モーニング娘。の新曲と同じ日にエイベックス初のアイドルグループとして活動をしている「SUPER☆GiRLS」の新曲も発売された。まあ、MVは水着、曲も夏全開、詳しくない人が見たらAKBに見えるのではないか?というくらい、AKB的世界観に包まれています。
SUPER☆GiRLS / プリプリ?SUMMERキッス
先日、遅まきながらSUPER☆GiRLSの1stアルバムを手に入れました。シングル曲は存じていたのである程度は想像が出来ましたが、全編を通じて流れるイマドキなアイドル世界なサウンドの渦。少し高音でユニゾンでたたみかけるボーカル。明るく賑やかな音が溢れ、とにかく明るく元気な世界がそこにある。メンバーの事は詳しくはないけれど、歌い、踊っている姿が目に浮かんできます。こういう、妄想的な飛び出す絵本世界をサウンドで構築する事は現在のアイドル界に於いて重要な事なのでしょう。その世界観を作っていくためにはたとえ多少はワンパターンでも、明るく元気な歌を連ねる必要があるのでしょう。
どちらが良いか悪いかは聴き手の好みになりますが、このあたりはハロプロとは方向性がまるで違う。ハロプロはシングルでは歌わないようなバラードや、実験性の強さを感じるお笑いナンバーが入っていたり、つまりアルバムは「シングルを散々味わいつくしている人」向けなものであります。それに対してSUPER☆GiRLS的な作りは、シングルを聴いて世界観を気に入った人が安心して再びその世界観に触れられる仕様になっていると言えます。これならば、ちょっとシングル曲を知っている程度のファンでも出来に裏切られたと感じる事は少ない。
一つのイメージを作り上げ、あくまでその世界の中で安心の完結を演じるのがAKB的世界観と私は思っていますが、SUPER☆GiRLSもそんな世界観を表現していると言えるのではないでしょうか。音楽的な路線ではAKBとちょっと違いますが、エイベックスの得意な黒い音楽の日本的解釈なサウンドと、今を席巻するAKB的なサウンド作りを「アイドルを売るため」に取り入れつつ、その狭間で決定的なグループのカラー作りに迷いも見え隠れしながら、売上という現実のために日々頑張っている。それが私の感じるSUPER☆GiRLSのイメージです。
走っている速さや向きは果たして正解なのかはわからず、でもそんなか弱き現在進行形こそがアイドルというジャンルの魅力だと、そこに気づいている人が支持するグループであると思いました。
女性アイドルの人気の寿命は短いのだから、先の事などよりも今を楽しく可愛く表現する。だから季節感が必要なのであり、MVには夏ビキニの出番が重要なのだと気づきながら、ひたすら明るく元気な歌声を眩しく思うのでした。