使っていた卓上ガスコンロのガスボンベより姿形がしっかりしていて、本体との結合部分が金具でしっかりと固定されているようです。問題はこの結合部分をどうやって開閉するのかです。私は結合部分にある「金色の穴」をドライバー状の道具で開閉するものと結論づけ、うちにあるドライバーをすべて試しましたが、どうもサイズが小さすぎて合いません。BBQセットの備品としてあった道具をイタリアさんが引継ぎ忘れしたに違いなく、そのうち機会を見つけて買いに行くつもりでした。
東京からのお客さんのケアでバタバタしているうちに道具の買い出しを失念したまま、いよいよBBQ本番を迎えてしまったBBQ奉行としては、今日いっぱいは古いボンベの残りのガスで乗り越えられることを祈るような気持ちで着火させたものです。
キッチンではカミさんが思いっきり気合入れて、野菜、タラバガニ、極厚のビーフに下味の調味料を仕込み、テーブルセッティングも終了していて、あとはグリルに火をつけて奉行の仕事の成り行きに任せるばかりになっています。
グリルの点火方法はイタリアさんから教わっていますので無難にスタート。ピーマンやらアスパラガス、皮付きのコーンが順調に焼け初めて出足は絶好調です。遠来のお客さんだからと気張って買ってきた大型タラバガニの足をグリルに乗せる頃になると、あろうことか、グリルから出るガスの炎に力強さが段々なくなり、人の気持ちも全く無視して、そのうちに炎が段々小さくなり、とうとうご臨終を迎えて、うんともすんとも応えてくれなくなりました。想定内といえば想定内ですが、工具を買っておかなかった奉行としては、最大のピンチに頭の中は真っ白です。
近所の顔見知りのオッサンに工具を借りに行くか、見ず知らずの隣人に恥をしのんで頼んでボンベの交換をしてもらうかしか道は残されておりません。
焼きあがるのを家の中で待っているカミさんには、この窮状を今更言えず途方に暮れながらもう一度ボンベを手にとって、結合部分を何気なくひねってみたら・・・・、あれれ・・・結合部分に頭を突っ込んでいたボンベの本体が回りだしました。あれれ・・・???
何のことはない、グリル本体の結合部分にボンベの先をねじ込むだけなのでした。考えて見れば、当たり前といえば当たり前ですよね。物事を難しく難しく考えるインテリの弱さが出てしまったのです。物事の本質をシンプルに捉えて、シンプルに対応する。シンプル・イズ・ベストの基本の基本を思い知らされました。
これですっかり自信を取り戻したお奉行さん、あとの裁きは極めてスムーズに運んだことは言うまでもありません。 ただ、遠来のお客さんにこの醜態を目撃されてしまって、一緒に悩んでもらってしまったのだけが心残りでした。