「グランドシャトー」高殿円作を読みました。第11回大阪ほんま本大賞を受賞しています。1960年日本が高度経済成長期の時代からバブル時代を経ての大阪の下町、京橋にあったキャバレー「グランドシャトー」の人生模様です。母親に3度も捨てられることになる主人公「ルー」とルーが姉のように慕う「真珠」の物語。キャバレー「グランドシャトー」では真珠が圧倒的にNO.1で、ルーがNO.2にのし上がります。2人が住んでいるのは大阪梅田の中崎町の長屋でした。中崎町は奇跡的に戦火を逃れ、長屋や狭い路地が残っています。偶然、今日テレビを観ていたら、タレントのナジャさんが中崎町を歩いておられました。ナジャさんはこの近くにお住まいだったそうです。長屋もあり、狭い路地にお地蔵さんや祠があり、テレビの中に本の世界が映し出されました。これは奇跡?と思いました。想像してだいたいわかっていましたが、目の前に本物の世界が、本物の物語が、ルーと真珠の姿が見えて、息遣いも聞こえた気がしました。とても切ない物語です。苦労はしても決していじけない強さと人の気持ちに寄り添うやさしさを教えられました。
2024-11-16(土) 図書館資料 請求番号:B/913/タカ
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