名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

升田将棋問題集20220702

2022-07-02 | 升田将棋研究

先手の升田先生の手を考えます。

第1問

 

この手で先手の構想がわかります。

A 36歩  B 75歩  C 46歩

 

第2問

 

棒金は怖くないです。

A 74歩  B 65歩  C 56歩

 

第3問

 

まずは飛を逃げてから、ではないです。瞬間は角得なのです。

A 53金  B 65桂  C 27角

 

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升田将棋研究(30);ひねり飛車(松下力)

2022-07-02 | 升田将棋研究

今日の棋譜20220702

1936年11月、松下力先生と東京中外新報(新鋭登竜戦)です。

松下先生の「横歩取らせ」です。角田升田戦で角田先生は取らなかったので、プロは取らないとされていた時代かと思っていたのですが、

升田先生は気合で横歩を取りました。松下先生は88角成同銀25角を選ばずに、41玉とおとなしく指しています。(41玉や42玉はあり得るけれど、62銀は22角成や32飛成で終わる。) 今なら角が向かい合ったままに相掛りとして進行しそうですが、

升田先生は77角62銀38銀と構えます。ここからの構想は予備知識が無いと思いつかないでしょう。きんとうん戦法を知っていれば簡単かも。

ひねり飛車にするのです。きんとうん戦法は25歩と伸ばしたままですから、2歩持っている形のほうがはるかに得です。(手数はかかっています。) ひねり飛車戦法は江戸時代後期からあったとか。

86歩同歩同飛の構想ではなくて、金は右に移動しています。通常よりも手数がかかっているわけですが、松下先生は中央位取りにしているので、ゆっくりした展開で進んでいます。

とりあえずの駒組はここまで。先手は左の金銀を使いたいし、後手は玉をどう囲うか。

56歩同歩同金55歩46金。升田先生は玉を固めるのではなくて、金を前に出ます。36歩~35金~37桂まで考えているのかも。松下先生は玉を囲う余裕が無いと見て

83金28玉95歩同歩84金。棒金に出ます。でも玉が薄いのでまず無理ですよね。

6筋が手厚くないので、65歩同歩64歩。52銀と引けば、56歩同歩55歩同銀45金22角54金と攻められそうです。

64同銀74歩63銀。今にもつぶれそうですが。

45金ん74歩44金。角金交換で耐えようというのですが、44同歩は71角42飛64角同銀53銀と攻められても困ります。

75歩46飛を利かそうとしたら27角。いかにも升田先生の好きそうな手です。瞬間は角得ですし、飛を取られても97角が働けば問題ないです。

83飛の受けには、あっさり63角成同飛54金。銀得で金を逃げました。

83飛46飛53銀。64銀の処置も困っていたので、この53銀も仕方のないところか。

並は43金ですが、升田先生は43飛成同金同金。金銀3枚の攻めですが、2段目に飛を受けられたら65桂が利くので、攻めは切れないのです。

52角には42銀

42同銀に32金から追いかけて大きな駒得に戻ります。

61角73玉65桂74玉83角成まで。

 

横歩取り(取らせのほう)といえば木村義雄先生ですが、まだ名人になる前の時代ですから、もちろん一般的ではないはず。横歩取りは損だと思われていたのだと思います。それと77金からのひねり飛車を組み合わせるとは。後手がのんびり指していたせいではあるのですが(中央位取りは良い戦法だと思われていました)、かなり現代的な構想が成功しました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.50 棋譜ファイル ----
開始日時:1936/11/00( ) 00:00:00
棋戦:東京中外新報
戦型:横歩取り
手合割:平手  
先手:升田幸三
後手:松下 力
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 3四歩(33)  
   3 2六歩(27)  
   4 8四歩(83)  
   5 2五歩(26)  
   6 8五歩(84)  
   7 7八金(69)  
   8 3二金(41)  
   9 2四歩(25)  
  10 同 歩(23)  
  11 同 飛(28)  
  12 2三歩打    
  13 3四飛(24)  
  14 4一玉(51)  
  15 7七金(78)  
  16 6二銀(71)  
  17 3八銀(39)  
  18 4四角(22)  
  19 7五歩(76)  
  20 5四歩(53)  
  21 3六飛(34)  
  22 6四歩(63)  
  23 4八玉(59)  
  24 6三銀(62)  
  25 7六飛(36)  
  26 4二銀(31)  
  27 9六歩(97)  
  28 5五歩(54)  
  29 3九玉(48)  
  30 5三銀(42)  
  31 6六歩(67)  
  32 5四銀(53)  
  33 6七金(77)  
  34 1四歩(13)  
  35 7七桂(89)  
  36 9四歩(93)  
  37 6八銀(79)  
  38 1五歩(14)  
  39 9七角(88)  
  40 7二金(61)  
  41 5六歩(57)  
  42 同 歩(55)  
  43 同 金(67)  
  44 5五歩打    
  45 4六金(56)  
  46 8三金(72)  
  47 2八玉(39)  
  48 9五歩(94)  
  49 同 歩(96)  
  50 8四金(83)  
  51 6五歩(66)  
  52 同 歩(64)  
  53 6四歩打    
  54 同 銀(63)  
  55 7四歩(75)  
  56 6三銀(54)  
  57 4五金(46)  
  58 7四歩(73)  
  59 4四金(45)  
  60 7五歩(74)  
  61 2七角打    
  62 8三飛(82)  
  63 6三角成(27)
  64 同 飛(83)  
  65 5四金(44)  
  66 8三飛(63)  
  67 4六飛(76)  
  68 5三銀(64)  
  69 4三飛成(46)
  70 同 金(32)  
  71 同 金(54)  
  72 5二角打    
  73 4二銀打    
  74 同 銀(53)  
  75 3二金打    
  76 5一玉(41)  
  77 4二金(32)  
  78 6二玉(51)  
  79 5二金(42)  
  80 7二玉(62)  
  81 6一角打    
  82 7三玉(72)  
  83 6五桂(77)  
  84 7四玉(73)  
  85 8三角成(61)
  86 投了        
まで85手で先手の勝ち

 

 

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