私は生まれた時から水道の蛇口をひねると美味しい水が飲めたので、1万年以上前に水以外の飲み物(人の手で作りだされた飲み物)を飲んで暮らしていたとは信じられないぐらい驚きました。人にとって飲み物が重要というのはわかります。今より人口も少ないので、川の水でもきれいだと思っていました。田舎へ行くと家の前に川(水路?)が流れていて、その川の水で料理などしているのを見たこともありました。ところがもっと大昔は水は細菌に汚染されて危険なため、偶然に発見された安全な飲み物を飲んでいました。穀物を水に浸しておくと甘みを増し、薄いおかゆを数日間置くと軽い発泡性の液体(ビール)が出来て飲むと心地よくなり、火を通しているので水より安全でよく飲まれるようになったそうです。最初はどんな飲み物も薬として利用されていたのが、だんだん普通の飲み物として普及しました。
ビール・ワイン・蒸留酒(ウィスキー・ブランデー・ラム酒・テキーラなど)・茶・コーラには世界の歴史の流れが記録されていました。3つはアルコール、3つはカフェインを含んでいるという共通点があります。これらは通貨代わり、宗教の必需品、政治的シンボル、哲学的・芸術的発想の源として利用されてきました。パンとビールはピラミッド建築に携わった労力の賃金として支払われたそうです。ワインは新石器時代(紀元前9000年~4000年)の間に作られました。ブドウの皮につく天然酵母が果汁に含まれる糖分をアルコールに変え、陶製の容器に長期保存された結果、偶然にワインができたらしいです。また砂糖作りで出来る副産物を発酵させて蒸留した強力なアルコール飲料(さとうきびのブランデー)を作りました。ラム酒も同じような製法で非常に強い最低最悪のお酒でしたが、これにレモンやライムを加えることでビタミンC不足の壊血病が劇的に減少したそうです。ビールを蒸留することでウィスキーができ、すぐにアイルランド人の生活様式の1部になりました。お茶の始まりは中国です。お茶には抗菌成分があり、赤痢の蔓延を防ぎました。お茶は高価で、量を増やすため茶葉にいろいろな混ぜ物をしたために、体調が悪くなったりして普及するのは遅かったようです。コーヒーは鳥が食べているコーヒーの実をスープにしたらすっきりしたので、最初は薬として使われていたのが普及して、「コーヒーハウス」が出来て、残念なのは女人禁制でした。コーヒーハウスでは沢山の情報が仕入れられて男性が入り浸ったそうです。コーラはコカノキの葉に刺激作用があり、精神を覚醒したり食欲を抑える働きがありました。ノンアルコール飲料の魅力はソーダ水の風味付けのシロップとしても、売薬としても売れる事でした。そしていままた、水がペットボトルで売られるようになりました。
飲み物の底には長い長い歴史が沈んでいるということを知って、すべての飲み物の味が変わるような気がしました。何でも深く知ると愛着がわきます。アイリッシュコーヒーを飲みたくなりました。
アイリッシュ・コーヒー(Irish Coffee)の作り方
そして先日読んだ「銀二貫」で寒天を食べたくなりました。3時のおやつは「せせらぎ」と「水羊羹」
ある日の3時のおやつは「栗かの子」そして大切なのはお茶です。毎日お茶を飲める幸せを感じます。
2021-9-14(火) 息子の本