名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

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SS1-10 居飛車穴熊に藤井システム(6)

2023-06-04 | 基本定跡の研究

後手の32銀型に対して、36歩を突けば62玉の形になります。

35歩同歩46銀36歩26飛45歩・・・急戦は先手がうまくいかなかったので、ここから穴熊を目指す構想があります。

なお後手の陣形については、43銀41金型は対急戦も普通の藤井システムもうまくいっていないので、もう取り上げません。95歩に代えて64歩の形はあり得ますが、急戦で攻められたときに55銀~64銀と歩を取られる筋や、55角で様子を見られる筋があるので、後手としてはこの形が最善なのです。

77角64歩88玉74歩66歩

先手は穴熊の前に66歩を突いて、73桂67金45歩78金

78金の代わりに98香もある (85桂86角65歩に78玉と戻す) のですが、先手にとっては金を締まるのが手堅いです。後手にとっての理想は85桂86角63銀98香65歩

この形に持ち込めば評価値は-81の後手ペースなのですが、先手は回避できます。

98香ではなくて35歩同歩68角

この手順がAIの指摘で従来の定跡が変わりました。65歩86歩

この図で評価値は+477で先手有利です。3筋の突き捨ては、66歩同銀65歩55銀54歩の時に35角と出られて王手になるという意味。

72玉24歩同歩34歩22角64歩

銀はタダで取られないし、24角や24飛のさばきもあります (後手が73玉~72銀ならば24飛23歩33歩成同角54飛とさばく) 。 

後手が85桂の前に63銀とすれば

98香85桂68角65歩35歩

98香の形でも関係なく、同じようなことになって先手ペース (評価値は+228) です。

ということで後手は63銀とできずに65歩から攻めるしかないのですが、68飛と迎撃されます。

今から63銀では77桂

先手の6筋が手厚すぎて攻め切れるものではないですし、63銀の代わりに66歩同金65歩と攻めると55金

65飛と出られると王手桂取りになるのが痛くて、54歩65飛71玉85飛55歩

この図は難解だとされていましたが、AIの評価値は+757ではっきり先手有利です。

つまり32銀型では36歩62玉が入ると、藤井システムの攻め筋を採ることができない、というのが結論です。85桂と攻めずに71玉

98香43銀99玉54銀88銀84歩

先手は角を右に展開して松尾穴熊を目指す展開もありますが、AIの推奨は24歩同歩35歩同歩65歩

65同桂33角成同桂68銀

46歩同歩同飛24飛45桂21飛成62金寄

こんな進行例で評価値は+151、先手ペースの終盤ですが、後手が戦えないこともないかなというくらいです。

評価値はそれほど悪くならないなら、藤井システムを採用しても良いのではないかと思いますが。私は振り飛車党ではないし、逆に居飛車穴熊も指さないので、この辺りはよくわかりません。

 

 


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