毎年11月になって思うことがある。クリスマスに関係する街の飾りをみると、なんだか11月がかわいそう。クリスマス商戦に煽られるように11月という月がただ12月のクリスマスに向かって走り出す月のようになっている。
11月は秋が深くなり、日差しや風の冷たさや季節の移ろいを静かに感じていたい月。 最近のクリスマス商戦にはいささか気が早いと感じざるを得ない。イルミネーションも楽しいものではあるが、季節を感じ心を動かす日本人の性質なるものは失いたくないもの。せめて、12月から勝負していただけませんか?と言いたい。
「白玉の 歯にしみとおる 秋の夜の
酒は静かに 飲むべかりけり」
終てなむ国ぞ 今日も旅ゆく」
私の好きな歌人、酒を愛し、旅を愛した 若山牧水(宮崎県出身)の歌。
季節感の薄いと言われる沖縄でも、一雨ごとにいよいよ秋は深まっていく。秋冷の過ごしやすい季節の中で、森の散策や読書を楽しもう。