とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

ふるさと

2011-04-12 00:16:38 | 日記
ふるさと





 ふるさとの復旧・復興が1日でも早く実現しますように。その祈りを込めて、懐かしの童謡をアップしました。
 

童謡「ふるさと」・唄:小鳩くるみ

 (私の情報源の追加)

 復興支援に関する情報が充実しているサイトです。

復興支援東日本大震災・YAHOO

 原発に関する論評が参考になるサイトです。

北の国から猫と二人で想うこと

桜の森の満開の下

2011-04-10 23:10:44 | 日記
桜の森の満開の下




 

 安吾の小説は奇異極まる話だが、私が今日桜の森で体験したことは極めて爽やかなものだった。
 家族の誕生日のささやかな食事会をして、私たちはついでに玉造温泉の桜を見た。写真のような桜が川を挟んでずっと宍道湖の河口近くまで続いている。昨年は見逃したので、今年は是非行こうということになって、予定になかったが出かけたのである。
 一番喜んだのは孫だった。この4月やっと小2になった。土手下の川原まで降りてはしゃいでいた。花見客も日曜日で天気がいいので、相当数いた。東日本大震災と不景気で観光客が少なくなったと聞いていたが、地元の花見客は例年並みに多かった。
 川原から上を見上げると、青い体操服を着て緑の帽子を被った中学生が3人何か箱のようなものを持って歩いていた。そうか、ここでも募金をして回っているのかと感心して見ていた。やがて3人は川原へ降りてきた。よく見ると、箱の中にはミカンが入っていた。
 すると、ミカン売りのアルバイトをしているのか。私はそう思った。箱の張り紙は字が小さくて読めなかった。私たちのところへ近づいてきた。
 「ミカン要りませんか」
 一人がそう言った。そして、別の一人が「売り上げは全部震災の寄付にします」と付け加えた。
 すると、妻が「一袋頂戴」と言った。「2百円です」という答え。袋の中には3個ずつ入っていた。妻は、「じゃ、二つください」と言って追加した。
 「ありがとうございます」
 3人が揃って頭を下げた。
 その時、即座に私は聞いた。
 「君たち、どこの中学生」
 中の少し背の高い男の子が答えた。
 「玉湯中学です」
 私は「感心だね」と言うと、3人ははにかんだような顔をした。
 「中学生さん、私にも2個頂戴」
 ずっと向こうから中年の女性の声がした。孫らしい女の子がお金を持ってきて箱に入れた。
 「私も頂戴」
 そのグループの近くの若い女の人が続いて注文した。するとあちこちから声がかかった。
 とうとう箱の中は空になった。
 仔細を見ていた私は急に爽やかな気持ちになった。そしてまた、花に浮かれている自分がみじめに思えてきたのである。 



 

救世主となるか

2011-04-09 15:30:17 | 日記
救世主となるか


 次のニュースに私は少しほっとした。


ロシアの放射性廃液の処理施設を公開<日本テレビ系(NNN) 4月9日(土)7時6分配信>


 福島第一原子力発電所の事故をめぐり、ロシアが日本に送るとしている放射性廃液の処理施設「すずらん」が8日、公開された。

 「すずらん」は、放射性廃液を処理するため、01年、日本の出資によって完成した。長さ65メートル、幅23.4メートル、一見、船のように見えるが、自力で動くことはできない。

 「すずらん」の管理責任者であるウラジミール・ボブコフ氏は「この施設は電気の供給がなくても30日間、海上で稼働できます」と話した。また、原潜解体工場責任者のロバノフ・ドミトリ氏は「日本はこの施設に出資してくれました。今、我々はその借りを返すべきです」と話した。


次のyoutubeを見ると、日本側はロシアにこの施設の貸し出しを要請したことが分かる。まさに救世主現る!! である。ただ、もっと早く要請するべきだったのに、何故今まで・・・という疑問が残る。
 とまれ、光が見えたという感じがする。




