「聖の青春」「将棋の子」の作家、大崎善生さん作の「ユーラシアの双子」を読みました。大崎善生さんの作品は将棋関係のものはとても興味深くて感動して面白いのですが、どういうわけか他の小説は私にはあまり面白くなく、読んでいる途中でやめてしまいます。だからしばらく読んでいませんでした。久し振りに「ユーラシアの双子」に出合ったので読みました。主人公石井隆平は富山の伏木港から船でロシアのウラジオストックに渡り、シベリア横断鉄道に乗ってモスクワに行きます。モスクワから西へ西へ鉄道で移動し最後は西の果てリスボンへたどり着きます。ユーラシア大陸の端から端までを舞台にした小説です。作者は同じルートで取材されたそうなので、シベリアやモスクワ・ベルリン・パリ・バルセロナなどの風景描写やビール・ワインなどの味の描写などリアルで旅心がそそられます。私はちょうどトルコへ行く前だったのでとてもワクワクして読みました。そしてシベリア鉄道には絶対乗りたくないなぁと思ったり、ロシアの公務員は威張っているなぁと思ったりしました。トルコへ行く前に読み終わりたかったのですが四分の一ほどはトルコ旅行から帰ってから読みました。最後の締めがとても気になっていました。最後はそれで良かったのかどうかもう1つピンと来ませんでした。トルコへ行く機内では飛行機がシベリアの上空を飛んだので、「あぁ~ユーラシアの双子の舞台の上を飛んでいる」と思ったり、アンカラから夜行列車に乗ったときは列車移動の大変さを実感しました。また、シベリア鉄道で同室になった前沢さんという黄色好きの若い男性と親しくなり、お互いを思いやったり助け合ったりして、旅のパートナーも出来ました。旅は人との出会いがあります。トルコ旅行でもたくさんの出会いがあり感動がありました。前沢さんは私の旅で出会った方と重なるところがあって知り合いのような気になりました。読んだ時期がとても良かったと思います。ユーラシアにますます興味が湧きました。
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