星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(161)卒業温泉旅行(4)

2017年08月14日 10時47分41秒 | Weblog
Kootenay Rockiesに沿って南北に走る温泉街道の北端にあるRadium Hot Springsという街は知っていました。カナディアンロッキーの観光基地バンフから一時間半に位置するため観光客でごった返す、いわゆる「俗化」されすぎた温泉として、自分では敬遠し続けてきたし、今回の卒業旅行でも素通りするつもりでした。いわば食わず嫌い、温泉だから「入らず嫌い」とでも言うべきでしょうか。

ただ、ラジウム温泉という名前が気にかかります。天下の名泉・別府八湯には地球上のあらゆる種類の温泉があるが放射能泉だけは湧出していません。別府ですら体験できない放射能泉なら話のタネに入っておこうとばかりに、素通りせずに立ち寄ることに方針変更です。

温泉施設が公表する温泉分析表には硫酸塩、炭酸水素塩、カルシウムを多量に含むがラドンまたはラジウムの含有が記されていません。1914年に実施されたMcGuill大学による分析調査の際に微量のラドンが検出され、その量が英国の有名な温泉Bathをしのいでいたため、町興しの目玉としてRadium Hot Springと命名したとのことでした。



子供たちの歓声が響き渡る29度の温水プールとは違って、44度の源泉から39度に下げて注がれる温泉プールは、周囲の自然にも溶け込んだ、なかなかのものでした。カルキの匂いに負けない温泉らしい鉱物の香りも主張されていて、「寄ってよかった」と思わせる名泉と言っておきましょう。

これで温泉街道のメジャーな温泉は完全走破です。ケロウナまでの距離は約500キロ。真っ直ぐ帰ることも可能でしたが、ガツガツしない卒業旅行なので、松茸狩りで何度もお世話になったRevelstokeに挨拶がてら一泊することにしました。リタイアした夫婦が営むBB(Bed and Breakfast)はピークシーズンでもあるので超満員。カナダ人老夫婦、ドイツからのカップル、ベルギー人の夫婦を含めて客を取りすぎてオーバーセールとのこと。





この街はMt. Revlestoke National Parkを擁するKootenay Rockiesへの玄関口として堂々たる存在感を示す、アウトドア派特にスキーヤーには垂涎の的ですが、松茸派の我々には単なる通過地点でしかありませんでした。

ケロウナから200キロ弱にありながら山頂に万年雪を湛える、いかにもカナダっぽい景観を呈する落ち着いた佇まいの好感度の高い街で、10年前に友達のHさん家族と一緒に行ったハイキングの思い出が詰まった街でもあります。

こうして三泊四日のケロウナ卒業旅行も無事に終幕を迎え、明日は200キロの帰路をのんびり、ゆっくり走って、途中のVernonでHさんの営む日本食レストランで待望久しい本格的「冷奴を」ご馳走になって1300キロのドライブも無事大団円を迎えます。

長々とお付き合い頂き、有難うございました。