負けましたが、上手の升田先生の手を考えます。
第1問
下手の37角も良い構想ですが、好手で返します。
A 86歩 B 46桂 C 64桂
第2問
この手(と3手目)はびっくりします。
A 85歩 B 75歩 C 65歩
第3問
下手の65桂は攻防でした。
A 67銀成 B 42歩 C 21玉
第4問
言われたらわかるのですが、即詰みがあります。
第5問
即詰みを逃して別の筋で詰めろをかけました。下手を持って、長い即詰みがあります。
負けましたが、上手の升田先生の手を考えます。
第1問
下手の37角も良い構想ですが、好手で返します。
A 86歩 B 46桂 C 64桂
第2問
この手(と3手目)はびっくりします。
A 85歩 B 75歩 C 65歩
第3問
下手の65桂は攻防でした。
A 67銀成 B 42歩 C 21玉
第4問
言われたらわかるのですが、即詰みがあります。
第5問
即詰みを逃して別の筋で詰めろをかけました。下手を持って、長い即詰みがあります。
今日の棋譜20220727
1939年7月、大山康晴先生と木見会です。データはその他の棋戦ではなくて席上対局になっていますが、大山全集には自戦記があり、木見一門会だと。5連勝して兄弟子に胸を借りたという形です。角落ちでは下手が厳しいだろうと言われていたとか。升田六段、大山二段です。
大山先生は矢倉定跡を選びます。
升田先生は棒金から
7筋の歩を交換します。上手は5~7筋の歩をいくつか交換して待つのが普通です。
大山先生は9筋を受けずに玉を入城します。
この時代には47銀37桂の形が定跡化されていたようです。江戸時代、天野宗歩先生のころにはありませんでした。平手の相矢倉でこの形が出てくるのはいつでしょうか。
下手の攻めは35歩同歩45歩。歩の突き捨ては4筋が先もあったでしょう。上手は45同桂の変化。
45同桂同歩35角34歩。角を引くのは、目標物があるほうが良いので右に引く方が正しいはずです。17もありそうですし、あえて左に引いても悪いわけでもないですが、
26角は常識的です。飛先が止まるのが気に入りませんが。さて升田先生は65歩の攻め合いです。受けきりにはできませんから。
37角に64桂。変わった感じがしますが、良い手に見えます。
65歩同桂66桂。大山先生の66桂のほうが違和感があります。でも74金を移動させて
84金55歩は働いた感じです。どこかで77銀を取られるのが気に入りませんが。
55同歩54歩44銀46歩。46同歩同銀45歩55銀と進めば成功です。下手が悪くはないはず。
77桂成同桂86歩同歩87歩。角落ちの矢倉定跡は、上手に玉頭から攻められるので勝ちにくいと思います。応対を間違えないだけの棋力があれば良いのですが。
87同金85歩同歩65歩。升田先生の技が冴えています。65同桂86歩同金85金は上手よしでしょう。
84歩66歩同金、ちょっと損をしたようでも
86歩同金74桂。受けのない両取りがあって、上手有利でもおかしくないです。
45歩56桂
44歩同金53歩成78銀。78同飛と取って勝てるのは強い下手です。
大山先生は65桂と跳ねた、とん死筋を減らそうということだったでしょうか。33歩同銀43金と攻めることもできるので攻防の手です。対して升田先生は21玉の早逃げ。
33歩12玉。秘術を尽くした攻防です。角落ちの差は残っているので下手が厚いかな。
32歩成同飛68歩。大山先生は攻め将棋だったけれど、升田先生の影響で受け将棋に変わっていったとか。67銀成を防ぎ、ずいぶん受けやすくなったでしょう。77玉~66玉のルートもありますし。
72飛に77玉は予定通り。
87金同金同銀成。ここでの応手が問題で、66玉か67玉と逃げておくのが正しいのです。
87同玉86歩
77玉76飛67玉までは必然でしたが、升田先生は45金で詰めろ。この局面に見覚えがあります。何かの観戦記(物語)で見たのだと思います。大山全集の自戦記には言及がありませんが、45金では77飛成同玉76金から詰んでいました。升田先生は勝ちが見えると気が抜けてうっかり、という後年のパターンがあり、その始まりだったのです。体力が無いとままあることですが、若いころには珍しかったはず。相手が・・・という運命論のようなものがあります。
