ブラックバラエティに再びモーニング娘。が登場した。今度は援軍(?)として嗣永桃子ことももち(という呼び方が一般的認識だろう)を引き連れてやってきた。
番組のノリはあくまで楽しく。モーニング娘。は売り出し中の新人みたく自己紹介を挟みながら、そこでも笑いをとっていく。MC中居君と六期さゆれなのやりとりは慣れたもので、言葉の絡め方がかつての「うたばん」を彷彿させる。結構遠慮がないような言葉のキャッチボールをする三人。中居君が楽しそうで何より。
前回同様に放送は何回かに分かれるようで、今回は触りを流したという感じ。ももちの「許してにゃん体操」がハイライトだった。
ハイライトなのはももちのブリッ子っぷりではなく、後ろで唯一ちゃんと体操していたフクちゃんの事である。
ヲタってものは我儘で身勝手なもので、自分の推しでなければ基本は興味がない。ハロプロ応援ブログにAKBの話を書いても読み飛ばされてしまうのと同じである。
この体操タイムでも、番組内で「ももちさんと道重さんが大好きです」と明るく話していたフクちゃんは、「動画を何回も見ているから動きはバッチリ」とばかりに指導者以上のオーバーアクションで体を動かしていた一方で、「新垣さん大好きです」なイクタえりぽんは見るからにやる気のない体操っぷりであった。見よう見まねで少し恥ずかしげに体操する芸人より緩慢な動きのイクタ。
そう、ヲタは我儘なのだ。推しでもないメンバーが目立っている体操なんて、「やっとれん」と思っているのである。
アイドルと言えども心の中はヲタなものが存在しているのならば、譲れない気持ちがそこにある。楽しく体操するフクちゃんも自分に忠実であり、つまらなさそうに手を動かすイクタも自分に忠実なのだ。
しかし、それはプロ意識の欠如ではなく、己れのパーソナリティに忠実である事の証明でもあり、アイドルである前に一人の女の子であるリアリティでもある。だからこそアイドルって面白いのだとも思いながら、次回以降も楽しみなのだ。
土曜日深夜にBSプレミアムで「ゆび祭り」のダイジェスト版が放送されました。そうです先日日本武道館にて行われたアイドルの祭典。ハロプロからはBuono!が出場したあのコンサートです。
ゲストアイドルは全て一曲ずつに編集されていたので物足りなさもありましたが、一度に色んなアイドルが観られる楽しさは感じました。
この放送を観たハロヲタの多くは「Buono!すげえ。ハロプロの格の違いを見せつけた」とお思いの事でしょう。私も「今まで出てきたグループで一番歌が上手い。段違いに上手い」と思いましたが、ちょっといくつか気になりましたよ。
流れ的に色んなタイプのアイドルを観ていく流れになるので、ももクロみたく派手に楽しくステージを作るアイドルもいれば、女子流みたく可愛らしさが満開になっていたステージもありました。そういう中でBuono!が見せられるステージとは何か?普段のテレビでは見られないももちのカッコ良さ。それがメインテーマになっていたようで、そこを釣り餌にして、雅&愛理が威風堂々と歌い上げる。そんなステージでした。
ももいろクローバーZ 「行くぜっ!怪盗少女」 ゆび祭り 2012/6/25
東京女子流 「おんなじキモチ」 ゆび祭り~アイドル臨時総会~ 2012/6/25
Buono!「初恋サイダー」 ゆび祭り~アイドル臨時総会~ 2012/6/25
「どうだ!Buono!凄いだろう?ハロプロ凄いだろう?」という声が全国から聞こえてきそうです。実際に武道館に観に行った人達にもBuono!は好評だったようで、やはり「歌がしっかりしている」という意見をいくつもネット上で見かけました。
でも、ここはアイドルの祭典。上手いだけでなく、アイドルとして何をアピールするのかも大切。会場にはハロヲタではない人が大勢いるのですから、そういう人達にも満足して帰ってもらわないといけない。
ステージが上手かったから凄かったからお客さんはみんな満足ではないのか?と思われそうですが、凄かったから楽しいは一致しない。「ハロプロの実力」は十分にアピール出来たとは思いますが、「凄かったからファンになります」とイコールになるとは限らないのがアイドルの難しさ。私は「あと一息、何かが足りない」という正体不明な疑問と格闘してみました。
