前回の続きです。今回はエルダーメンバーのステージングの感想行きます。
稲葉貴子&前田有記の「Magic of Love」は、この日も素晴らしい歌声を会場に響かせた。メロン記念日の「This is 運命」は、この日も会場を熱くさせた。いずれもハロプロ内に於いて決して主戦級とは言えない(ゴメン)メンバー達だけど、このクオリティ。メロンが会場をヒートアップさせたのは、お馴染み人気ナンバーだからというだけではない。デビュー10年の間には、なかなか表舞台に出られず地道な営業活動をした時期もあったメロン記念日。彼女達のファン思いな仕事への姿勢は、ワンダのメンバーは大いに学ぶべき。そう改めて思わされたステージングでした。大会場の隅々まで巻き込むパワーは素晴らしい。
パワーと言えば凄かったのが、復活ユニット達。タンポポの可憐な姿、プッチモニのカッコ良さ、美勇伝の艶やかさ、いずれも大人のアイドルとしてのお手本とも言える姿。ワンダのメンバーが二十代になった時(もうなっているメンバーもいますが)、大いに参考になるステージングだったのではないでしょうか。
タンポポでは、一部のヲタが黄色の高輝度サイリウムを光らせ、2002年9月の横アリ「二期タンポポを送るタンポポ祭」を再現させた。暗闇に灯る黄色の波は綺麗でしたよ。やりたい人だけがやるという流れだったのも、最近のサイリウム祭とは違うスタンスで良かったとゆいたい。
そして、プッチモニを観て中野公演の時と同様に今回も、「このメンバーでまたプッチモニやればいいのに」と思うのでした。みんなカッコ良すぎ。そして、ヤススはギラギラし過ぎ、でもそこがいい。
偏見かもしれないけれど、吉澤さんは音楽ガッタスの時よりプッチモニの方が輝いて見えた。音楽ガッタスは選曲が失敗だったのかもしれない。里田まいの一人カントリー娘。は良かったけれど、こちらはみんなが知っているような曲を選んだのが正解。
美勇伝は解散してから半年しか経っていないから、タンポポやプッチモニに比べて復活に対して正直感動は薄い。それでも復活はとても嬉しい。なぜならば、ハロプロに(エルダーも含めて)代わりになる存在の居ないユニットだから。
セクシーに楽しく勇ましく魅せる美勇伝。歌やダンスは特別凄くはないし、曲も良曲揃いだけど名曲とは違う。でもハロプロにとっては、セクシー&面白ユニット美勇伝は貴重な存在だったのではないですか?今後のハロプロの課題、美勇伝的なポジションのユニットを作る事。必須事項です。
タンポポやプッチモニの復活は懐かしくもあり、嬉しくもあり、当時を知るファンへの素晴らしい贈り物となりました。当時を知らないファンにも、素敵なユニットだなと感じてもらえたのではないかと思います。当時を知らず、この日観た方はいかがでしたか?
そして、復活ユニット祭は更に続きます。さくら組おとめ組の復活。さくら組はなっちを含めた1stシングル時のメンバーです。ただし、ぼんさんは居ません。仕方がない事ではありますが寂しい事です。
そんなさくら組に対して、おとめ組は全員参加。ミキティがあんな事になった事もあり、正直言っておとめ組の完全復活もとっくに諦めていたのでしたが、脱退以来初めてミキティが娘。メンバーと共演し、かつてのパワフルなおとめ組ステージを再現。完全再現。
完全再現するためにミキティ同様にネックになっていた辻ちゃん(現姓、杉浦ちゃん)も参加。やっぱりおとめ組良いわ、またコンサート観たいわと、この瞬間だけは気分は2004年春。おとめ組を観に行くため、静岡だ大宮だ甲府だと出かけた日々を思い出します。甲府での公演で貰えたおとめ組ポスターは宝物(メンバーがゲームをした。そして勝ったメンバーの担当するエリアの客席の人々が宣伝用ポスターを貰えた)。
凄いのは復活ユニットのパフォーマンスだけではなかった。ソロ組も素晴らしいステージングを見せてくれたのです。
新曲を含めて三曲歌ったあやや。観に行く前にセットリストを見た時は「新曲歌って大丈夫だろうか。盛り上がるかな?」と心配していました。しかし、そんな心配は杞憂に終わりました。テンポの良いリズムに乗せて客席に向かい合いの手を促すあやや。その要求がとても自然で、観客も入っていきやすい雰囲気が出来ていた。さすが数多くのステージをこなしてきただけの事はある。この日、初めてこの曲を聴いた人も多かったであろう筈が、大いに盛り上がりを見せたのでした。
