先手の升田先生の手を考えます。
第1問
先手が苦しくなっていますが、升田先生らしい手です。
A 85桂 B 82角 C 96角
第2問
重要な利かしです。
A 64歩 B 44歩 C 63桂成
第3問
考えずに受けてしまいそうなところですが。
A 58銀打 B 64銀 C 76銀
第4問
ここは簡単でしょう、この一手。
A 46角 B 39金打 C 22成桂
第5問
即詰みです。
先手の升田先生の手を考えます。
第1問
先手が苦しくなっていますが、升田先生らしい手です。
A 85桂 B 82角 C 96角
第2問
重要な利かしです。
A 64歩 B 44歩 C 63桂成
第3問
考えずに受けてしまいそうなところですが。
A 58銀打 B 64銀 C 76銀
第4問
ここは簡単でしょう、この一手。
A 46角 B 39金打 C 22成桂
第5問
即詰みです。
今日の棋譜20220701
1936年10月、島村増喜先生と東京中外新報(正しくは東京が付かないようで、日経新聞の前身)、これは「全四段登龍戦」として、東西の四段を集めて、五段昇段(3名)をかけての(予選あり)リーグ戦だったそうです。島村先生は関東の先生でしょうが、Webにも情報がないです。
升田先生の四間飛車です。この当時は香落ちも多いので振り飛車に違和感はないのでしょうが、先手番では消極的だとされていました。
島村先生の33角は珍しい手です。現代ならばミレニアムかなと思うところ、その60年は前の話です。
56歩42角。引き角でした。ここは単に67銀と受けるものなのですが、
65歩22銀67銀。65歩を突いたのが升田先生の失敗です。
73桂に66銀だと86歩同歩同角88飛77角成82飛成66馬で後手有利。もうこの攻め筋が(関東では)知られていたということなのでしょう。升田先生は気が付いて78銀と引きますが、
86歩は取れずに67飛。苦しい受け方です。
87歩成同銀を同飛成22角成同玉87飛と進めば先手有利ですが、後手は33角。その前に65桂66角を利かされるのも困っていました。
86歩77角成同桂88角。先手からの攻め筋が少なく、後手はゆっくりした角の打ち込みが間に合います。
98香79角成、後手の駒得です。88馬や46馬が見えています。
75歩同歩64歩。後手からの筋は76歩ですが、63歩成同銀64歩を利かされるのも嫌なので、64同歩同飛76歩同銀86飛で後手有利、
ですが島村先生は84飛でした。63歩成同銀74歩
74同飛96角85歩。升田先生らしい自陣角でしたが、左翼の駒をさばききれるのか?
85同桂64歩73桂成、とりあえず桂はさばけました。
73同飛74歩83飛77飛、次は飛のさばきです。
46馬47銀35馬75飛
62馬78飛。66桂75桂の打ち合いになれば戦うしかありません。
75歩67桂
84飛75飛72歩38金。形勢の良い島田先生が無理をせずにまとめたという展開です。馬と角、銀と銀の働きが違います。
95歩85角93桂、(桂は打ったので)筋は悪いですが、
76角74銀45飛33桂、飛を追って
46飛65銀同角同歩、後手の駒得が広がりました。
75銀94飛96歩。これは飛を逃げるところを間違ったかな。縦に逃げれば問題なかったし、逃げずに66歩だってあり得ました。
55歩64歩、後手の飛が捕まりそうです。形勢は接近しています。
66歩55桂54角。銀取りですが
95歩67歩成同金87角成94歩と取り合います。これは43の地点が不気味で
45銀同飛同桂。45銀では35銀とした方が少し得でしたが、後手に余裕がなくなっているのでしょう。
63歩成同金44歩。先手ペースになってきました。44同馬は金を取られるし、44同歩は気持ちが悪い。
53金63歩52馬71飛
69飛に64銀は升田先生の強手。64同金には43歩成の前に62歩成が入ります。
67飛成53銀成同馬43歩成。後手の竜や馬2枚も働いているので簡単ではなかったのですが、
馬1枚は剥がして44歩
44同馬21銀42玉に75角は攻防です。(21銀のところで21角42玉43金の攻めも見えましたが。)
64歩62歩成。62同馬には43歩があります。
51歩72竜71歩73竜
57桂成51と同金43歩。島村先生としては57桂成のところでなにか受けておけば。また、この歩は同馬のほうがまだしも。先手は57角同竜55桂か、43竜同玉を入れて55桂かで悩んでまぎれたかもしれません。
33玉57角同竜36桂で詰めろ。
53歩44桂48金と迫って詰めろで返します。
でも32桂成24玉46角。竜を消されると先手玉への攻めが遠くなるのです。
46同竜同銀38金同玉58角、これは詰めろ逃れの詰めろです。互いに攻防の手がいっぱい出てきましたが、
升田先生は28玉48銀38金と受けます。これで後手からの詰めろは難しくて
47金と打つのはまあ仕方ないのですが、58角の利きが止まりました。持ち駒の金が減って飛金になりましたが25金
13玉14金同玉15歩24玉25飛、この合駒請求があって、後手が何を合駒しても(駒柱ですね)