そして、出てきた答えの一つは「隙かない」という安定度が思い入れの余地を奪っているのでは?と思い始めました。アイドルとは多少のハラハラ感は必要で、そのハラハラ感が支えているような気持ちに繋がり、思い入れへ繋がっていくのではと感じ始めてきました。
Buono!は特にハロプロの中で安定感のあるグループ。だからこそ、このステージに上げたのでしょうけれど、その堂々っぷりに不安も感じていたのです。
個別握手会という言葉は今アイドルヲタをやっていたら誰しもが耳にした事がある言葉だと思います。「個別」つまり、グループ全体と握手をするのではなく、一人のメンバーとゆっくりしっかり握手をする事です。
初めに個別握手会を始めたグループはどこなのかはわかりませんが、AKB48がその存在をアイドルグループ界のスタンダードにしたという事は間違いなく、強い影響をアイドルグループ界に与えました。何しろ人数が多ければ、それだけDDなヲタが握手を求めて多数買ってくれる。商売としては、まあ巧く考えたなと感心するところであります。
個別握手会の是非については以前も語ったのと、もはやハロプロもその魔力にとり憑かれてしまった感があるので今回は敢えて触れませんが、私が気になるのは、そういう商法が巧く成立するほどDDなヲタが多いという事。
一つのグループに一推しなメンバーがいるのは当然として、二推しや三推し、更に何推しもいるのは珍しい事ではないという事を個別握手会の盛況っぷりで痛感します。みんなそんなに握手をしたいメンバーがいるのか!
いや、私もその気持ちはわかります。可能ならハロプロ全メンバーと個別握手をしてみたいと、握手会というものに対して割と淡白な自分でさえもそう思います。
それはいわゆる「箱推し」というグループ愛の証明でもありますが、極度に一人のメンバーへと思い入れを持ち過ぎないという、一種の「逃げ」みたいな感情、もしくはアイドルという存在をクールに見つめて「一人なんて言わずにたくさんのアイドルを楽しんじゃえ。恋人じゃないんだから浮気ではないし」というご都合主義な思考か。
アイドルブームと言われ、ヲタはとても熱狂的に推しているアイドルに接しているように思えて、実は割とドライな感情と関係でアイドルと接しているというのが現実なのでしょうか。いや、単に色んなアイドルが出てきているから、色んなアイドルを楽しんだ方が得だという気持ちが強いのか。私は後者。
アイドルはいつスキャンダルを起こすかわからない。また、情報社会の進化で小さなスキャンダルが生まれやすくなった。知らず知らずのうちに我々は心のバリヤーを構築しているのかもしれません。
本当は「道重一筋」Tシャツくらいの気概が必要なのかもしれませんが。
モーニング娘。の新曲と同じ日にエイベックス初のアイドルグループとして活動をしている「SUPER☆GiRLS」の新曲も発売された。まあ、MVは水着、曲も夏全開、詳しくない人が見たらAKBに見えるのではないか?というくらい、AKB的世界観に包まれています。
SUPER☆GiRLS / プリプリ?SUMMERキッス
先日、遅まきながらSUPER☆GiRLSの1stアルバムを手に入れました。シングル曲は存じていたのである程度は想像が出来ましたが、全編を通じて流れるイマドキなアイドル世界なサウンドの渦。少し高音でユニゾンでたたみかけるボーカル。明るく賑やかな音が溢れ、とにかく明るく元気な世界がそこにある。メンバーの事は詳しくはないけれど、歌い、踊っている姿が目に浮かんできます。こういう、妄想的な飛び出す絵本世界をサウンドで構築する事は現在のアイドル界に於いて重要な事なのでしょう。その世界観を作っていくためにはたとえ多少はワンパターンでも、明るく元気な歌を連ねる必要があるのでしょう。
どちらが良いか悪いかは聴き手の好みになりますが、このあたりはハロプロとは方向性がまるで違う。ハロプロはシングルでは歌わないようなバラードや、実験性の強さを感じるお笑いナンバーが入っていたり、つまりアルバムは「シングルを散々味わいつくしている人」向けなものであります。それに対してSUPER☆GiRLS的な作りは、シングルを聴いて世界観を気に入った人が安心して再びその世界観に触れられる仕様になっていると言えます。これならば、ちょっとシングル曲を知っている程度のファンでも出来に裏切られたと感じる事は少ない。
