フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

村上愛と百田夏菜子

2010-10-02 21:48:42 | アイドル etc

 アイドルユニットサマーフェスティバルから1ヶ月が経ち、今更ながらもある雑誌ではSKE48は他ユニットに完敗したとかいう議論が交わされているみたいですが、自分がコンサートを観た限り、それは「客席を気にしていたかどうかの意識の差」だと思っています。
 スマイレージは新曲の振り付け講座を観客相手に行い、歌の間は客席をうまく煽っていました。ももいろクローバーは観客をステージに釘付けにするパフォーマンスと釘付けになるような前振りを挨拶で行なった。bump.yは女優オーラを振りまきつつも客席にたくさん手を振って親しみやすさをアピールした。ではSKE48はどうだったかと言えば、与えられた事をこなすのに夢中で客席をどうにかしようというところまでは気が回っていなかった。そう見えました。ステージ自体は悪くはなかったのですが、セールスポイントのダンスも、ももクロちゃんを先に見てしまっているだけにインパクトは下がるのでした。

 客席を意識して盛り上げて、客席の熱視線に負けないパフォーマンスをするという事は大変なのです。SKEやAKBは今人気ありますから、観に来てくれる人達はみんな自分達のファンという状況。その状況に慣れてしまったのではないかとも思います。ももクロちゃんは家電量販店を回るツアーや路上ライブを経験している。スマイレージはハロプロコンサートなどで自分達のファンではない人達の前でも歌っています。どちらも、今観ているお客さんを一人でも多く自分達のファンにしたい!という経験をしてきているのです。


 以前ハロプロにそういう姿勢を前面に押し出して、常にギラギラしたムードを発していた子がいました。村上愛ちゃんです。元めぐヲタがまためぐぅ…の話かと呆れないで聞いてください(苦笑)。

 めぐは実力から言えばハロプロキッズから一早くデビュー出来たと思われる逸材でした。「めぐターン」と呼ばれたハロプロで一番凄いと評価されていたターンと、常に全力でキレキレに踊るダンス。将来ハロプロの看板メンバーの一人になるであろうと思われた一人。
 しかし、実際はハロプロキッズのスターティングユニットBerryz工房に入らず、バックダンサーの立場を続けたのち、ハロプロキッズバックダンサーズだったメンバー達によって結成された℃-uteのメンバーになります
 めぐはこう言っていました。「℃-uteを誰にも負けないグループにしたい」と。

 ℃-uteを脱退する寸前までこう言い続けてきためぐの想いは、他のグループと℃-uteの立場の違い、「今はインディーズだけど見てろよ」という悔しさから来ていたものであったと思います。当時の℃-uteはインディーズCDを引っ提げて、郊外のショッピングセンターなどを回っていました。場所柄、℃-uteに興味がない通りすがりのお客さんが圧倒的多数。それでも℃-uteは歌い踊った。温厚な子が多い℃-uteだから悔しさはあまり表に出ない。その分、めぐが代表として内面の情念を隠さずステージで発していたのだろうとも思えます。

ハロプロコンサート2006夏 - 即 抱きしめて

 そして、続けてこの曲を歌います。
http://www.youtube.com/watch?v=WVl78PHDizk
 (この二曲は℃-uteインディーズ時代のステージ映像です)

 めぐが引退してから、めぐのような存在を無意識のうちに求めていたような気がします。℃-uteがめぐを失ってから、それまで以上に全力パフォーマンスになり、ダンスを売りにし始めたのは嬉しかったけれど、個人としてのめぐに相当する存在を、アイドル界の中でなかなか見つけられずにいたのです。
 実力で言うのならハロプロで何人かそのようなメンバーはいても、ハロプロメンバーでめぐを重ねるのは気乗りせず、他のアイドルでも見つからないまま、そのテーマはいつしか頭の片隅から消えかけていました。

 4ヶ月前のMJアイドル特集。トップに出てきたももいろクローバーのパフォーマンスに目が釘付けになった。ももクロちゃんの歌やダンスを見るのは初めてではないし、この曲のPVも既にYouTubeで見ていたけれど、驚きを感じるまでには至っていませんでした。しかし、今画面の向こうで踊るももクロちゃんは凄い輝きを放っています。
 何故だ?
 私は主に真ん中で踊り、側転やら馬跳びまで見せ、更にエビ反りハイジャンプまで見せた赤い衣装の子が気になりました。
 歌が終わったあと流れた自己紹介コーナーで彼女は自らを「茶畑のシンデレラ」と称しました。その名も怪盗百田夏菜子。

 PVとMJが大きく違っていたのは何か?PVは面白かったけれど、あくまで画面の中で完結された世界であったのに対して、MJは観客を相手にしていた。ほとんどが自分達のファンではない。それどころか自分達を知らない観客。そこで何をすべきか?ももいろクローバーのみんなはよくわかっていたように思います。だからこそ、テレビを観た人達から多くのももクロファンが生まれたのでしょう。
 リーダーとして、センターとして、かなこは笑顔と一緒にキラキラとギラギラを放っていた。その輝きを見ながら自分は懐かしい気持ちと、確かな手応えみたいなものを感じていました。

 勿論、かなこはめぐではない。キャラクターもセールスポイントも違う。だから重ねて見たりはしない。でも、一度失った夢の続きではなく、新しい夢の行き先を重ねるのなら。

行くぜっ!怪盗少女 (TIFでのステージです)

 ステージとは常に観客との真剣勝負である。アイドルと言えども、いやアイドルという思い入れの強さで見ていくジャンルだからこそ、ファンではない人達の事も意識して、キラキラだけではなくギラギラも適度に魅せてほしい。MJを録画して見たAKBメンバー、スマイレージメンバー。アイドルユニットサマーフェスティバルでももいろクローバーと対峙したSKE48メンバーは何を感じたのか、大いに気になるところです。
 かつて、℃-uteヲタが少なかった時代にハロプロコンサートでめぐが魅せていた輝き、MJやアイドルフェスでかなこが魅せる輝き。まったく接点のない点と点を結ぶ赤いダンスの糸を見つけたような、そんな気持ちで今を見つめています。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする