
山田洋次監督の新作「小さいおうち」の原作を読みました。映画も観に行きたくなりました。
あの時代は誰もが、何かしら不本意な選択を強いられた・・・
「強いられてする人もいれば、自ら望んだ人もいて、それが不本意だったことすらも、長い時間を経なければわからない。・・・」
【原作者の中島京子さんのインタビュー記事から 2014/2/8 】
――戦争がいかにして、ふつうの人々の生活に忍び込んでいくのかを描いたものだが、ゾッとするのは今の時代との類似点だ。ちょうど、幻に終わった昭和15年の東京五輪が決まった頃で、人々は五輪招致と好景気に浮かれている。・・・
「今の空気に似ていて本当に怖くなる」
――小さなおうちに戦争の影が忍び込んでいく。ついにはおうちは焼けてしまう。驚くのは本当に戦争が悲惨になるまで、ふつうの人々に悲愴(ひそう)感がないことですね。裏を返すと、人々が気づかないうちに、戦争が泥沼化し、気がついたら後戻りがきかなくなった。戦争って、そんなふうに始まるんですね。
この小説は2008年に書かれています。