一つのイメージを作り上げ、あくまでその世界の中で安心の完結を演じるのがAKB的世界観と私は思っていますが、SUPER☆GiRLSもそんな世界観を表現していると言えるのではないでしょうか。音楽的な路線ではAKBとちょっと違いますが、エイベックスの得意な黒い音楽の日本的解釈なサウンドと、今を席巻するAKB的なサウンド作りを「アイドルを売るため」に取り入れつつ、その狭間で決定的なグループのカラー作りに迷いも見え隠れしながら、売上という現実のために日々頑張っている。それが私の感じるSUPER☆GiRLSのイメージです。
走っている速さや向きは果たして正解なのかはわからず、でもそんなか弱き現在進行形こそがアイドルというジャンルの魅力だと、そこに気づいている人が支持するグループであると思いました。
女性アイドルの人気の寿命は短いのだから、先の事などよりも今を楽しく可愛く表現する。だから季節感が必要なのであり、MVには夏ビキニの出番が重要なのだと気づきながら、ひたすら明るく元気な歌声を眩しく思うのでした。
モーニング娘。の「One Two Three」が初動10万枚を超えました。これは、2002年に発売された「ここにいるぜぇ!」以来で10年ぶりとなります。
この数字は、たくさん握手会を行ない、たくさんのCDを売ってきた。その積み重ねであります。枚数を重ねてチャートの上位になれば話題性が上がりマスコミにももっと取り上げられ、人気も上がるかもしれない。でも、そこがゴールではないし、過程としても違う。
実際のところ、売上を上げていったところで必ずしもマスコミの扱いが良くなるとは限らず、こういうものは事務所とマスコミの関係次第でどうにでもなる類いのものであり、あまり人気は関係ないのであります。
それを踏まえて書くと、モーニング娘。に於ける「人気が上がってほしい」というヲタの願いは、「売れてマスコミに出まくって楽しいヲタライフを過ごしたい」というものより、「こんなに素敵なモーニング娘。の魅力をもっとたくさんの人達に知って欲しい」という親心にも似た想いなのではないでしょうか?
そうであるならば、もうオリコンチャートに振り回されずに、自分達の提唱する新しい価値観で人気を広げ、魅力をたくさんの人に伝えていけないものかと考えます。CDを付加価値で売るという他人が考えた商法ではなく、ハロプロの価値観に基づいた売り方で。
10万枚という一つの区切りを超えた今、次も売上を出来るだけキープするという方向よりも、「オリコンチャートだけが全てではない」とばかりに、新たな売り方、CDで利益を生み出すのとは違ったやり方で、更なるチャレンジをしてほしいと、関係者の方々に期待を寄せています。
スポーツチームを応援している人ならばよくわかると思うけれど、年月とともに世代交代という時期がやってくる。その周期はスポーツジャンルによって違うけれど、アイドルグループもスポーツチームと同じように世代交代をしなくてはいけないタイミングがあって、そこを間違えると人気は萎んでいく。
今に思えば、いわゆるプラチナ期というものはメンバーを変えない事でクオリティや、まとまりを高める事には成功したけれど、人気獲得という面では世代交代がうまく行えず停滞したという時期でもあります。
アイドルに於いてスポーツの勝敗に相当するものが売上とかになるのであれば、この期間は負けが多かったという事になりますが、実力であるとか、観に来る人の顧客満足度はかなり高かったと思います。そして、そこで培ってきたカラーが今に繋がっている。
メンバーの世代交代は出来ず、その点を犠牲にしてメンバー固定で作り上げた新たなセールスポイントやグループのカラーが、それまでのものとは代わり、それはすなわち「イメージの世代交代」をしたような形になったと今は思います。
「新生」というキーワードにワクワクしながら、そのキーワードに寄ってくる新規ファンを嬉しく思いながら、新生に至るにはそこに行きつくための下地を作ってきた期間もあった事を振り返ってみたいものです。
モーニング娘。の新曲がここまでの推定売上で八万枚を超えました。この勢いで行くと十万枚を超えそうだけれど、それは超えてから話題にしたいと思います。