25桂同飛まで。25同玉26歩同玉27金25玉26ぐ24玉36桂13玉14歩で詰みます。
関東の研究、関西の力戦という傾向は平成の中ごろまでは当たり前にありました。情報量や棋士の数の影響です。島村先生の研究が実って有利になり、逆転しないように慎重に指していたのですが、84手目84飛の辺りでおかしくしています。有利な時に安全策を取っていても、どこかで踏み切らないと勝てないのですよね。終盤後半は互角のようですが、振り飛車玉の深さが生きました。好局です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.50 棋譜ファイル ----
開始日時:1936/10/08(木) 00:00:00
終了日時:1936/10/08(木) 00:00:00
棋戦:東京中外新報
戦型:四間飛車
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:島村増喜
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八飛(28)
10 5四歩(53)
11 4八玉(59)
12 4二玉(51)
13 3八玉(48)
14 3二玉(42)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 9四歩(93)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 5八金(69)
22 5二金(61)
23 4六歩(47)
24 3三角(22)
25 5六歩(57)
26 4二角(33)
27 6五歩(66)
28 2二銀(31)
29 6七銀(78)
30 7三桂(81)
31 7八銀(67)
32 8六歩(85)
33 6七飛(68)
34 8七歩成(86)
35 同 銀(78)
36 3三角(42)
37 8六歩打
38 7七角成(33)
39 同 桂(89)
40 8八角打
41 9八香(99)
42 7九角成(88)
43 7五歩(76)
44 同 歩(74)
45 6四歩(65)
46 8四飛(82)
47 6三歩成(64)
48 同 銀(62)
49 7四歩打
50 同 飛(84)
51 9六角打
52 8五歩打
53 同 桂(77)
54 6四歩打
55 7三桂成(85)
56 同 飛(74)
57 7四歩打
58 8三飛(73)
59 7七飛(67)
60 4六馬(79)
61 4七銀(38)
62 3五馬(46)
63 7五飛(77)
64 6二馬(35)
65 7八飛(75)
66 7五歩打
67 6七桂打
68 8四飛(83)
69 7五飛(78)
70 7二歩打
71 3八金(49)
72 9五歩(94)
73 8五角(96)
74 9三桂打
75 7六角(85)
76 7四銀(63)
77 4五飛(75)
78 3三桂(21)
79 4六飛(45)
80 6五銀(74)
81 同 角(76)
82 同 歩(64)
83 7五銀打
84 9四飛(84)
85 9六歩(97)
86 5五歩(54)
87 6四歩打
88 6六歩(65)
89 5五桂(67)
90 5四角打
91 9五歩(96)
92 6七歩成(66)
93 同 金(58)
94 8七角成(54)
95 9四歩(95)
96 4五銀打
97 同 飛(46)
98 同 桂(33)
99 6三歩成(64)
100 同 金(52)
101 4四歩打
102 5三金(63)
103 6三歩打
104 5二馬(62)
105 7一飛打
106 6九飛打
107 6四銀(75)
108 6七飛成(69)
109 5三銀成(64)
110 同 馬(52)
111 4三歩成(44)
112 同 馬(87)
113 同 桂成(55)
114 同 馬(53)
115 4四歩打
116 同 馬(43)
117 2一銀打
118 4二玉(32)
119 7五角打
120 6四歩打
121 6二歩成(63)
122 5一歩打
123 7二飛成(71)
124 7一歩打
125 7三龍(72)
126 5七桂成(45)
127 5一と(62)
128 同 金(41)
129 4三歩打
130 3三玉(42)
131 5七角(75)
132 同 龍(67)
133 3六桂打
134 5三歩打
135 4四桂(36)
136 4八金打
137 3二桂成(44)
138 2四玉(33)
139 4六角打
140 同 龍(57)
141 同 銀(47)
142 3八金(48)
143 同 玉(28)
144 5八角打
145 2八玉(38)
146 4八銀打
147 3八金打
148 4七金打
149 2五金打
150 1三玉(24)
151 1四金(25)
152 同 玉(13)
153 1五歩(16)
154 2四玉(14)
155 2六飛打
156 2五桂打
157 同 飛(26)
158 投了
まで157手で先手の勝ち