夏の夕方の空は人の心を揺さぶり、盛り上げる力がある。TIFに於いて夕方のSKY STAGEは毎回心に残るステージを観てきている気がする。前日もとても心に残るステージを観た。
前日以上に高い気温に少し体力も消耗しつつある夕方。私は湾岸スタジオの屋上にやってきた。心地よい風に吹かれパワーも回復してきた頃、ステージに「エレクトリックリボン」が登場した。通称を「エリボン」と言う。エリボンコールのエフェクトに乗って現れた三人は、とてもいい笑顔。人の良さそうな雰囲気の人達に見える。
実はこのエリボンのステージはとても楽しみにしていた。昨年くらいに興味を持ち、YouTubeで動画は見ていたのだけれど、私が現場活動から遠ざかり気味になっている事もあり、なかなかライブを観る機会に恵まれなかった。そんな風にしているうちに、前日のTIFのステージでエリボンのメンバーNAOMiさんが8月一杯で辞めるニュースが舞い込んできた。「もっと早くライブを観に行っていれば…」と後悔の気持ちを抱きながらSKY STAGEにやってきたのだ。
しかし、いざステージが始まってみれば、そういう感傷的な気持ちはどこかへ飛んだ。メンバーがキュートな笑顔を振りまきながら、ちょこちょことステージを走り回って歌うのだ。楽しい! サウンド的にはテクノポップに分類されるのだろうか。でも、テクノにありがちなクールな感じはなく、むしろフレンドリーさで勝負している感じがとても素敵だ。
そんな書き方だとインパクト型の飛び道具なグループに思われそうだけど、それは間違いというもので、エリボンはキーボードを弾いているasCaさんが全曲作っていて、しかもasCaさんはソングライターとしても活躍されている。NAOMiさんはモデルとしても活躍していて、ericaさんはアイドル好きDJとして活躍している。つまりエリボンは多才な才能を持ったグループなのだ。そんな彼女達が、フレンドリーでスマイル100%なステージを見せているというギャップが清々しく楽しいのだ。
途中で新メンバーが紹介され、Azumiさんが登場して歌にも参加した。新人が入ってきた時というものは、そのグループの本当の結束力や雰囲気の良さが試されるものだが、Azumiさんは物怖じせず、メンバーの動きについていっているように見えた。エリボンはいいグループなんだなと実感する。
楽しい時間というものは、あっという間に過ぎていくもの。ふと気づくとラストの曲になり、終わっていた。大きく手を振りながらステージから去っていくメンバーに、私は力いっぱい手を振り返していた。
星屑ハイランド/エレクトリックリボン(MV full ver.)