個人的には発売三日目でも一万四千枚以上を売っていたという事。イベントで売った分を引いても一万枚を超えているから、CDそのものが買われているという事でもあります。iTunes Storeでもハロプロには珍しく20位以内に入ったそうだし、曲そのものにも多少なりとも注目は集まっているという事でしょうね。
最近のこの流れは様々な種蒔きが実を結び始めた結果でもあると思いますが、その一つが9期、10期の存在。思い切って新人だらけなモーニング娘。に変化させた事で、看板にふんぞり返る事なくグループを新人のように宣伝させる事が出来た。それが良い流れに繋がっていると私は思います。グループ自体が新人みたいなものだからと思えば、名前を大書したポスターを街に貼り出すのも必然。新人としてのプロモーションなのだから。
それでも、グループ名はものすごい知名度がある。他のアイドルグループが羨むほどに。グループ名には知名度があるからこそ感心ももたれやすい。よく言われる「今のモーニング娘。は誰がいるのかわからない」というフレーズは、それを言わせたり思わせた時点で第一段階はクリアした事になります。無関心、本当の無関心で終わるならば「誰もわからない」という感想すら生まれない。少なくとも、誰が今いるのかをチラッとは確認してもらえた訳ですから。
今週、各地で行われているイベントにも、いわゆるコアヲタさんだけでなく、ライトファン、新規ファンらしき人も少なくないと聞きます。まずは、そういう人達にモーニング娘。に触れてもらう。そこから感心を深めてもらうという意味で、今回のイベント多発化は悪くはなかったと思います。
むしろ、次回以降もCD一枚で参加出来るようなイベントは一定数開催してほしいとも思います。
モーニング娘。 「One・Two・Three」 (MV)
以前からハロプロの公式サイトには物足りなさを感じていたのですが、最近リニューアルされて前よりはデザインが良くなりました。事務所がWEB戦略にも力を入れてきていると思って良いのかなと思うのですが、今回のモーニング娘。新曲の特設サイトはかなり力の入ったものになっています。
http://www.up-front-works.jp/onetwothree/
一人ずつのプロフィールムービーも面白く、更に50枚のシングルを「OGメンバー」も含めて解説するという企画も。これは個人的には待望の企画。節目の機会に相応しく、また「自分がハマった時期に関わらず」思い出をプレイバック出来る企画でもあると思います。
あとはシングルが売れる事を願うところであります。今回は宣伝費もかけているので、イベント多発も正直気にかからなく感じています。「そこまで事務所が力を入れているのだから」数字はある程度は求めるべき。とにかく明るい話題を増やしていくためにも。
「今のモー娘。って誰がいるのかわからない(笑)」というコメントは今まで数えきれないくらい見てきました。きっと、今朝のめざましテレビのモーニング娘。特集や、現在渋谷に貼り出されているメンバーのポスターを見ながら、そんな言葉を発している人は何人もいるだろう。
でも、今は知らないからこそ新鮮なのであり、グループ名は誰もが知っているからこそ宣伝もしやすい。
今朝のめざましテレビ
http://www.youtube.com/watch?v=RUtaaoACrwk
スタッフは今はとにかくメンバーの顔と名前を売り出したい。そういう思いでいっぱいなのでしょう。ポスターには大きく名前を入れている。「今のモーニング娘。を知らないなら、このポスターを見た機会に知って欲しい」そういうやり方。大賛成。無名である事を宣伝に於けるメインテーマにするという事であります。
こんな感じです
今のモーニング娘。は残念ながら、その有名過ぎるグループ名とは裏腹に個人名に関しては一部のメンバーを除きマイナーアイドル。というか新人グループにほぼ近い。だから、看板には頼らず新人らしく名前を売る事から始める。素晴らしいと思います。
そして、札幌から沖縄までイベントを行なう。特に沖縄まで足を運ぶとは、今回のシングルに賭けるスタッフのキモチを感じます。
まずは焦らず、少しずつ新しいファンを増やしていくために。そして、それがメンバーのモチベーションにも繋がり、活動にも大いにプラスになっていく。良い流れではないですか。
モーニング娘。 50枚目のシングルいよいよ発売。