あややと言えばこの人も忘れてはいけないミキティ。
エルダー公演では「ブギートレイン03」を歌ったミキティ。この曲は当時、キッズの選抜メンバーを従えて歌っていたナンバー。横アリのステージでそれを再現する演出も期待出来たけど、フタを開けたらなんと「あの曲」が出てきた。「ロマンティック浮かれモード」。
ハッキリ言ってこの曲は名曲である。名曲なんだけど、ヲタ芸全盛期に人気曲になってしまったがためにヲタ芸の代名詞みたいになってしまいました。それが実に残念。キワ物扱いする曲ではないと怒りを少し込めて断言。
しかし、この日の客席もそんな雰囲気。ところが、以前ほど回ったりするヲタは減り、凄いのはヲタ芸よりもヲタの熱気という健全な状態になったのでした。
それにしても、PPPHでのミキティコールは凄かったなあ。ファミリー席の自分もかなり盛り上がらせていただきました。
代表曲を歌うと言えば、中澤姐さんは「悔し涙ぽろり」を披露。この選曲もベストな選択である事を証明するかのように、会場は大きな「裕子コール」の合いの手。
自分の席からはよく見えなかったのですが、姐さんは歌い終わったあとに、バックトラックの音取り用に付けているイヤホンを外して目を閉じて会場の大声援を聞いていたそうです。カッコイイ!そして、そんなファン思いな姐さんの気持ちに感謝です。
中澤姐さんがかつてのモーニング娘。のリーダーとしての顔なら、かつてのモーニング娘。のエースはなっちこと安倍なつみ。
なっちのソロ曲は一曲のみで、それも最新曲「スクリーン」だったのが拍子抜けだったけど、この曲は合いの手を入れやすい事もあり会場は盛り上がる。その盛り上がりを受けて伸びやかに歌を響かせるなっち。
そんななっちのクライマックスと言えたのが「モーニングコーヒー」。11年前を思い出しているのか、メンバーの表情は穏やか。
そんなメンバーを包むように、BメロでのPPPHなっちコールは今日も物凄い大音量。会場の9割くらいの人が叫んでいたのではないか!そのくらい凄まじい熱狂に包まれたモーニングコーヒー。やはり、モーニング娘。のヒット曲は盛り上がる。
元メンバーの存在感も、観客の盛り上がりに負けじと凄い。大会場慣れしているというだけでなく、自分の見せ方をよくわかっている。そういうステージング。格という言葉は使いたくないけれど、やっぱり格が違うなと新旧メンバー揃い踏みのステージを観ながら思うのでした。
クライマックスで、エルダーメンバーの卒業式が行われました。新生ハロプロとなるワンダメンバー代表として、高橋愛、清水佐紀、矢島舞美がそれぞれ贈る言葉を読み上げ、それを受けてエルダーメンバーからは、中澤裕子、安倍なつみ、斉藤瞳、松浦亜弥が一緒に答辞を読み上げました。
この日のハイライトと言えるシーンですが、この場面は正直言って、短くてもいいからエルダー全員の挨拶が聞きたかった。それが無理ならば、せめて代表者四名は一人ずつ挨拶して欲しかった。時間がないなら、歌を一曲削ってでもそうして欲しかったです。なんだか思っていたよりあっさりした卒業式になってしまったようで、ちょっと拍子抜け。
でも、日付が変わり落ち着いて考えてみると、妙にお涙頂戴な卒業式にするより、少しあっさりしたこの演出で良かったのかもしれないと思えてきました。
どうせまたそのうち、きっと来年またみんな集まって「UFA音楽祭」とか言ってコンサートやるんだろ? そんな声も聞こえてくるけれど、それイイ!
そうです。ハロプロは卒業したけれど、エルダーの皆さんはハロプロと縁を切る訳ではない。事務所も今まで通りだ。これからもワンダメンバーの良き手本として、今後のハロプロコンサートにゲスト出演したって良いのです。それではワンダメンバーが成長しないという意見もあるでしょうが、この日のステージのように格の違いを見せつける事も若手にとっては勉強になるのではないでしょうか。
スポーツや企業もそうであるように、ベテランもいてこそ集団は機能するのです。これからもエルダーメンバーの皆さんには、陰からハロプロを見守っていてほしい。そして、これからも良き手本となるようなステージを見せ続けてほしい。
この日のコンサートで多くのお客さんが感じたと思われるのは、ハロプロの幅広さと歴史ではないでしょうか。それを築き上げてきたエルダーメンバーの皆さん。お疲れ様でした。そして、これからもよろしくです。