はしけ型処理施設、ロシアに協力要請

僅かの光明

2011-04-08 00:17:32 | 日記
僅かの光明



 国家の非常時に拘わらず、いや、非常時だからこそだろうが、各方面の人が一つひとつの事態に自分の立場に立った批評をし、批判的なコメントをしている。
 ネットとかの各メディアの論調を見ていると、ほんとに頭が混乱しそうである。どれが真実に近いか見分けがつかない状況である。これをコントロールすると、報道規制とか、被災時翼賛会などとまた酷評されると思う。
 励まされ、自身を鼓舞できるのは、被災者の連帯の力、地域の力、ボランティアの方々の前向きな努力である。こういう動きを見ていると、ほっとする。反面、被災地の行政の方々、農業者、漁業者、製造業者等のご苦労には、行き先が今のところ見えない状況なので、もう言葉が出ない。
 汚染水を海に流したということを知ったときは、これは重大な失敗をしてしまったと思った。高度の科学技術を誇る日本が取るべき道ではなかったと素人の私でも思った。今まで黙して、耐えていた人たちもこれには我慢が出来なくなった。それは当然のことと思う。国際的にも非常な問題となる。
 そういう中、次のような記事が目に飛び込んだ。


汚染水浄化、仙台産ゼオライトが有望…学会有志(読売新聞 4月7日(木)20時11分配信)

 東電福島第一原発のタービン建屋地下などにたまる高濃度の放射性物質を含む水の浄化に、仙台市青葉区の愛子(あやし)産の鉱物「天然ゼオライト」が有望であることを、日本原子力学会の有志らがまとめ、7日発表した。

 研究チームは、同学会に所属する東北大など5大学と日本原子力研究開発機構の計59人。福島第一原発で、難航する高濃度汚染水の処理の一助になればと、自主的にデータを集めた。

 実験の結果、表面に微細な穴の多い「天然ゼオライト」10グラムを、放射性セシウムを溶かした海水100ミリ・リットルに入れて混ぜると、5時間で約9割のセシウムが吸着されることを確認した。愛子産ゼオライトは大量にすぐに入手できるため、有望な材料と判断した。ほかにも放射性ヨウ素を効果的に吸着する材料として、活性炭などを挙げる。


即座に採用すべき方法ではないのか。私は暗夜に光明を見た思いがした。
 また、災害弱者である障がい者の救援活動をしている団体があることを知った。これも一筋の光明だと思ったので、次にリンクをさせていただきました。募金をお願い致します。かつて家族の一員に障がい者がいた者の一人として、ぜひご協力をお願い申し上げます。

特定非営利活動法人 ゆめ風基金HP 

ゆめ風基金救援レポート

東日本(東北関東)大震災障害者救援本部

水没した穀倉地帯

2011-04-04 23:37:31 | 日記
水没した穀倉地帯





 この時期、あまり思い出したくない画像を敢えて掲載した。私が以前古本屋で買い求めた資料の表紙である。
 私はこの度の東日本大震災の津波の悲惨な映像を見ていて、私もこれとよく似た経験をしていることを思い出したのである。勿論、表題にあるように津波ではないので、家屋が押し流されたということは聞いていない。ほとんどが浸水である。
 しかし、出雲平野の築地松だけが湖面に浮いているようなこの光景は津波が押し寄せてきた直後のような錯覚を覚えさせる。私は思い出してもぞっとする。
 集中豪雨で宍道湖の水が堰堤を越えて、押し寄せてきたのである。もし、強い地震が宍道湖周辺とか中海周辺で起こった場合、こういう情景が現出する。その上島根原発が損壊すればますます悲惨である。
 以前も述べたが、「出雲地震」は平安時代(880年)のことであり、知識として知っておられるお方は少数である。「想定外」という言葉をこの度の震災でいろいろのお方が仰った。しかし、三陸で十数メートルの津波が起こる可能性が零点何%はあるというデータを私はネットで確かに見た。原発関係者はご存知のことと思う。
 だから、島根の場合も他県の場合も過去百年単位という範囲ではなくて、1千年という過去までも想定の範囲内に入れて防災対策を練り直す必要があるのではないのか。


 貞観地震は貞観11年(869年)に陸奥国東方の海底(三陸沖)を震源として発生した巨大地震である。地震の規模はおおよそM8.3以上であったと推定されている。この地震によって起こった津波は「貞観津波」ともいわれる。
 仙台平野に津波が溯上した痕跡が複数あるが、その痕跡から判断した場合、超巨大地震による津波により東北地方の太平洋側が襲われ、その威力で仙台平野が水没するという現象が約1000年間隔で繰り返されているとされる。(Wikiより)

参考資料・津波災害は繰り返す


お前は被害妄想だ、と仰っても私は敢えてここで書きとめておきたいのである。