さて後手玉が詰むかどうかです。23飛成から入るほうがやさしかったようですが、
21銀同玉32金同玉33歩。銀金2枚を捨てるのが心細いですが、33同玉は43金、33同銀は21銀から。
21玉32銀12玉23銀成
23同銀同飛成同玉32銀
24玉25歩同玉26歩24玉23金35玉27桂まで。
下手の完勝と言いたいところですが、上手もうまく指していて一手違いです。大山先生がとん死を逃れていたとして、どう指すかというのも簡単ではないでしょう。好局でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1939/07/00( ) 00:00:00
棋戦:席上対局
手合割:角落ち
下手:大山康晴
上手:升田幸三
手数----指手--
1 8四歩(83)
2 7六歩(77)
3 8五歩(84)
4 7七角(88)
5 6二銀(71)
6 7八銀(79)
7 5四歩(53)
8 5六歩(57)
9 6四歩(63)
10 6六歩(67)
11 7二金(61)
12 5八金(49)
13 9四歩(93)
14 6七金(58)
15 7四歩(73)
16 6八角(77)
17 5三銀(62)
18 7七銀(78)
19 4四歩(43)
20 4六歩(47)
21 4二玉(51)
22 7八金(69)
23 3二玉(42)
24 4八銀(39)
25 1四歩(13)
26 1六歩(17)
27 4二金(41)
28 2六歩(27)
29 7三金(72)
30 2五歩(26)
31 8四金(73)
32 6九玉(59)
33 7五歩(74)
34 同 歩(76)
35 同 金(84)
36 7六歩打
37 7四金(75)
38 2四歩(25)
39 同 歩(23)
40 同 飛(28)
41 2三歩打
42 2八飛(24)
43 4三金(42)
44 7九玉(69)
45 3四歩(33)
46 3六歩(37)
47 7三桂(81)
48 8八玉(79)
49 9五歩(94)
50 4七銀(48)
51 2二銀(31)
52 3七桂(29)
53 3三桂(21)
54 3五歩(36)
55 同 歩(34)
56 4五歩(46)
57 同 桂(33)
58 同 桂(37)
59 同 歩(44)
60 3五角(68)
61 3四歩打
62 2六角(35)
63 6五歩(64)
64 3七角(26)
65 6四桂打
66 6五歩(66)
67 同 桂(73)
68 6六桂打
69 8四金(74)
70 5五歩(56)
71 同 歩(54)
72 5四歩打
73 4四銀(53)
74 4六歩打
75 7七桂成(65)
76 同 桂(89)
77 8六歩(85)
78 同 歩(87)
79 8七歩打
80 同 金(78)
81 8五歩打
82 同 歩(86)
83 6五歩打
84 8四歩(85)
85 6六歩(65)
86 同 金(67)
87 8六歩打
88 同 金(87)
89 7四桂打
90 4五歩(46)
91 6六桂(74)
92 4四歩(45)
93 同 金(43)
94 5三歩成(54)
95 7八銀打
96 6五桂(77)
97 2一玉(32)
98 3三歩打
99 1二玉(21)
100 3二歩成(33)
101 同 飛(82)
102 6八歩打
103 7二飛(32)
104 7七玉(88)
105 8七金打
106 同 金(86)
107 同 銀成(78)
108 同 玉(77)
109 8六歩打
110 7七玉(87)
111 7六飛(72)
112 6七玉(77)
113 4五金(44)
114 2一銀打
115 同 玉(12)
116 3二金打
117 同 玉(21)
118 3三歩打
119 2一玉(32)
120 3二銀打
121 1二玉(21)
122 2三銀成(32)
123 同 銀(22)
124 同 飛成(28)
125 同 玉(12)
126 3二銀打
127 2四玉(23)
128 2五歩打
129 同 玉(24)
130 2六歩打
131 2四玉(25)
132 2三金打
133 3五玉(24)
134 2七桂打
135 投了
まで134手で下手の勝ち