フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

桜チラリ 桜→入学式

2010-04-02 22:35:06 | ハロプロ(ベリ&℃)

 今日の関東地方は強風に見舞われ、まさに「春の嵐」な1日だった訳ですが、関東では桜が咲き始めていただけに、風で散った花びらの量が心配されるところです。
 毎年この時期になると、桜を歌った歌が発売され、また音楽番組では桜を歌った過去のヒット曲が取り上げられます。
 ハロプロにも桜を歌った歌は勿論あるのですが、それほど多くはないです。クリスマスソングは好きではないというつんくP(という話を、昔何かで読んだ)。桜を歌った歌などという、あまりにありふれたものは積極的には作らないという事かもしれません。

 そんなハロプロの桜ソングですが、まず思い浮かぶのは、アーティスト名そのものに桜の名が付く、モーニング娘。さくら組の「さくら満開」。その「さくら満開」の発売された頃にデビューしたBerryz工房も桜ソングがあります。「桜→入学式」と「サクラハラクサ」。これは、2007年4月に行われたさいたまスーパーアリーナ公演で入場者に無料配布されたCD曲で、後にアルバム「4th 愛のなんちゃら指数」に収録されました。
 そして、デビュー曲で桜ソングを歌った℃-uteの「桜チラリ」。この曲はBerryz工房の桜ソングより少し早い、2007年2月に発売されました。

℃-ute 桜チラリ


 世の中には桜を歌った歌はたくさんあるけれど、本質的な部分で歌っている歌はあまり多くないのではないか?桜の持つ刹那を歌った歌は、川本真琴さんの「桜」と℃-uteの「桜チラリ」が二大名曲なのではないだろうかという事を、以前このブログの別館に書きました。
http://seasonz.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/12.html

 「桜チラリ」は、一見普通のラブソング。芽生え始めた恋を花の開花になぞらえて、いつまでもこうしていたいと歌っています。
 しかし、よく考えてみれば桜が咲いている期間というのは、他の花と比べると短い。つまり、いつまでもこうしていたい気持ちを歌うには矛盾がある。
 では何故「桜チラリ」なのか。

 このCDを出す前に℃-uteはエース格のメンバーを失っています。「いつまでも~あなたを見ていたい」は出来なくなり、「たとえ今はわからない事があるとしても」とZYX時代からの盟友が歌えば、ダブルエースの一人だったエースが「笑える日が来るんだから」と歌います。
 恋の始まりを可愛いく歌っているように見える「桜チラリ」ですが、アイドルグループというものは桜みたいなもの。いつか訪れる散り際の事より、今はいつまでもこうして楽しんでいたいという想いを、ミドルティーンの恋愛の花火みたいな輝きと重ねた意欲作である。私はそう思っています。

 そう考えると、「桜チラリ」の歌詞はなかなか深いなと思える箇所がいくつもあります。こじつけと言われようが正しい見解であると力を込めたいのは、先ほども書いたように、この曲を出す前にエース格のメンバーの脱退があった事。℃-ute自体もいつデビュー出来るかわからないまま、遠回りをさせられてここに辿り着いた事。そういった花が咲くまでの道のりの長さがあるからなのです。

 Berryz工房の「桜→入学式」も一見よくある卒業旅立ちソングに聞こえますが、実はそれは表層的な事であり、この歌も桜の持つ刹那を歌った歌です。

Berryz工房 桜→入学式


 この歌の持つテーマである旅立ちは、この歌のCDを無料配布したさいたまスーパーアリーナ公演を指していると解釈しても、あながち間違いではないと思います。
 桜は咲いている期間は短いですが、また来年には同じ場所で花を咲かせます。つまり一度きりの徒花ではありません。
 ところが、このコンサートのサブタイトルには「この感動は二度とない一瞬である」と記され、この歌でも「またとない季節」という意味で歌われています。
 このコンサートサブタイトルを受けて、当時のヲタはBerryz工房がこのコンサートをもって解散するのでは?と予想していた人も少なくありませんでした。
 それまでのコンサート規模とは異なる大きな舞台。デビュー曲のPVの撮影が行われた場所。確かに「舞台」は整っています。

 しかし、現実にはBerryz工房は解散せず、今も元気にタイに行ったり、相変わらず桃子をイジったりしています。あの思わせぶりは何だったのか?

 真意はわかりません。もしかして解散する事も考えられていたのかもしれない。サブタイトル、歌のテーマ、いずれも次の春はやってこないというニュアンスだったのですから。
 でも、この「桜→入学式」を聴くと、今まで咲かせていた花とは違う、新しい花が咲くのだと歌っているようにも聞こえます。

 一年後、Berryz工房はコミカルソングを歌えるアイドルグループへ変化を遂げます。その新たな花が正解、つまり綺麗に咲いたのかどうかはまだ答えが出ませんが、確かにこの歌とともに、あの日、あのコンサートでBerryz工房は一瞬を咲かせた事は記憶として残っていきます。これもまた桜の持つ刹那を歌った歌と言えると思います。

 アイドルの輝きというものは、桜の花に似ている。この二曲を聴くと、それぞれのグループの歩いてきた道が思い出され、ちょっぴり切なく懐かしむのです。

コメント (2)
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